霜降り明星『オールナイトニッポン』快挙 ついにバナナマンの牙城が崩れる
#霜降り明星 #霜降りANN
15日、ラジオ局ニッポン放送が10月16日から22日にかけて行われた『ビデオリサーチ首都圏ラジオ聴取率調査』において、同時間帯の首位を獲得した番組を発表。その中に、金曜日の深夜1時から3時に放送されている『霜降り明星のオールナイトニッポン』(以下、霜降りANN)が含まれていることがわかった。
『霜降りANN』は2021年4月に、3時台から同時間帯に昇格。以降、聴取者数を伸ばしてきたが、ここにきて空前の快挙ともいえる結果を残すこととなった。
というのも、同時間帯はTBSラジオ「JUNK」で10年4月から『バナナマンのバナナムーンGOLD』が放送されてきた枠。『霜降りANN』も長く苦戦を強いられてきたが、昇格後、初のトップとなったのだ。
この結果は、数字以上に価値のあるものだと言える。
ニッポン放送ではラジオ聴取率調査に合わせて、「スペシャルウィーク(SPW)」というキャンペーンを行い、各番組が豪華なゲストを呼んでリスナーを獲得するのが通例となっている。例えば今回調査結果が発表された期間のSPWでは、水曜の乃木坂46がメインパーソナリティーの久保史緒里に加えて、乃木坂メンバーの向井葉月と黒見明香、木曜のナインティナインが劇団ひとり、土曜のオードリーは春日の妻・クミさんをゲストに迎えたが、霜降りは番組にメールで参加している無名のネタ職人を数名集め、従来の番組リスナー向けの放送に特化している。
あくまで、自分たちだけ、そして「面白さ」だけで勝負する。それが霜降り明星のやり方である。そんな『霜降りANN』のスタンスを象徴する回をひとつ、紹介したい。
■せいやズムチンの直後回
まだ3時台の放送だった20年6月、せいやが女性とZOOMで何かしていた記事が週刊誌に掲載され、世の中の注目が集まっていた。
当時、ラジオ番組を持っている芸人がスキャンダルを起こすとラジオで釈明し、その翌日に釈明の内容をネットニュースが報じるというパターンが相次いでおり、当日の『霜降りANN(当時はANN0)』にも多くの注目が集まっていた。
そんな状況の中、番組は冒頭から名物コーナー「ポケットいっぱいの秘密♪」でスタート。せいやがハイテンションで意味不明なフレーズを言い続けるという奇妙なコーナーで、過去の放送では長くても3分程度でせいやが息切れ&ネタ切れして終了することが多かった。だが、この日は10分、30分、1時間……と、せいやの無意味なフレーズボケの羅列と、それに対する粗品のツッコミが続き、結果、2時間丸々「ポケひみ」だけで走り切ってしまった。
従来のリスナーなら2人の意図を理解して爆笑できる、ズムチン事件に対する釈明を待っていたマスコミやにわかリスナーには、まったく意味がわからない放送。それが霜降り明星からのメッセージだった。
そして、せいやという芸人の底知れない才能と出力を証明した回でもあったのだ。なおこの日、2人はラジオにもかかわらず漫才衣装に身を固めて生放送に臨んでいた。
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そのほかにも、せいやが欠席した際に粗品が「録音済みの粗品の声」と掛け合いを行い、「どうやってるんだ!?」と業界内を騒然とさせた「粗品2人回」などの神回や、有村昆、『マネーの虎』の社長、浜口京子といった独特の人選でリスナーを煙に巻きながら爆笑を引き起こしたゲスト回など、開始数年にして数々の伝説を生み出している『霜降りANN』。今後、「金曜の王」の座は揺るがないかもしれない。
(文=新越谷ノリヲ)
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