ジャニーズ・カレンダー発売停止で大手出版社の「タブー」解禁かと思いきや……
#ジャニーズ #本多圭
創業者・故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、ようやく被害者への補償が始まった旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.)。
それでもいまだ騒動の余波は収まらず、事務所は11月15日、2024年度のカレンダーを発売しないことを発表。これにより、今までカレンダー利権の恩恵に浴してきた大手出版社の動向が注目されている。
「旧ジャニーズグループのカレンダー制作は、撮影が短期間で済むので大きな予算がかからない。しかも、注文された分だけ制作するので、出版しても売れるか売れないかわからない書籍と違って、在庫を抱える必要がないんです。要するに、確実に利益が出る、出版社にとっては、ドル箱商品でした」(出版プロデューサー)
講談社、集英社、小学館、新潮社、マガジンハウスなど大手出版社を中心に1社1グループという形で毎年販売されるカレンダーは、2023年度はグループ別計9種類が発売され、上半期時点で5人体制最後となるKing&Princeのカレンダーは約35万部、Snow Manのカレンダーは約33万部の売り上げを記録した(「オリコン上半期ランキング2023」グッズ・マルチメディア部門TOP10)。
「各社とも、確実に利益を上げられるカレンダー利権の恩恵に浴しているため、この見返りとして、ジャニーズに不利益な記事やタレントのスキンダルは報じないという暗黙の了解ができあがっていました。当然、現場の編集者や記者たちから不満の声が挙がっていましたが、どうすることもできず。特に今年は、ジャニー氏の性加害問題が芸能界を激震させただけでなく、国際問題にまで発展したにもかかわらず、指を咥えて見ているしかなかった。現場の不満は頂点に達していましたよ」(芸能ライター)
ところが、今回の性加害問題を受けて、2024年の公式カレンダーの発売が見送られたことが正式に発表された。
「来年のカレンダーがなくなったことで、週刊詩を抱える出版社の動きが注目されているんです」(同)
ある記者は、「カレンダー利権を餌にした旧ジャニーズからの縛りがなくなったことで、これまで事務所に忖度していた出版社が、タレントのスキャンダル報道を解禁するのではないかと見られています」と語る。
一方、ある大手出版社編集者は「来年のカレンダーの発売はなくなりましたが、上層部からは何の通達もありません。おそらく会社は再来年のカレンダーを狙っているんだと思いますよ」と悲観する。
実際、別の編集者も「ジャニー氏の性加害問題は出尽くしている。今さら何を取材するんですか? これまで通り、旧ジャニーズタレントのスキャンダルはスルーですよ」と投げやりだ。
その内容に賛否はあるものの検証番組を放送したテレビ局に対して、いまだ責任を回避したままの大手活字メディア。このまま旧ジャニーズ事務所を筆頭に大手プロへの忖度を続けるのか。今後の報道に注目したい。
(文=本多 圭)
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