明石家さんま『ヤングタウン』のセクハラコーナー終了と大物芸人の時代のズレ
#明石家さんま
世の中の流れとともに、お笑い界・バラエティー界も大きく変化するこの時代。“容姿いじり”や“セクハラまがいの下ネタ”などが過去のものとされているなか、これまでのスタイルを崩していないのが、明石家さんまだ。
女性芸人に対するルッキズム的扱いや、後輩に対するパワハラ的言動がしばしばやり玉に挙げられ、“老害化した”と指摘されることも少なくない。そんなさんまだが、いよいよ時代の波に飲み込まれようとしている。
明石家さんまがメインパーソナリティーを務めるMBSのラジオ番組『ヤングタウン土曜日』で長年にわたって放送されていた「ヤン娘。はいやせません!」というコーナーが12月2日放送回で終了すると発表された。
この「いやせません!」のコーナーは、番組にレギュラー・ゲストとして出演しているハロー!プロジェクトの現役・OGメンバーなどに、セクシーなセリフを読ませるという内容。セクシーに読めないと、さんま自らが見本を示して厳しく指導する場面もあった。
「このコーナーは形を変えつつ、20年以上も続いているもので、かなり前から“セクハラ”だという批判も多かった。そんななかで故ジャニー喜多川氏の性加害問題が大騒動になったこともあり、制作サイドとしても“いやせません!”について、しっかり見直すようになったのでしょう。大物芸人が若い女性タレントに番組内でセクハラをしているとなれば、大問題。基本的には合意の上で行われていたコーナーですが、過去にはゲスト出演したハロプロメンバーがセクシーな口調でセリフを読むことを拒否したこともあり、必ずしも“合意の上”とは言い難い部分もあったんです。関西ローカルのラジオ番組ということであまり目立ってはいなかったものの、さすがに大炎上リスクを負ってまで続けるコーナーではないという判断なのだと思います」(芸能事務所関係者)
コーナー終了の理由について、さんまは“このご時世ということらしい”と、番組内でコメントしている。
「さんまさんいわく“ハロプロメンバーのファンが喜ぶ”ということで続いていたんですが、一方でこのコーナーを不快に感じているファンも多く、SNS上ではコーナー終了を喜ぶ声が多数投稿されています」(アイドル誌ライター)
セクハラコーナーの終了に賛成するファンが多数派となっているようだが、今回の決定に残念がるファンもいる。
「女性アイドルの場合、さんまさんと同様になかなかアップデートできていない中高年以上のファンも多い。そういった一部のファンは“いやせません!”終了にがっかりしているようですね。ただ、このコーナーを嫌がっていたタレントがいるという事実を考えると、一部のファンもまた、さんまさんのセクハラに加担していたと言っても過言ではない。さんまさんだけでなく、ファンの意識改革も必要でしょう」(同)
“ファンによるセクハラ”は男性アイドルについても、重要な課題となっている。
「旧ジャニーズでは、ジャニーズJr.たちがパンツ一枚になって舞台上で踊る“桶ダンス”というものがありましたが、それこそが故ジャニー氏によるセクハラだと指摘されていました。ただこの桶ダンスに嫌悪感を抱くファンも多かった一方で、喜んでいたファンもいた。その喜んでいたファンは、まさにジャニー氏のセクハラに加担していたことになる。セクハラの温床をファンが作り出しているという事実についても、きちんと問題視していくべきですね」(同)
そして、さんまにとっては、今回の「いやせません!」終了が、大きなターニングポイントになりうるとの声もある。
「さんまさんは、以前から『ヤングタウン』の中で、昨今のメディアやバラエティーにおけるコンプラ重視の流れに対する息苦しさのようなものを吐露しています。時代が変わっていることはわかっていても、なかなかそこにアジャストできない自分を感じていたのでしょう。
そんな中で“いやせません!”のコーナーは、ある意味“古いタイプの芸人ラジオ”の象徴のようなものでした。そのコーナーが終わるとなれば、いよいよさんまさんも自分の芸人としてもスタンスをしっかり見つめ直さなければならない時だということ。ここで時代の波に乗れないとなれば、それこそ引退という選択肢も現実味を帯びてくるでしょうし、それ以前に出演オファーがなくなってしまうという展開もあるでしょう」(前出・芸能事務所関係者)
時代とのズレが目立ち始めている明石家さんま。大物芸人の今後はどうなるのか──。
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