ハライチ・岩井勇気(37)と奥森皐月(19)の“年の差婚”を「キモい」という人々
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14日、昼の帯番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)で、MCを務めるハライチの岩井勇気が結婚生報告を行った。
番組冒頭、仕込みのマスコミを集め、相方の澤部佑と神田愛花がインタビュアーを担当する体裁で、記者会見風のコントを披露。昨日の週刊誌報道を受けて、岩井と澤部が互いにバックハグをしながら「多幸感が~」と言い合うなど、終始和やかな雰囲気だった。
一方で、ネット上では否定的な意見も少なくないようだ。いろいろあるが、まとめれば「年の差キモい」「40前のおっさんが10代に手を出してキモい」といったところ。中には「チャイルド・グルーミングだ」という意見もあるようだが、これはもう普通に2人に対する差別発言だし名誉棄損なので訴えられてください。
それにしても、である。ここまで冷静さを失わせる背景には何があるのだろうと考えてしまう。シンプルに「おっさんが若いアイドルと結婚なんて羨ましいぃぃぃぐぐぐぐぐ!」という嫉妬なら理解できないこともないが、今回「キモい」というニュアンスの発言を世界中に発信している人々は、どこか正義や道徳を背負っているように見える。
どう思おうが、それは思想の自由があるので勝手にすればいいのだけれど、少なくとも「多様性」という言葉がなんだか古臭く感じるほどに、今はもう「多様性」の時代である。自分と異なる価値観を認めましょう、むやみに他人の価値観を否定するのはやめましょう、そういうことに気を付けて生活しましょう、そうしてみんなで世界を平和にしましょうという時代の流れの中で、このようなリンチが自然発生することに驚いてしまう。もう「年の差婚」だけなんじゃないか、こうして公然と批判される人間関係というのは。
しかも始末が悪いのは、リンチしている側が被害者のような顔をしていることだ。特に、ハライチのファンや『ハライチのターン!』(TBSラジオ)のリスナーを自称する者でさえ、そのリンチに被害者顔で参加している。
岩井は『ターン!』で普通に恋愛について語っているし、過去には年上のシングルマザーと交際していたというエピソードを何度も話しているし、彼女とこんな感じで過ごしたいといった妄想を披露することもある。高校時代に1学年上の女子に、金網にガシャーンと押し付けられた話は、もはや定番だ。今日の『ぽかぽか』でも、奥森を指して「島崎和歌子さんみたいな人」と言っていた。坂下千里子が独身だったら付き合いたいと言っていたこともある。どちらかといえば、むしろ一貫していると言える。
奥森の19歳という年齢をあげつらって「何も知らない少女を!」みたいな扱いをするのも、おかしな話だ。
奥森は幼少期からモデル活動を始め、子役だったころから現在までずっと仕事をしている女優である。芸能人としては、岩井と同期にあたる。
また、キャリアとして比較するなら、一般的な学生時代を過ごした19歳の女性ではなく、3歳でテニスを始め、14歳でプロデビューし、19歳のころには180cmの長身から200km/h近いサーブを打ち下ろしていた大坂なおみとか、そのあたりのほうがまだ近い。ジャンルは違えど、奥森はそういうキャリアを送ってきた人間である。なかなかに、私たちの理解の及ばない人生だとは考えられないだろうか。そうしたキャリアの積み重ねによって培われた価値観に、誰が何を言えるだろうか。「かよわさ」や「無知」や「意志薄弱」といったイメージを、奥森に勝手にお仕着せしているのは、いったい誰なのだろうか。
それでも、このニュースを見たとき、「いろいろゴチャゴチャ言われるだろうな、岩井は大丈夫だろうけどな」と思ったことは自白しておく。「いろいろゴチャゴチャ言われる」ことを許容する社会でも仕方がないと感じたということだ。反省している。文章を世の中に発表する立場である以上は、「他人の価値観にいろいろゴチャゴチャ言っちゃダメだよ、多様性の時代だよ、そういうのは家とか居酒屋の個室だけにしといたほうがいいよ」と、ここに書き記しておきたい。そして、世界が少しでも平和になってほしい。
(文=新越谷ノリヲ)
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