トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > おいでやす小田『R-1』出場表明

おいでやす小田が『R-1グランプリ』出場表明「決勝行けるとは思ってないけど」

R-1グランプリ2024について – YouTube

 21日、ピン芸人日本一を決める『R-1グランプリ』(フジテレビ系)のネタ時間が、従来の3分から4分に変更されることが発表された。4分となるのは準々決勝以降。上林翔吾チーフプロデューサーは「この1分で、これまで3分では収まりきらなかった表現もできることになり、限りない可能性を秘めたピン芸を視聴者の皆様にお届けすることができると思っております」とコメントしている。

『R-1』のネタ時間が4分になる。そう報じられたのは先月16日、公式発表ではなく、スポーツ紙によるリークの形だった。10年の芸歴制限撤廃とともに報じられたそのニュースは界隈を大きく騒がせたが、同時に公式発表が遅れたことで運営の信頼感を損ねる結果にもなった。

 芸歴制限については翌日に公式発表されたが、3分→4分へのネタ時間変更はリークから1カ月後となる21日。エントリーが始まる当日となり、出場を検討する芸人たちに困惑を与えている。

 そんな中、過去に5年連続決勝進出を果たしているおいでやす小田が、YouTube上で『R-1』に対する率直な心境を吐露している。

「(芸歴制限撤廃について)みんな、おんなじ反応よな。『よっしゃ』って言った人、1人もおらへん」

 21日に「おいでやす小田 どストレートチャンネル」で、2020年の『R-1』で敗者復活ステージから準優勝に駆け上がった大谷健太を相手に『R-1』についての対談動画を更新。大谷も芸歴20年目となり、今回の芸歴制限撤廃の影響を受ける立場だ。

 10年の芸歴制限がかかっていたのは、21年から23年の3年間となる。

「3年も経ったら、それ(R-1)なしのプラン、動き出しをしてる途中やし」

 この3年の間、おいでやす小田という芸人には大きな動きがあった。

『R-1』の芸歴制限が実施された際には、その“ターゲット”として記者会見に駆り出され、大いに悔しがるという役割を強いられた。

 その年、同じく『R-1』への出場権を失ったピン芸人・こがけんとのユニット「おいでやすこが」で『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の予選を駆け上がり、準優勝。予選では『R-1』に出られなくなったことを引き合いに出し「漫才しかなくなりました」というツカミを入れることで爆笑をさらった。

『M-1』での結果を受けて、小田は大ブレーク。21年の「ブレイクタレントランキング」(ニホンモニター調べ)では優勝したマヂカルラブリーとおいでやすこがは同率1位を獲得し、今やバラエティにドラマにと引っ張りだこ。正真正銘の売れっ子タレントとなった。

「言うたら、出る必要もない。出て何が変わるわけでもない」

 それは、小田の本音だろう。「『R-1』には夢がない」と言ったウエストランド・井口浩之の言葉ではないが、すでに夢を叶えたところにいる小田にとって、『R-1』に新たな夢を見ることはできないに違いない。

「けど『出ぇへん』って、気持ち悪いなと思って」

 話を聞いていた大谷が顔を上げる。大谷はすでに、出場への決意を固めている。

「あるってなったら、やっぱり出るわな」

 出るんすか……! 喜びと絶望とが混じったような表情で、大谷が小田の目を見据えた。小田が出場することは、予選の勝ち上がりの難易度がひとつ上がるということだ。

 小田は「決勝行けるとは思ってない」「間に合うわけない」と繰り返した。それでも、出るのだという。

「ラストイヤーがなかったやんか、俺らって。それも味わっていいんかなって。最後1回だけ出て終ろうかなと思うけどね」

 2回戦で負けようが、3回戦で負けようが、小田にとってこれが最後の『R-1』になる。

「出ないって選択にはならなかったですね、最後。(『R-1』に)山ほど言いたいことはありますけど」

 小田は「出る理由がない」とも繰り返した。

「それが出ぇへん理由にもならない」

 出る理由がないことが、出ない理由にもならない。芸人特有の言い回しだが、そのまま「生きる理由がないことが、死ぬ理由にもならない」と言い換えれば、私たちにも通じる言葉だと感じた。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/11/22 18:16
ページ上部へ戻る

配給映画