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『M-1グランプリ2024』最速予想! 令和ロマンの連覇、オズワルドの復権はあるか

M-1グランプリ公式サイト

 24日、令和ロマンの優勝で幕を閉じた『M-1グランプリ2023』(テレビ朝日系)。第1回の中川家以来のトップバッターからの優勝、29歳と30歳の若者の戴冠は確かに『M-1』新時代の到来を感じさせた。

 令和ロマンは早くも来年の出場を予告。いろいろハードルもあるだろうが、『M-1』史上初の連覇への期待がかかる。

 一方、今年もファーストステージでは圧倒的な漫才を披露しながら3位に沈んださや香、ファイナル初出場で2位に飛び込んだヤーレンズにも可能性は十分にあるだろう。

 ここでは、1年後の『M-1グランプリ2024』の行方を占ってみたい。

■最終決戦3組の動向は?

 今年、令和ロマン・高比良くるまは大会前に4本のネタを提出しており、出順によってネタを変える予定だったという。結果、トップを引いた瞬間に目標を優勝から番組を盛り上げることに切り替え、観客に話しかける部分を含むしゃべくりを選んだ。

 トップで盛り上げて、その後、高得点が出やすい空気を作る。6年目、ファイナル初出場でそこまで考えられる芸人がほかにいるのだろうか。思えば決勝進出者発表の瞬間にも、喜びや安堵の表情を隠そうとしないほかのファイナリストに比べ、令和ロマンの2人は静かに頭を下げるだけだった。

 こうした考え方に至るには、少なくとも自分たちはどのネタをやっても確実にウケるという前提が必要だ。くるまは最終決戦の直前にも、ヤーレンズ、さや香と3組でネタや順番について話し合ったと事後の配信番組で明かしていたが、このときにも「自分たちは漫才コントでウケるので」とサラっと語っていた。

 来年、もし出場が叶うなら、やはり大本命となるだろう。勝ち負けは時の運だが、くるまという漫才師だけが『M-1』に違う景色を見ていることは明らかだ。

 一方、令和ロマンと紙一重の争いを見せたヤーレンズは、来年大きく環境を変えることになるだろう。年間300とも400ともいわれるライブ出演でネタを磨き続けてきたコンビだが、今年の『M-1』で完全に業界にバレてしまった。

 楢原真樹のキャラクターと無限にボケ続けるマインドは明らかにバラエティ向きだし、出井隼之介の仕切りは即戦力である上にルックスもいい。2人ともキャリアがあり顔も広く、あっという間にテレビの世界に馴染んでしまうはずだ。叩くネタはいくらでもあるだろうが、一変する生活の中でどんな調整を積んでくるだろうか。

 難しいのは、さや香だ。新山は「見せ算をやるために強いネタを作ってきた」と大会後に語り、今回の最終決戦でのネタ選びは気まぐれではなく、予選時から決めていたこだわりだったことを明かしている。一方で昨年の2本、今年の1本目で見せた石井ボケ・新山ツッコミの掛け合いスタイルでは「免許返納(昨年の1本目)以上のネタは作れない」とも語っており、今後の方向性に注目したいところだ。新山は「見せ算」では予選を通らないことも、よく自覚しているだろう。

 従来のスタイルなら少なくとも準決勝進出は確実だろうが、新山がそれを選ぶかどうか。新たなスタイルの発明にも期待したい。

■常連組のリベンジなるか

 3年連続3回目の出場で6位、5位、5位という結果となった真空ジェシカ。今年のネタは審査コメントで塙宣之と海原やすこが「もっと奇抜」を求め、松本人志が「ちょうどいい」と評したことで、台本には頭を悩ますことになりそうだ。

 テレビ出演も増えているが、2人ともキャラクターを剥がされているわけではないので、むしろ知名度が増してカリスマ性を帯びつつあるのは予選を戦う上での強みになるだろう。

 昨年まで4年連続出場だったオズワルド、今年は敗者復活戦で後輩のナイチンゲールダンスに苦杯を喫したものの、まだまだ優勝への意欲は衰えていない。特に伊藤俊介は完全にテレビスターとして定着しており、来年も多忙な日々が続くはずだが、強いネタさえできればパフォーマンス面での不安はない。いい発想が「降りてくるの待ち」といった状況か。

■ラストイヤー組は?

 来年ラストイヤーを迎えるファイナル経験コンビは、モグライダー、ロングコートダディ、トム・ブラウン。

 モグライダーはおそらく来年も出場してくるだろう。このコンビは、基本的にともしげが当たるか外れるかだけの勝負だが、今年は意外にも芝大輔に審査員のダメ出しがあったことが、どう影響するだろうか。また、最終決戦に勝ち進み、優勝に目がくらんだときに、元来極めて強欲な人間であるともしげがどんな事故を起こすかも興味深い。

 ロングコートダディは今年の敗者復活戦で新境地を見せた。3分をしゃべくりに使い、残り1分のコントで伏線回収を行うというネタはママタルトの勢いの前に屈したが、堂前透ならではの「漫才スタイル大喜利」に対するひとつの回答だったと感じる。「マイク1本あれば漫才ですよね」を地で行く発想重視の挑戦を見ていると、実は『M-1』をもっとも楽しんでいるのはこの2人ではないかと思えてくる。

 トム・ブラウンは準決勝、敗者復活戦とも同じネタだったが、まさに鬼気迫るパフォーマンスを見せた。猟奇的な内容そのままにテンポを爆上げして客席を巻き込んでいくスタイルは体力的な限界も感じさせたが、あと1年でどういう方向に進化させてくるか。

■ファイナル未経験の若手注目株

 今年の敗者復活戦で光ったのはエバース。荒れに荒れたBブロックの空気を正統派漫才で整えて見せ、確かな実力を示した。

 そのほか、今年の『ABCお笑いグランプリ』で大接戦の末に令和ロマンを退けているダブルヒガシ、スター性抜群のケビンスとパンプキンポテトフライを挙げておきたい。

■で、最速予想とやらは?

 優勝予想はヨネダ2000にしておきます。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/12/25 19:00
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