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真犯人はやっぱり…『ブラックファミリア』最終局面へ 悪役家族がいきなり「絆」モードの違和感

真犯人はやっぱり…『ブラックファミリア』最終局面へ 悪役家族がいきなり「絆」モードの違和感の画像1
読売テレビ『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』公式サイトより

 11月30日、板谷由夏主演『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』(日本テレビ系)の第9話が放送された。タイトルは『ついに犯人判明!』である。

 第8話でついに早乙女ホールディングスの悪行の数々が新堂家の画策によって世間に晒された。秋生(平山祐介)が芸能事務所と組んでタレントの卵を食い物にしてきたことや、早乙女家がすでに崩壊していることなどなど。亡くなった新堂家の次女・梨里杏(星乃夢奈)の復讐を果たした格好だ。しかし、梨里杏を殺したとされる真犯人はまだ明らかにならず、秋生は梨里杏が「自分から枕営業をしてきた」「自殺した」と主張し、性加害で逮捕された。そんな中、早乙女家の長男・倫太郎(塩野瑛久)は新堂家の長女・沙奈(渡邉理佐)の画策に気づき、彼女を拉致する。

 拘束された沙奈は、倫太郎に脅されて自身の素性を明かす。一葉(板谷)と親子であることなどを明かす。もともと早乙女家を憎んでいた倫太郎は「感謝している」と高笑い。しかし、沙奈に「自分が不甲斐ないだけ」と指摘。倫太郎は怒りに駆られる。

 新堂家の面々は何者かに襲われた優磨(森崎ウィン)の病院へ。優磨は、突き落とされた際、スマホに番号を打ち込んでいた。その番号「01271」を見て、一葉は何かに気づき病院を急いで出た。夫の航輔(山中崇)に倫太郎から電話が。拘束された沙奈を映し「探し出さなければ全世界にこの女の裸を生配信する」と脅した。

 一葉が行ったのは早乙女家の長女・葵(瀧七海)の部屋。部屋には日記があり、ページをめくっていく一葉。そこには、秋生が開いていたいかがわしいパーティに関する梨里杏と葵のやり取りだった。

 そこに、葵が「どうして気づいたの」と突如登場。一葉は、早乙女家崩壊の配信動画の際に葵だけが笑っていたこと、「01271」を反対に読むとハングルで「日記」になるとした。いきなりそれを見て気づくとは、何者だ一葉……。

 梨里杏に流出動画を撮らせるように指示したのは葵だった。倫太郎の泥酔動画はもちろん、早乙女家を潰すために秋生を誘惑したのも葵の指示で、すべて盗撮と録音。決して梨里杏が枕営業をしたわけではなかったようだ。葵は体調を崩した演技をし、梨里杏は無事だった。一葉もまずはホッとする瞬間だ。では、なぜ梨里杏は死んだのか……。

 マスコミを避けて身を隠した麗美(筒井真理子)は、一緒にいた葵がホテルから消えたため、自宅に戻る。そこには葵はおらず、一葉もいなかった。

 一葉と葵は、梨里杏が死んだ学校の屋上にいた。あの日、葵は、梨里杏が得た盗撮動画を見ながら嬉々とした。梨里杏に「高校を出たら一緒に暮らそう」などとはしゃぐが、梨里杏はこの盗撮行為に疑問を抱いており「女優を諦めたわけではない」と話す。葵は動揺した。

 葵は早乙女家の家族を憎み、崩壊させたかった。一方、梨里杏は家族と良好な関係を築いている。葵としては梨里杏への執着が強かった。それを拒否する梨里杏だが、葵に突き飛ばされて階段から落ち、気絶してしまう。

 夜の学校。目を覚ました梨里杏の前にはまだ葵が。梨里杏は葵を改めて拒否し、屋上に逃げる。屋上で梨里杏は「私は葵のモノじゃない」と全否定。梨里杏に「梨里杏が私のものじゃなくなるなら!」と突き飛ばし、屋上から転落した。そこに秋生が現れ、葵を保護。秋生は動画流出を2人が仕組んだことに気づいていたのだ。執着心の強いサイコ女子だったと。

 葵は「お母さん(一葉)の手で、殺して」と言う。同じ屋上で、葵は首に一葉の手をかけさせる。「私が、梨里杏を殺した」と叫ぶ。動揺から涙する一葉……。一方、結局新堂家はまだ沙奈の居場所を見つけられておらず、倫太郎は生配信を開始しようとしていた。

 そして麗美は、優磨を突き落としたのが麗美であること(動画付きなので事実)、梨里杏殺しの犯人が自分であるという動画を、インフルエンサーに配信させた……。

 真犯人は葵であることがわかったが、それを隠そうとする秋生、同じくその事実に気づき、罪を被ろうとする麗美、特に主題と絡まないがエロ配信をしようとする倫太郎……と、早乙女家がここへきて真相を隠す(?)ために家族として団結(?)するようになった。ロクな理由ではないのだが。

 ここまで家族の絆とは無縁だった早乙女家も、実は家族を想っていた(倫太郎以外)のだ……という解釈もあろうが、これまでの関係が修復不可能過ぎただけに何とも違和感がある。早乙女家の保身のためと思えば納得もできると言えばできる話だ。今回は名探偵コナンばりのスピードで謎を解いた一葉以外は新堂家にほとんど見せ場はなく、早乙女家の大活躍で終わった。

 次回はついに最終回を迎える。真犯人はわかったので、後はどう物語を畳むのか、という点に絞られる。筆者としては過去の同記事で葵と沙奈のどちらかが犯人と何度か予想していたので、的中してうれしい。伏線が少ないので、単なるあてずっぽうなのがタマにキズである。

■番組情報
木曜ドラマ『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』
読売テレビ・日本テレビ系毎週木曜午後11時59分~

出演:板谷由夏、山中崇、森崎ウィン、渡邉理佐、星乃夢奈、筒井真理子、塩野瑛久、平山祐介、瀧七海、小野武彦、少路勇介、長妻怜央(7ORDER)、しゅはまはるみ、カトウシンスケ、釈由美子 ほか

脚本:佐藤友治、城定秀夫、富安美尋
監督:城定秀夫、坂本栄隆、本田隆一
音楽:Yuria Miyazono、石毛駿平
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:福田浩之、馬場三輝(ケイファクトリー)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:読売テレビ

公式サイト:https://www.ytv.co.jp/blackfamilia/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/12/07 12:00
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