和牛、解散前夜──盟友・スーパーマラドーナが明かした、その風景
#和牛 #スーパーマラドーナ
18日に漫才コンビ・スーパーマラドーナの公式YouTube「スーパーマラドーナ劇場」で公開された「【ラジオ】『スーパーマラドーナのスーマラジオ』#34(2023.12.18)」という動画で、先日解散が明らかになった和牛の発表直前の様子が語られた。
スーマラと和牛のコンビとしての付き合いは古く「2008年にメンバー入りしたときくらいに、和牛も一緒やった」とbaseよしもとで15年前に出会っていたことを武智が明かしている。スーマラが、和牛の3年先輩となる間柄だ。
その後、数々の賞レースで競い合った2組。『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)では、和牛が2015年から19年の5年連続、スーマラが同じく15年からラストイヤーとなる18年まで4年連続でファイナルに進出しており、16年には優勝した銀シャリに続いて和牛が2位、スーマラが3位という結果を残している。
特に武智が水田信二と、田中一彦が川西賢志郎と交流が深かったという。だが、田中は最近の川西の様子に変化が見られていたと語る。
「最近はあんまりしゃべってないですねえ。(楽屋でも)1人でいることが多かったので、川西くんが」
これに同調して武智が明かしたエピソードが強烈だった。
「出番前とかも、1人でずっと練習してたやん。あんな黙々と練習してたら声かけづらいな」
和牛といえば、出番直前まで2人で綿密なネタ合わせをしていたことで有名だった。どんな舞台でも出囃子が鳴る直前まで話し合う2人の姿に、芸人仲間たちが「ネタができてないのか?」と心配するものの、いざ出番が始まれば完璧な漫才を披露する。アキナ・山名文和はその姿を指して「あんな漫才師は見たことがない」と、先日のラジオで回顧していた。
その和牛の川西が、舞台裏で1人でネタの練習をしていたというのだ。あの陽気で軽快なツッコミを薄暗い場所で1人繰り返す川西。武智も田中も、その姿を見たというのだ。川西の言う、舞台を突き詰める、漫才を突き詰めるって、そういうことだったのか? 誰もいない右側に右手を差し出して「もう、ええわぁ~」とか言っていたというのか?
和牛の最後の舞台となる前日のNGK。その舞台袖には、吉本興業の岡本昭彦社長の姿があったのだという。
「(解散を)知ってて、目に焼き付けようとしたんやろね」(武智)
そして武智には、発表直前に水田から電話があったという。率直な理由を尋ねた武智に、水田が答えた言葉。
「コンビ関係がもう、壊れてまして……」
和牛の舞台スケジュールはすべてキャンセルされ、もう2人の漫才を見る機会はなくなった。3月まで継続の決まっている『和牛のモーモーラジオ』(文化放送)の最新回では、和牛の2人を引き合わせたキューピッドであるバイク川崎バイクがゲストに呼ばれ、水田と川西の直接の会話はできる限り避けられていたように聞こえた。そんな状況でも、川西の言葉の端々に険を感じる、そういう放送だった。
和牛という漫才コンビが解散に至る風景が、おぼろげに目に浮かんでくる。それを、かき消さなければならない。2人にしかわからない。邪推するものではない。そう強く、思うしかない。
(文=新越谷ノリヲ)
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