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“日テレの良心”『世界一受けたい授業』に来年3月打ち切り報道…視聴率は堅調で「なぜ?」と話題

日本テレビ『世界一受けたい授業』番組サイト

 19年以上の歴史を持つ日本テレビ系の教養バラエティ『世界一受けたい授業』が来年3月に打ち切られることになったと報じられた。だが、視聴率的には打ち切り水準まで下がっておらず、内容的にスポンサー受けもいいことから、番組終了をめぐってさまざまな憶測が飛び交っている。

 2004年10月にスタートした同番組は、各界の識者らが特別講師として「使える学問」を伝授するという内容。堺正章が校長役、くりぃむしちゅーの上田晋也が教頭役、有田哲平が学級委員長役でレギュラー出演し、日テレは同番組を「良質な教養バラエティ」と位置づけていた。

 そのスタンスが視聴者に受け入れられ、2010年4月と2014年7月に番組史上最高となる平均世帯視聴率19.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。子を持つ親たちからの評判もよく、日本PTA全国協議会が発表した「親が子どもに見せたい番組」で2006年から6年連続の1位に輝いた。講師として各界の大物が登場することも多く、過去には元ソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフ氏やアメリカ元副大統領のアルバート・ゴア氏、元メジャーリーガーの松井秀喜氏らが出演。今年5月には、岸田文雄首相が「総理のお仕事」などについて講義した。

 「日テレの良心」とも称される名物番組の一つになっていたのだが、3日付のスポーツニッポンと日刊スポーツが同時に来年3月での終了が決まったと報道。スポーツニッポンによると、世間のテレビ離れの影響もあって平均視聴率は現在7~8%ほどに落ちているが、記事では「決して悪くない数字。視聴率だけを理由に打ち切るレベルにはない」との局関係者の証言が掲載されている。

 そうなるとなぜ打ち切りになるのか不思議だが、同時間帯に放送されているテレビ朝日系『池上彰のニュースそうだったのか!!』や、日本テレビ系『カズレーザーと学ぶ。』、フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』など同じ教養ジャンルの番組が増加したこともあり、局の総合的な判断で終了するという。レギュラー放送の終了後は、定期特番での放送を予定しているとのことだ。

 ただ、現在のテレビ業界では7~8%の視聴率をコンスタントに記録しているバラエティ番組は貴重で、教養バラエティというジャンルはスポンサーもつきやすいとされる。それでも終了となる原因としては、くりぃむしちゅーが所属する芸能事務所「ナチュラルエイト」の意向が影響しているとの見方が業界内であるようだ。

 ナチュラルエイトはくりぃむしちゅーをはじめ、人気バラエティ『月曜から夜ふかし』などに出演しているマツコ・デラックス、報道番組『news zero』のメインキャスターを務める有働由美子らが所属しており、日テレと非常に深い関係にある。視聴率がさほど悪くないのに、同事務所の意向を無視して日テレが番組の打ち切りを決めるとは考えられないため、2人そろってソロでも多忙なくりぃむしちゅーのスケジュール問題などといった事務所側の思惑が絡んでいるのではとみる向きがあるようだ。

 また、番組の顔である堺は現在77歳と高齢。堺の体力的な問題も含め、レギュラー陣の意向が番組打ち切りの大きな要因になったのではないかという指摘がある。

 日本テレビをめぐっては、系列局「日本海テレビ」の元幹部が毎年恒例の大型チャリティー番組『24時間テレビ』の寄付金などを着服していた問題が明るみになり、日テレ系列全体の信用問題に発展。日テレOBの徳光和夫が「最初から24時間テレビに疑いの目を持って各局調査しなければならない状況」「存続も危ぶまれる」と指摘するなど、他に着服がないか過去の寄付金の流れを徹底調査すべきとの声が高まっているが、日テレは動く気配がまったくない。そんな騒動の渦中に「日テレの良心」と呼ばれた番組の打ち切りが報道されるのは何とも象徴的だが……。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/12/06 18:00
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