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本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』

ジャニーズ新会社社長候補の前に立ちはだかる「芸能界の重鎮たち」

旧ジャニーズ事務所本社

 今なお被害者への補償や所属タレントの退社など、問題山積の旧ジャニーズ事務所(現 SMILE-UP.)。

 そんななか、同社が新たに立ち上げる予定のエージェント会社社長に就任見込みのコンサルティング会社「スピーディ」社長の福田淳氏への関心度が高まっている。

 「福田氏といえば、独立問題で芸能界から干された女優・のんを再起させた人物として知られています。その手腕に期待する声もあがっていますが、他方で、現在でものんを日本のテレビで一般人が目にする機会は少なく、完全に復活したとは言えません。というのも、福田氏はいまだにメディアに隠然たる力を持つ、複数の大手プロの重鎮から反感を買っていると言われています。エージェント会社の社長に就任しても、先行きは不透明でしょう」(大手プロ役員)

 13年前期に放送されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で大ブレークした女優・能年玲奈(当時)は、15年、当時所属していた「レプロエンタテインメント」との間で契約トラブルとなり、翌年6月に独立。円満退社ではなかったため、“能年玲奈”の芸名使用が禁止され、“のん”への改名を余儀なくされた。

 「改名を強いられただけでなく、のんは独立後、テレビ界から干されるようになりました。テレビ局が、芸能界の重鎮らと親交のある前事務所社長に忖度して起用しなかった、と囁かれています」(芸能ライター)

 そんなのんと16年にエージェント契約を結んだのが福田氏の会社だった。

 福田氏は、芸能界を干されたのんを再起させ、現在は「2年先まで休みなし」の状況を作り上げたという。

 「藤島ジュリー景子前社長の後任として、旧ジャニーズは当初、ソニー関連会社の執行役員に打診したそうですが固辞されため、東山紀之になった、という話もありました。今回の福田氏も、ソニーグループの関連会社で社長を務めた経験があります」(音楽プロデューサー)

 ソニーグループといえば、ソニーミュージックは旧ジャニーズ事務所と関係が深いことで知られている。

 「旧ジャニーズ事務所は、18年に旧ソニーミュージックビルを買収し、本社を移転しています。ソニーから旧ジャニーズ事務所に出向する社員もいました」(前出の芸能ライター)

 旧ジャニーズと関係が深いソニー出身者が社長に就任する見込みとなったわけだが、福田氏が“芸能界の変革”を訴えていることで、反発を受ける可能性を指摘する関係者もいる。

 「芸能界の重鎮らは、のんを再起させた福田氏の手腕を評価しながらも、内心、面白くはないでしょう。福田氏はかつてメディアのインタビューで、『テレビ局には編成権がある。しかし、芸能プロダクションと長く癒着するうちに、キャスティング権を奪われている懸念がある』『芸能界に変わってほしい。透明になってほしい。競争原理が働いてほしい』と芸能界の現状を批判し、近代化の必要性を訴えたことがありますからね。テレビ局との癒着や忖度は旧ジャニーズだけではありません。福田氏の改革はそう簡単ではないでしょう」(外資系レコード会社関係者)

 今後、福田氏の前には、悪しき体質から脱却していない大手プロの重鎮たちが立ちはだかることが予想される。

 「いくらメディアが旧ジャニーズとテレビ局の癒着や忖度を追及しても、大手プロとの関係もあわせて検証しない限り、芸能界は変わらないでしょう。最悪の場合、旧ジャニーズの所属タレントは、大手プロの妨害にあって、仕事が激減するかもしれません。そうした懸念を抱いて、新会社とはエージェント契約せず、独立もしくは他事務所へ移籍するタレントも続出するのではないでしょうか」(前出の芸能ライター)

 実際、すでに岡田准一や二宮和也、生田斗真ほか、人気タレントの退社が相次いでいる。 旧ジャニーズ事務所の新会社は、スタートから前途が危ぶまれそうだ。

(文=本多 圭)

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2023/11/20 12:00
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