トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ジョンソン』は“令和のめちゃイケ”を目指すべき

「リンカーンと比べると面白くない」の声多数の『ジョンソン』 進むべきは“令和のめちゃイケ”か

【入稿済み】「リンカーンと比べると面白くない」の声多数の『ジョンソン』 進むべきは令和のめちゃイケかの画像1
TBS『ジョンソン』公式サイトより

 ダウンタウンらが出演していたTBS系バラエティー番組『リンカーン』の後継として始まった『ジョンソン』。初回スペシャル版から数えてこれまで3回が放送されているが、その評価はイマイチだ。

 かまいたち、モグライダー、見取り図、ニューヨークの4組がレギュラーを務める同番組。10月23日の初回2時間スペシャルでは『リンカーン』で好評だった「芸人運動会」が放送された。レギュラー初回となる10月30日は「強運No.1決定戦」と題して、レギュラーメンバーのなかで“誰がいちばん運がいいか”を決めるべく、体を張った勝負に挑戦。そして11月6日放送回では、メンバーから集めた400万円を持ってフィリピンのカジノに行ったモグライダーともしげが、現地で強盗にあうというドッキリ企画が放送された。

「芸人大運動会は『リンカーン』の企画を踏襲する内容でしたが、真新しさがなかったということもあり、そこまで大きな話題にはなっていません。第2回の『強運No.1決定戦』は昨今のバラエティー番組では珍しく、大掛かりなセットを組んで体を張ったチャレンジをしたということで、見ごたえはある内容でした。しかし、ともしげさんが勝つことが決まっていた出来レースだったことが最後に明かされ、冷めた視聴者も多かったようです」(テレビ誌ライター)

 そして、強運No.1決定戦で勝者となったともしげが400万円を持ってカジノで勝負するためにフィリピンに行き、そこで400万円を奪われるドッキリが行われる。その様子が第3回で放送されたが、ともしげが冷静に対応する場面が多かったこともあり、肩透かしとなってしまった。

「メンバーのなかでもっとも“天然”であると踏んでともしげさんをドッキリに仕掛けたのでしょうが、意外としっかりしている部分が目立ち、正直ドッキリとしては成功と言い難い。スタッフ側もそういった展開を想定していなかったようで、場当たり的な仕掛けが多く、上手くハマっていませんでした。わざわざフィリピンまで行って現地の警察に協力してもらって実行したドッキリとしては、残念な部分も多かったと思います。『水曜日のダウンタウン』(同)や『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)のような、手の込んだドッキリを仕掛ける番組があることを考えると、『ジョンソン』の実力不足を感じてしまうものでしたね」(同)

 SNSなどに投稿されている視聴者の声を見てみると、〈リンカーンの再放送見てる方が面白いよ間違いなく〉〈リンカーンに遥かに劣る、つまらない〉など、『ジョンソン』は『リンカーン』と比較してつまらないといった意見が多い。ある構成作家はこう話す。

「 “カリスマ”であるダウンタウンが出演していた番組ということで、『リンカーン』は特別なものでしたし、ダウンタウンが吉本以外の芸人とたくさん絡む番組として、その後のお笑い界の活性化にも繋がりました。『ジョンソン』はダウンタウンほどのカリスマがいるわけではなく、物足りなさを感じてしまう視聴者が多いのは仕方ない」

 その一方で、前出の構成作家は『ジョンソン』にはダウンタウンのようなカリスマがいないことがメリットにもなるのではという見方を示す。

「『リンカーン』はダウンタウンがレギュラーだったことで、企画がある程度制限されていたのも事実。たとえば長期にわたるチャレンジ系のロケをダウンタウンがやることはないし、ダウンタウンに手の込んだドッキリを仕掛けることもできない。一方の『ジョンソン』は、レギュラー全員が“普通の芸人”なので企画の自由度は高い。一応かまいたちがトップになっていますが、あの2人を相手にドッキリを仕掛けることも難しくはないでしょう。そういう意味では、『ジョンソン』は『リンカーン』ではできなかったことができると思いますよ」(同)

 11月6日の放送回では、ともしげドッキリ企画をメインコーナーとしていたが、「ウソみたいなホントの話」というレギュラーメンバーのトークを主体としたミニコーナーも放送された。

「番組の構成的には、かつての『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)に近い。めちゃイケの場合、大掛かりなチャレンジロケやドッキリロケも人気でしたが、“数取団”や“爆裂お父さん”などのミニコーナーも人気でした。『ジョンソン』の『ウソみたいなホントの話』もネットでは意外と好評ですし、ミニコーナーにも力を入れていくという方向性もありそう。『ジョンソン』が進むべき道は、『リンカーン』ではなく、むしろ『めちゃイケ』なのかもしれないですね。

 また、『めちゃイケ』もメインであるナインティナインのフットワークが軽かったがゆえに、たくさんの無茶なチャレンジ企画を実現できたという側面がありますが、それこそが『リンカーン』にできなかったことであり、『ジョンソン』ではできること。“ダウンタウンがいない”ということをどれだけ活かしていくかが、『ジョンソン』の活路なのでは」(同)

 昨今のバラエティー番組企画の中で、特に若い視聴者に支持されているのが、フジテレビ系『新しいカギ』の「学校かくれんぼ」だ。チョコレートプラネットらレギュラーメンバーが実際の高校に行き、生徒たちとかくれんぼをするという企画である。

「学校かくれんぼはディープなお笑いの企画ではなく、言ってみれば“単なるゲーム企画”。ただ誰が見ても楽しいものになっていて、幅広い層に支持される。もちろん“お笑いリテラシー”が高い視聴者に向けたコアなお笑い番組もありますが、地上波のゴールデンタイムで人気を獲得するには、そこまでディープなお笑いは必要ないし、逆に足かせになってしまう。『めちゃイケ』が人気だったのも、誰が見ても面白い番組だったからです。一方の『リンカーン』は少々お笑いリテラシーが必要だったんですが、それはやはりダウンタウンというカリスマが出ていたからでしょうね。そう考えるとダウンタウン不在の『ジョンソン』もやはり、お笑いリテラシーに関係なく楽しめる番組を目指したほうが、成功に近づくはずです」(同)

“令和のリンカーン”として始まった『ジョンソン』だが、落ち着く先は“令和のめちゃイケ”なのかもしれない。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2023/11/17 08:00
ページ上部へ戻る

配給映画