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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > オードリー春日の「モンクレールのダウン」

『あちこちオードリー』春日俊彰の「モンクレールのダウン」事件とは何か

AKB48の1期生 ノースリーブスがご来店!デビューから絶頂期・卒業・結婚全てを語る! | TVer

 8日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に、AKB48元1期生の小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみが出演。3人がユニット「ノースリーブス」として活動していた時期のエピソードなどでスタジオを盛り上げた。

 番組終盤、峯岸が六本木界隈での食事会に頻繁に参加していたころの話になると、MCのオードリー・春日俊彰が「あ、でも(峯岸に)港区で会ったことあるかもしれないな」と切り出した。すると峯岸も「私、春日さん(と会ったこと)あります」と応じ、すかさず若林正恭が春日に「おまえが社長にモンクレールのダウンもらってたころだろ」とツッコミを入れる。「そんなときあったんですか!?」とザワつく高橋と小島をよそに、春日は、峯岸が六本木の飲食店内の扉のついたルームで「なかなかのテンション」で1人で騒いでいたというエピソードを披露。峯岸も「春日さんは、おっぱい大きい人といました」と暴露した。

 この峯岸の暴露に、若林は大喜び。「これは10年言うからね」と、おいしいエピソードを提供してくれた峯岸に感謝を伝えていた。

「モンクレールのダウン」「これは10年言うからね」

 テレビでは詳しく説明されなかったが、ラジオ『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)では、若林が同じ話を定期的に繰り返す流れが、ひとつの定番となっている。その中でも、「メガネのツルの話」「ゴルフ場のカートで国道に出た話」などと並んで頻繁に取り上げられるのが、この「春日が六本木の社長にモンクレールのダウンをもらった話」なのだ。

 春日が六本木に出入りしていたのは、2017~19年ころだと思われる。このころ若林は、春日が夜の街に足を運ぶようになり、時には酒の匂いを漂わせたまま仕事に姿を見せることもあると、たびたびラジオで明かしていた。

 後に春日のこうした夜遊びはエスカレートし、現在の妻・クミさんにテレビ番組の企画でプロポーズする10日前に「フライデー」(講談社)に浮気現場をスクープされるという最悪の結末を迎えるわけだが、春日のこの時期の象徴として、若林は「社長にモンクレールのダウンをもらっていたころ」と呼んでいるのだ。ちなみにそのモンクレールのダウンは黒のテカテカで、春日がそれを着てテレビに出演していた時期とも符合する。

 オードリーというコンビには、2008年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で準優勝を果たした翌日からずっと、停滞期や低迷期というものがない。もう15年にわたって、常にテレビに出続けている。まずは春日のキャラクターがブレークし、それが一周したころには若林のひな壇での立ち回りが評価され始め、春日がフィンスイミングやボディビルなど筋肉系の仕事で需要を伸ばすと、今度は若林が新世代のゴールデンMCとして台頭し始める。そうして互いに力を出し合って、手漕ぎトロッコを走らせるように、2人は活動の幅を広げていった。

 そんな中で、唯一ともいえるコンビの危機が「モンクレールのダウンをもらっていたころ」だった。若林は当時を振り返り、「そういう遊び方がよくない、と言えなかった。言えない距離感だった」と語っていたことがある。会話らしい会話はラジオの生放送中だけになり、その状況をふざけ半分で指摘した若林に、春日が「ギャラをもらえれば楽屋でも話す」と言い放ったこともあった。テレビ収録やイベントでも、春日が無神経なトイレのタイミングなどでスタッフを待たせることが多くなり、そのたびに若林のイラだちも募っていった。

 だが、若林は若林で、そんな春日を一方的に悪く思っていたわけではなかった。春日は器用で、どんな仕事でもこなせる人間だと評価している若林は、「自分が芸人に誘ったから春日が荒れてしまった」と感じていたことを告白し、そもそも春日が芸能人の集まりに参加するようになったのも、六本木のVIPルームに入り浸り始めたのも、毎週ラジオで話すトークを作るためだったのではないかと慮る一面もあった。

 春日の浮気がフライデーされた直後の『オールナイトニッポン』は、今でもリトルトゥース(リスナーの通称)の間で語り草になっている。ところどころで笑いを誘いながらも、若林は正面を切って春日の愚行を怒鳴りつけ、反省を促した。誰よりも若林が怒っていたし、誰よりも春日のことを考えていた。番組後半にはクミさんも電話出演し、「こんな、とんだ変態大バカ野郎は、私にしか手に負えない。こんなやつ、野放しにはできない」と春日の謝罪を受け入れたことで、事態は何とか収束した。あのときの若林とクミさんの立ち回り如何では、オードリーというコンビが消滅していた可能性もある。そういう緊張感が芸能界全体を包んでいた時期の、春日の浮気だったのだ。

 今では若林が「モンクレールのダウンを……」と言いかけると、春日が食い気味に「何回言うんだよ、それ!」と返すのが定番となっている。今後はこれに、「おっぱいの大きい人を連れてたらしいじゃん」が加わることになるのだろう。早ければ今週末の『オールナイトニッポン』で、春日の「それ言うなよ! クミさんが聞いてんだよ!」といったツッコミを聞くことができるかもしれない。こういうときの春日のツッコミは、東洋一といっていいほど切れている。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/11/09 16:00
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