NHK会長、旧ジャニタレントに「独立したら起用できる」発言で波紋…「上から目線すぎる」とファン反発
#NHK
旧ジャニーズ事務所からマネジメント業務を引き継いだ新会社「STARTO ENTERTAINMENT」が発足したが、NHKの稲葉延雄会長は20日の定例会見で、これまで通りに「被害者補償などが着実に実施されるまで新規の出演依頼はしない」との考えを表明した。その一方で「旧ジャニーズから独立すれば番組に起用することができる」との認識を示し、この発言が「タレントに独立を促しているのでは」と物議を醸している。
ジャニーズ性加害問題を受けて、NHKは「被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に実施されていることが確認されるまで、新規の出演依頼は行わない」との方針を示し、大みそかの『紅白歌合戦』は44年ぶりに旧ジャニーズ勢の出場がゼロになった。
補償業務を手がける「SMILE-UP.」(旧ジャニーズ事務所)は被害者への補償金支払い手続きを開始したが、稲葉会長は「少しずつ取り組みが前進している」としつつも、「引き続き補償の状況や会社のガバナンス、再発防止への取り組みを確認している。その間の番組への出演依頼は変わらない」として、現状は新規契約をしないことを明言した。『紅白』に追加出演者として旧ジャニーズ勢が登場する可能性がささやかれたが、それを完全否定したともいえる。
その一方、かつてジャニーズ事務所に所属していた4人組グループ「男闘呼組」のメンバーを中心に結成されたバンド「Rockon Social Club」の『紅白』出場が噂されている。メンバーの岡本健一は旧ジャニーズとエージェント契約を結んでいたが、今月5日に契約を解除したことを発表し、それによって出場が可能になったと報じられた。だが、あくまで一時的な契約解除で、将来的にはSTARTO社とエージェント契約することを本人が明かしている。
稲葉会長はこの件について質問されると、「一般論ですが、旧ジャニーズにいらした方が仮に独立されるようなことがあれば、その方が番組にとって必要かを吟味する議論を経て、新しく契約をすることができる。新会社に所属するとしても、新旧両会社が旧ジャニーズの体質から脱却して新しく生まれ変わると我々が確認できた段階で、お示しするガイドラインに同意いただければ、新規に契約することができる。そうでない場合はできない」と語った。
この一連の発言は、少しうがった見方をすれば「独立すればNHK番組のキャスティング候補にする」「独立しないなら、新会社が旧ジャニーズから生まれ変わったかどうかはこちらが判断するので、起用できないかもしれない」という意味合いに感じられる。
これに対して、SNS上の旧ジャニーズタレントのファンからは「独立したら使ってやるって言ってるようにしか思えない」「性加害問題は黙っていたマスコミの責任も大きいのに、なんでこんなに上から目線なの」「独立すれば使うけど、新会社と契約しても起用しないかもってことでしょ。NHKのトップの言葉とは思えない」といった疑問や憤りの声が飛び交い、波紋が広がっている。
STARTO社は来春から本格始動する予定だが、もしNHKが「新会社と契約しても新規起用しない」という判断をした場合、民放各局やスポンサー企業にも影響を及ぼし、タレントたちはテレビ番組やCMに起用されづらい状況が来年以降も続くことになりかねない。
何より被害者の救済が大切なのは間違いないが、罪のないタレントたちが活動を制限され続けるような事態は、それはそれで別の人権問題ともいえる。今後、NHKが旧ジャニーズ事務所やSTARTO社の取り組みをどのように判断するのか注目だ。
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