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『翔んで埼玉』が大ヒット、『踊る大捜査線』に続編報道…フジテレビ、活気づく映画事業で巻き返しへ?

映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』公式サイト

 GACKTと二階堂ふみがW主演した映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開/武内英樹監督)が、公開3週目以降も満席回が相次ぐなど大ヒットを記録している。製作に携わっているフジテレビが早くも続編を計画していると報じられ、フジ局内は「踊る大捜査線の夢よもう一度!」と沸いているようだ。

 今作は、興行収入37億円超を記録した2019年公開のシリーズ1作目『翔んで埼玉』の続編。1作目は強烈な「埼玉ディス」が話題になったが、今回は関西に舞台を移してディスりがパワーアップし、国内映画ランキングで2週連続の1位を獲得。公開3週目に累計観客動員が100万人を突破し、興行収入は前作のペースを上回る14.7億円に達している。業界内では「この勢いでいけば興行収入50億円以上は固く、60億円超えも狙える」ともっぱらだ。

 『翔んで埼玉』シリーズは、フジテレビが製作委員会の中心になっており、プロデューサーは現役のフジ局員で監督の武内氏も同局出身。テレビ離れの影響もあって凋落が指摘されていたフジテレビにとって、今シリーズは久々の「ドル箱」となりそうだ。

 フジは「この機を逃してなるものか」と早々に動き始めたようだ。12月8日発売の「週刊現代」(講談社)によると、すでにフジテレビは九州を舞台にしたシリーズ第3弾の企画をスタートさせたという。しかも、来年5月にクランクインし、同年12月に公開するという異例のスピードでスケジュールを組んでいるそうで、GACKTと二階堂には出演の内諾をもらっているとし、連続ドラマ化も打診しているという。

 「九州を舞台にした第3弾」という噂はすでに業界内で拡散されているのか、長崎出身で郷土愛が強いことで知られる福山雅治は、11月下旬にラジオ番組で「『翔んで埼玉』のスタッフの皆さん、次の続編、もし作られる場合は、九州編をお願いします! 僕をぜひ出演させてください!」とまさかの逆オファー。「長崎解放戦線」に加わりたいという意向のようで、自身の出世作となったドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)のころから付き合いのある武内監督に「よろしくお願いします!」と呼びかけていた。

 福山のコメディ系作品への出演は貴重で、実現すれば目玉キャストとなる。そうなれば3作目も大ヒットとなる可能性が高まり、フジテレビにとっては心強いだろう。

 近年のフジテレビは本業の放送事業が不振続きだが、その一方で映画事業は好調だ。今年は、菅田将暉主演の月9ドラマを映画化した『ミステリと言う勿れ』が9月15日の公開から42日間で観客動員数300万人、興行収入41億円を突破する大ヒットに。製作委員会の中心となった『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』も、前後編2部作で観客動員数375万人、興行収入50億円を超える人気作となった。また、昨年12月に往年の人気ドラマの完結編として公開された『Dr.コトー診療所』も興行収入24億円超で予想を上回るヒットとなっている。

 フジテレビでは、かつて織田裕二が主演した『踊る大捜査線』がドラマのヒットを受けて映画シリーズ化され、同局に莫大な利益をもたらした。『翔んで埼玉』がそれに匹敵するシリーズになれるかどうかは不明だが、それ以外にも映画事業でヒットを連発している状況を見ると、凋落が止まらないフジテレビにとって「映画は唯一の希望」ともいえる。

 ちなみに、完結したとみられていた『踊る大捜査線』シリーズも続編映画の製作が決定したと一部で報じられ、早ければ来年2月にクランクインし、2025年に公開される予定だと伝えられており、再始動する可能性が高まっているようだ。放送事業の不振は今後も続きそうだが、活気づく映画事業を軸にフジテレビは巻き返しを図ることができるだろうか。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/12/14 18:00
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