『THE SECOND』第2回にエントリー続々……芸人たちのセカンドチャンスが生んだドラマ
#THE SECOND
令和ロマンが衝撃的な優勝を果たした『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の余韻も冷めやらぬ中、早くも来年の『THE SECOND』(フジテレビ系)が動き出している。
27日、同局がそのエントリー状況を発表。昨年惜しくも準優勝となったマシンガンズをはじめとして、「ノックアウトステージ16→8」で敗退したかもめんたる、流れ星☆、2丁拳銃、三日月マンハッタン、ラフ次元、ランジャタイ、同じく「32→16」で敗退したガクテンソク、シャンプーハット、ジャルジャル、タモンズ、ツーナッカン、Hi-Hi、フルーツポンチ、モダンタイムス、モンスターエンジンがエントリー済。さらに、前回はハチミツ二郎の療養のために直前で出場をキャンセルしていた東京ダイナマイトの名前も。
結成16年以上の漫才師が6分ネタで競う同大会は、今年も盛り上がりを見せそうだ。
今年5月の第1回大会開催前には「トーナメント式はどうなんだ」「客席審査で大丈夫か」「そもそも6分はゴールデンには長すぎないか」などさまざまな不安がささやかれていた『THE SECOND』だったが、終わってみれば大成功と言っていい結果に。大会自体もほどよいお祭り感とコンテスト感が同居しており、大会後も多くの芸人たちが恩恵を受けた。
今回は、そんな『THE SECOND』第1回のトピックを振り返ってみたい。
■トータルテンボス、ベスト32に残れず
『M-1グランプリ』で3度ファイナルに進み、2007年大会ではサンドウィッチマンに次ぐ準優勝を果たしているトータルテンボス。第1回の『THE SECOND』では優勝候補の一角に挙げられていたが、133組→32組に絞り込まれる選考会で敗退。界隈に衝撃を与えた。
本人たちも当然、優勝を意識していたようで、敗退直後にYouTube「佐久間宣行のNOBROCK TV」の「100ボケ100ツッコミ」企画に出演した際に、「(落選は)僕たちがいちばんびっくりしてます」と明かしていた。だが、その動画が1,300万回を超える再生数を記録するなど、存在感を示している。
まだ第2回へのエントリーは発表されていないが、参加すればやはり大本命となるだろう。
■金属バットと東京ダイナマイトのドラマ
「32→16」ステージで金属バット×東京ダイナマイトという珠玉のカードが組まれたものの、ハチミツ二郎の病気療養のために東京ダイナマイトが出場を辞退し、金属バットの不戦勝に。
本番では、エキシビションとして金属バットの漫才が披露されることになったが、ここで金属バットはリスペクトを込めて東京ダイナマイトが『M-1』で披露したネタを完全コピー。入場では刀を持ってくる念の入れようでファンを喜ばせた。
その後、東京ダイナマイト側からの呼びかけで2組のツーマンライブ開催が決定。二郎の再入院で一度は延期されるも10月20日にルミネtheよしもとで無事開催される運びとなった。
■流れ星☆たきうえ、らしさ全開
「32→16」ステージで今年の上方漫才大賞を受賞しているプラス・マイナスを下す大金星を挙げた流れ星☆。その勢いを駆って「16→8」の三四郎戦に臨むが、300点満点中「276-290」というハイレベルな争いになり、惜しくも敗退。
流れ星☆を賞賛する声も多かったが、後日、たきうえがTwitter(当時)に「お客さんお笑いマニア入れ過ぎでしょ!」と、運営批判を投稿。
「こっちは娯楽映画撮ってんのにニッチなフランス映画に負けた感じ。今のシステムだとニッチなネタが有利過ぎる。」「三四郎のネタは面白かったけど賛否両論あって然るべきネタなのに会場は『賛』しか無かったのが異常で怖かった。」などと矢継ぎ早にまくしたてた。
このツイートが朝の9時に行われていたことから「深夜テンションというわけでもないのか」「翌朝、冷静になってこれか」と界隈を震え上がらせた。
■マシンガンズがブレークするなんて
芸歴25年のマシンガンズがマネジャーに勝手に応募されたという理由でエントリー。あれよあれよと勝ち上がり、決勝に進出。「ネタがない!」「優勝さしてくれ!」と漫才コンテストにおいては矛盾ともいえる発言を繰り返したが、ネタを揃えてきたギャロップに敗退して準優勝に終わった。
だが、この日を境にマシンガンズの芸人人生は一変。多くの仕事が舞い込んだことはもちろん、滝沢秀一の顔面が美しいという評判が立ち、ライブに出待ちファンが押し寄せるという『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)を彷彿させる事態が発生した。
苦労人の逆転人生といえば聞こえはよいが、ウエストランド・井口浩之いわく「マシンガンズなんてがんばってないよ! ネタも作んないでさ。マシンガンズとまさのりさん(錦鯉・長谷川雅紀)なんて、ダラダラしてただけなんだから!」とのこと。
売れるための唯一の方法は「芸人を辞めないこと」とはよく言われるが、その言葉を体現したコンビだった。
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今年もさまざまなドラマを生んでくれそうな『THE SECOND』。漫才師たちのセカンドチャンスを見守りたい。
(文=新越谷ノリヲ)
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