詐欺、窃盗、性的暴行…全国で警察官の「犯罪」行為が続発で信頼失墜
#警察 #不祥事 #逮捕
現役警察官による信じられないような犯罪行為が全国で続発し、警察への信頼が崩れかねない状況に陥っている。
今月28日、犯罪グループの「受け子」やメッセージ送信役で詐欺に加担したとして、大阪府警西成署刑事課の巡査、大谷優璃菜容疑者が逮捕された。逮捕容疑は、7月~9月にかけてSNSでイエメン在住のカナダ人医師や日本人ファッションモデルなどをかたり、女性に恋愛感情を抱かせた上で金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」に加担し、佐賀県の50代女性や埼玉県の60代女性に現金を振り込ませた疑い。
「海外のコンテストで優勝して賞金5億円を手に入れたが、モデル事務所に見つからないように日本に送るために、あなたの家に送るから運送会社への配送料70万円を立て替えておいてほしい」「カナダの母が入院したが、自分の銀行口座にアクセスできないので航空券代20万円を貸してほしい」などとウソをついてだます手口で、被害総額は計1300万円余りにのぼり、大谷容疑者は「詐欺に加担していたことは事実」と容疑を認めている。
昨今は「闇バイト」で詐欺グループなどに加担してしまう若者が増加して社会問題になっているが、現職の警察官が詐欺組織の手先になっていたとは驚きだ。大阪府警は「警察官がこのような事件で逮捕されたことは誠に遺憾であり、被害者や府民の皆様に深くお詫び申し上げます」などとコメントしている。
これに限らず、警察官の信頼を失墜させかねない事件が頻発している。先日は、4年前に捜査で訪れた住宅から現金約10万円や腕時計を盗んだとして、窃盗の疑いで京都府警察本部捜査2課の警部補、林謙司容疑者が逮捕され、今月24日に起訴された。警察がさらに捜査を進めたところ、3年前にも別の高齢女性の家から現金300万円を盗んだ疑いがあることが分かり、27日に再逮捕された。容疑を認めているという。
林容疑者は特殊詐欺防止のための捜査情報を悪用して高齢者の自宅を把握し、目星をつけていたとみられ、他の住宅での窃盗もほのめかしていることから、被害総額は1000万円以上になる可能性があるという。林容疑者は万引きの疑いで今年8月にも書類送検され、捜査費の不正流用の疑いもあるなど、事実なら現役警察官とは思えない無法ぶりだ。
さらに、今月7日にはマッチングアプリで出会った女性を「実は自分は警察官で売春を担当する部署にいる。これは犯罪になる」などとホテルで脅して乱暴した上で、「始末書」と称した書面を作らせたとして、中国四国管区警察学校の指導部長で警視正の岩本幸一容疑者が不同意性交や強要の疑いで逮捕された。別の女性に書かせた始末書が関係先から複数見つかっており、同様の行為を繰り返していた疑いがある。岩本容疑者は警察の調べに「性交や強要はしていない」と容疑を否認しているという。
警視正は、警視総監、警視監、警視長に次ぐ4番目の地位に当たり、いわゆる「キャリア」「準キャリア」でないと昇進が極めて難しい上位階級だ。岩本容疑者はエリート警察官だったはずで、もしそんな人物が堂々と警察官を名乗って女性たちに乱暴していたとすれば、世の中どうなっているのかと天を仰ぎたくなる。
今年はこの他にも、鹿児島県警の20代巡査長がSNSで知り合った当時13歳未満の少女と性交したとして強制性交の疑いで逮捕されたり、宮城県警交通規制課の警部補だった50代の男がスマートフォンで女性のスカート内を盗撮したとして書類送検されたり、鹿児島県内の警察署に勤務する50代男性警察官がクリーニング店の20代女性従業員へのストーカー行為で書類送検されたり、大麻を友人から譲り受けたとして鹿児島県警の20代警察官が逮捕されたりと、全国で警察官が起こした事件が多発。これを受けて、松村祥史国家公安委員長は今月10日の会見で「大変残念で、遺憾に思う」「服務規律の厳正な保持を念頭におき、こういう事案があった場合には厳正に対処するよう警察を指導していく」とコメントした。
もちろん、大半の警察官は犯罪を取り締まって国民を守るために日々頑張っているはずだが、これほど多くの警察官による犯罪行為が起きると、市民としては「警察は本当に信用できるのだろうか」という気持ちにもなってくる。警察への市民の信頼を崩壊させないためにも、改めて警察全体で規律を正してほしいものだ。
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