『紅白』目玉なしで民放チャンスも…新鮮味なしの編成&擦り過ぎWBC特番で視聴者は観るものなし?
#NHK紅白歌合戦 #テレビ業界 #大晦日
年末年始のテレビ各局の編成が徐々に解禁されている。ネット時代になっても大みそかは「どのテレビ番組を観るか」と楽しみにしている人が多いだろうが、今年は「どの局もつまらない」「観たい番組がない」という状況になる可能性があるようだ。
大みそかの風物詩ともいえるNHKの『紅白歌合戦』は絶対的王者の立場にあるが、今年は性加害問題の影響で旧ジャニーズ勢の出場がゼロに。代わりにStray Kids、SEVENTEENなどのK-POP系グループが増加し、ネット上で「中高年やお年寄りはまったく分からないのでは」と指摘されている。そのほかの出場者は福山雅治やMISIA、ゆず、椎名林檎などおなじみのメンバーが目立ち、初出場組もano(あの)や新しい学校のリーダーズ、Adoなど「想定内」のメンツでサプライズはなかった。今後、特別枠で隠し玉を出してくる可能性はあるが、噂されていた米津玄師や藤井風らの出場は厳しいとみられている。
「紅白が目玉なし」であれば民放各局はチャンスとなるはずだが、どこも微妙な編成になっているようだ。
ここ数年、TBSは「フジテレビの『逃走中』のパクリでは」と揶揄されていた『THE鬼タイジ』を放送していたが、昨年の放送で平均世帯視聴率が第1部5.4%、第2部2.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という悲惨な結果だったこともあって今年は変更。中居正広の司会で、約6時間にわたる『WBC2023 大晦日・生放送スペシャル』(仮)を放送すると発表した。
大谷翔平ら侍ジャパンの優勝は日本中を感動させたが、WBC関連の特番は散々やり尽くした感があり、初出し映像などもあるというものの、正直なところ「お腹いっぱい」という人が大半。それでも野球ファンなどには需要があるだろうが、さすがに6時間も延々とWBCの話題を続けるというのは厳しいように感じられ、ネット上でも「2時間くらいで十分じゃない?」「バスケ、ラグビー、サッカーとかも含めてスポーツ名場面なら分かるけど、WBCだけで6時間はキツイ」といった声が目立つ。
日本テレビは再開が期待されていた『笑ってはいけない』シリーズの復活は見送りとなり、ナインティナインと東野幸治を司会に据えたお笑い特番『笑って年越し!THE 笑(ワラ)晦日』を放送すると発表。テレビ史に残る伝説番組の名シーンやハプニング映像などを振り返るほか、芸人たちがネタを披露するコーナーは「エンタの神様 大晦日スペシャル」と「ぐるナイ おもしろ荘」の二本立てとなる。さらに、目玉として伝説の番組『伊東家の食卓』が一夜限りで復活するというが、芸人の世代対決がテーマだった昨年の『笑って年越し!』は視聴率で苦戦しており、それを挽回するほどの勢いは感じられない内容だ。
テレビ朝日は、5年連続で長嶋一茂、石原良純、高嶋ちさ子のトリオを中心にした『ザワつく!金曜日』の特番『ザワつく!大晦日』を放送予定。昨年は第1部の平均世帯視聴率が12.1%、第2部が9.3%で、ゴールデン・プライム帯の民放1位を獲得し、開局以来初の快挙となった。ただ、この高視聴率については「他局がつまらなくて消去法でチャンネルを合わせた人が多かっただけでは」とも指摘されている。ゲスト1弾として武井咲と後藤久美子の出演が発表されているが、どれほど「引き」があるのかは何ともいえないところだ。
フジテレビは昨年に続いて『逃走中』の特番を放送すると一部で伝えられているが、昨年の平均世帯視聴率は第1部5.5% 、第2部3.7%、第3部2.9%と視聴者からの支持があまり得られず、ほぼ同内容で急に改善するとは考えにくい。テレビ東京は安定の『年忘れにっぽんの歌』だと推察されており、若年視聴者の獲得に力を入れている『紅白』についていけない高齢者はこちらが有力な選択肢となりそうだ。
『紅白』ではファン以外にあまりなじみのないK-POP系が台頭し、民放各局は代わり映えのしない編成で新鮮味がなく、TBSのWBC特番は野球ファン以外には需要が薄い。大みそかはゆっくりしながらテレビを楽しみたいという人が多いだろうが、下手すると「観たい番組がない」という状況になってしまうかもしれない。
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