高額な放映権料回収のため――TBSが大晦日『WBC6時間特番』を放映する裏事情
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TBSが11月19日、今年12月31日に地上波で6時間近くの大型特番『WBC2023 大晦日・生放送スペシャル』を放送すると発表した。
番組の内容は2月に約2週間行われた侍ジャパンによる宮崎での直前合宿にスポットを当てて始まり、若手選手の指導役を買って出たダルビッシュ有と若手選手の交流秘話などを掘り起こし、世界一までの軌跡をたどるというものになるという。
「今年6月に劇場公開され、公開から11日間で累計35万人を動員した『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』で使用された公式映像も交えながら、語られていないエピソードを参加選手に聞き出す形式が番組のメインになると聞いている。例年オフの取材に協力的ではないロッテの佐々木朗希も、球団側が他の出演選手の並びを考えて受諾するなど深掘りした内容になりそうです」(同局関係者)
WBC特番が放送される枠は過去にボクシング、格闘技中継や清原和博氏のホームランチャレンジを放送するなど“スポーツ枠”で知られる。
「ですがどの中継も近年、視聴率が芳しくなく、局の上層部からスポーツ局への風当たりは年々厳しくなるばかり。高視聴率を記録できたWBCとはいえ、同枠に対する局上層部の対応はあまり変わっていません」(同)
それでもなぜ特番放送にこぎつけることができたのだろうか。
「WBCの中継映像は本大会を放映したTBSとテレビ朝日がライツホルダーのため、映像は2局しかふんだんに使えないのです。ただそれも期限があって来年3月には消滅してしまう。高額の放映権料を払っているため、まだまだそれがペイできていない。そこで高視聴率が期待できて、なおかつCM出稿も期待できる大晦日に放送すれば少しでも元が取れるという判断に至ったのです」(系列局関係者)
2026年には次のWBC大会が開催される予定だが、業界内ではTBSが「撤退するだろう」との見方が強い。
「11月19日に幕を閉じた『アジアプロ野球チャンピオンシップ』も侍ジャパンが決勝に進んだ時だけBS、地上波で中継することになっていました。WBC本大会前からTBS関係者が『うちはとにかくスポーツに予算を割いてもらえなくなった。とてもじゃないが次の大会は無理だろう。これが最後だね』とため息をついていた。もちろん大晦日特番が予想以上の高視聴率になれば、来年秋開催の国際大会『プレミア12』の中継にも希望が出てきますが……」(在京テレビ局関係者)
あれだけ国民を熱狂させたスポーツイベントだけに何とか明るい兆しを見たいところだ。
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