『M-1グランプリ2023』いよいよ週末開催 時系列トピックまとめ【前編】
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いよいよ週末に迫った漫才頂上決戦『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)。クリスマスイブの夜、今年もっとも面白い漫才師が決まることになる。昨年のウエストランドに続き、その栄冠を手にするのはいったいどのコンビなのだろうか。
24日の決勝に向けて、今年の『M-1』の歩みを振り返ってみたい。
■6月27日 開催記者会見
『M-1』の幕開けとなる開催記者会見。麒麟・川島明とABCアナウンサー・斎藤真美が司会を務め、昨年王者のウエストランドがゲストに迎えられた。井口浩之は「ネタがネタだけに、会う人みんな気まずい」と語り、河本太は「井口1人の稼働が増えてきた」というエピソードを披露している。
井口による『M-1』振り返りトークの鉄板フレーズ「M-1王者史上初、ネタに定評がないんですよ」は、まだ常用されていない。河本は特に変わっていない。
また、この日登壇した出場者のオズワルド、キュウ、ダイヤモンド、ヨネダ2000、ロングコートダディ、ななまがり、ビスケットブラザーズ、ママタルト、シンクロニシティはいずれもファイナリスト9組に残れず。今の『M-1』がどれだけ激戦かを物語っている。
■8月1日~10月6日 1回戦
2カ月にわたって行われた1回戦。今年のエントリー数は史上最多の8,540組。昨年より1,279組増えており、数年のうちに1万組を超える可能性も見えてきた。
島田紳助とともに『M-1』を立ち上げた当時の吉本興業社員・谷良一は雑誌のインタビューで、『M-1』を開催するにあたり「漫才がカラオケみたいになればいい、自分でやってみたら、やっぱりいかにプロが上手いか、面白いかっていうのがわかるじゃないですか」と思いを語っていたが、23年たって、いよいよその言葉が現実味を帯びてきた。
また、エントリー数の増加により、今年から前年の準々決勝進出者に1回戦シードが与えられている。
例年通り、1回戦各日程のTOP3ネタがYouTubeで配信されたが、初日の1位はとんかつ街道。昨年、すったもんだの末に解散した赤もみじの村田大樹が組んだ新コンビで、結成わずか4カ月とは思えない完成度を見せてファンを安心させている。とんかつ街道は結局3回戦で敗退したが、来年すぐに準決勝に上がってきても不思議ではない。
また、8月14日に出場した小学生女児コンビ・ラブリースマイリーベイビーも大きな話題を呼んだ。雑談しながらセンターマイクまで歩いてくるという09年の東京ダイナマイトを彷彿とさせるアナーキーな入場から、「日本が銃社会だったらどうする?」とか言い出して観客の心をつかみ、YouTubeでも大いにバズった。
地下芸人の2大巨頭である虹の黄昏とモダンタイムスのユニット・老害マックスも1回戦敗退。野沢ダイブ禁止が「史上初の失格。野沢ダイブ禁止は出禁になりました」「理由は『舞台上でストロングゼロをぶちまけた』からです」とX上にポストし、存在感を示している。
■9月28日 金属バットが「どん兵衛」プロモーションに出演
昨年ラストイヤーを終え、ファイナル進出の夢が断たれたばかりの金属バット・友保隼平が、毎年『M-1』の楽屋に差し入れられていた日清食品の「どん兵衛」を大量に持ち帰っていた功績(?)が認められ、正式に「どん兵衛」のプロモーション動画に出演。北海道の大地できつねダンスを披露した。
これもまたひとつの「M-1ドリーム」といえる現象だった。
■10月16日~10月27日 2回戦
昨年の準々決勝に進出して1回戦への出場を免除されていたシード組が参戦。順当な勝ち上がりを見せた。
1回戦で話題をさらったラブリースマイリーベイビーが2回戦で敗退する一方、8歳と4歳の兄妹コンビ・カットミドルベイビーズが3回戦に進出を決めた。くまモンとお姉さんのくまモン隊もここで姿を消している。
■10月29日~11月8日 3回戦
3回戦に進出したのは、8,540組中376組。この時点で4.4%の狭き門である。
関西では、21年ファイナリストで今年はエントリナンバー「1」を取って臨んでいたももがここで敗退。たくろう、シモリュウ、ダブルアート、翠星チークダンスなどの有力コンビも姿を消した。
関東でも、馬鹿よ貴方は、コロコロチキチキペッパーズ、鬼越トマホーク、Aマッソ、マテンロウ、ぱーてぃーちゃん、蛙亭、怪奇!YesどんぐりRPG、大自然などが落選。やはり3回戦は鬼門である。
また、3回戦は全組のネタがYouTubeに配信されるが、GAGのSJと福井俊太郎が組んだユニット・べじぽたのネタだけが一時配信されないというトラブルもあった。
■11月12日 予選審査員から重鎮3人が一掃されたとのウワサ
『M-1』公式YouTubeで配信された「M-1ラジオ」に出演したスーパーマラドーナ・武智が「今回審査員さんも変わったんですよね。3回戦からのあの重鎮3人、一掃されたんで」と発言し、話題に。
後に放送作家の前田政二が「予選の審査には先輩の倉本美津留さんも、自分・前田政二も長谷川朝二くんも一切、携わっておりません。」とX上にポスト。武智の発言を裏付けている。
■11月17日 ワイルドカードのシステム変更発表
昨年までGYAO!で最多再生数を争った準々決勝敗退組のワイルドカード枠だが、今年からTVerにプラットフォームを移し、投票制で行われることが発表された。投票にはSMSによる認証が必要になったが、X上でこの投票権の交換や譲渡を求めるポストが散見されるなど、新たな問題も発生した。
■11月20日~22日 準々決勝
準々決勝進出は123組。大阪会場は今年もなんばグランド花月(NGK)が利用され、多くの関西若手芸人が「初NGK」の舞台を踏んだ。
ここで昨年4位の男性ブランコ、6位のヨネダ2000、9位のキュウ、10位のダイヤモンドが敗退。そのほかインディアンス、ゆにばーす、アキナ、ミキといったファイナル常連組や6年連続準決勝進出中だったからし蓮根も姿を消し、改めて『M-1』における新陳代謝の激しさが浮き彫りになった。
準決勝進出30組の中に、ファイナル経験者は7組。一方初の準決勝進出は13組。それに、ワイルドカードを加えた31組でファイナル進出を争うことになる。
(文=新越谷ノリヲ/後編へ続く)
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