麒麟・川島明とタカアンドトシ・トシが振り返る2004年『M-1』のセンセーション
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『M-1』戦士が2人そろえば、いつだってドラマが蘇る。
25日放送のラジオ『川島明 そもそもの話』(TOKYO FM)に、タカアンドトシのトシがゲスト出演。ともに決勝で戦った2004年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)に思いを馳せた。
川島明の麒麟は過去2回の決勝を経験していたが、この年は準決勝で敗退。敗者復活戦に回っていた。ちなみにこの年、麒麟は「NHK新人演芸大賞・演芸部門大賞」と「上方お笑い大賞 最優秀新人賞」をW受賞している。
一方、北海道・札幌でデビューしたタカアンドトシは、上京して3年目。『M-1』決勝は初出場だったが、すでに『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)の常連組として知られており、04年には年間ランキング1位を獲得。まさに、脂が乗り切った状態で年末の漫才頂上決戦を迎えていた。
「結成10年目で、ようやくなんとか滑り込んだという。ラストイヤーでした。思い出のね」(トシ)
最初で最後の『M-1』となったタカアンドトシの出順は、2番手。トップバッターは、前年に続いて1番手を引いた千鳥。前年に続いて変なネタで会場を微妙な空気にした直後だった。
タカアンドトシはここで、千鳥とは対照的なオーソドックススタイルのしゃべくり漫才を披露。抜群の安定感を見せて高得点をたたき出す。
安堵を浮かべるトシと衣装の汚さを今田耕司に指摘されるタカを後目に、カメラは敗者復活戦会場へ。ここで、2組の運命が交錯する。
「僕らは、敗者復活から決勝に行きました」(川島)
「そう、敗者復活から来たよね。最後に来たんだっけ」(トシ)
「ネタ出番は最後でした」(川島)
「それまで僕らは3位、決勝の決勝に残れる3位だったんだよ、まくりやがったな、忘れんぞ」(トシ)
決勝の決勝に残る3組目を争ったタカアンドトシと麒麟の点差は19点。存外に開いたが、やはり出順が逆なら、と思ってしまう結果だった。
だが、この年の『M-1』の主役は、この2組ではなかった。
同じ年、初の決勝に進出していたトータルテンボスが、その衝撃を今年9月の『佐久間宣行のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で語っている。
「俺たちがやりたかったやつだって。彗星のごとく現れるっていうやつを目の前でやられたね。これは敵わない」
南海キャンディーズ。山里亮太としずちゃんは、コンビ結成からまだ1年足らずだった。しずちゃんが「火を怖がるサイ」になった瞬間、この国のお笑い史に新たな1ページが刻まれることになった。
麒麟も、タカアンドトシも、トータルテンボスも、この男女コンビのセンセーションの前に霞んだ。
そしてさらに、そのはるか上空をアンタッチャブルという奇跡が駆け抜けていく。
04年の『M-1』は豊作である。
アンタッチャブル、千鳥、麒麟・川島明、南海キャンディーズ・山里亮太と、20年後の現在のテレビ界に確かにつながっている。タカアンドトシはこの『M-1』翌年に「欧米か!」のフレーズを発明し、一時期はレギュラー15本を抱える大MCタレントになった。
『M-1』戦士が2人そろえば、いつだってドラマが蘇る。そして今年も、新たな『M-1』王者が新たなドラマを描くことになる。
(文=新越谷ノリヲ)
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