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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 広瀬すず、積極的な社会貢献活動で日本の風潮変える?

広瀬すず、ウクライナ支援クラファンに「立派」「戦費に使われる」と賛否…「武器に代わる」は誤解か

※画像:Makuake「【全額寄付】 広瀬すず「私なりの支援プロジェクト」応援サポーター募集」より

 女優の広瀬すずが6日、都内で行われた「第18回難民映画祭」のオープニング上映イベントに出席。昨年、ウクライナの復興支援を目的としたクラウドファンディングを立ち上げて1000万円以上を集めたことについて「やってよかったと思えた」などと思いを明かしたが、これに対してネット上で賛否が起きる事態になっている。

 昨年8月、広瀬はウクライナの復興支援を目的とする「私なりの支援プロジェクト」と題したクラウドファンディングを立ち上げ、目標金額300万円を大きく上回る1180万円以上を集めた。高額プランを用意するクラファンも珍しくないが、広瀬の場合は最も高い寄付コースでも3370円でリターンはポストカードとなっており、かなり慎ましい内容だったにもかかわらず、想定をはるかに超える金額に達したことが話題になっていた。

 国連UNHCR協会が開催する「難民映画祭」は、故郷から離れ、過酷な環境で生きる難民に焦点を当てた映画祭。広瀬は日本人初の同協会親善大使を務めるアーティストのMIYAVIと共に、ゲストとしてオープニング上映ベントに登壇した。

 広瀬は先述のクラウドファンディングについて問われると、「最初は1人で何かやろうと思ったんですけど、事務所に確認をしたら、こういうお仕事をさせていただいているからこそ、できることがあるんじゃないかと一緒に話していて気づくことができた」と話し、やってみた感想として「私と同じように(何かしたいと)感じている方にお礼を言われたんです。それがすごく『やってよかった』と思えた」と笑顔を浮かべた。さらに「きっと私と同じように『何かできることはないか』と思っている方ってすごく多いのかなと思っていて。私は25歳なんですけど、特に同世代やもっと若い世代が参加できるような形が何かできたらいいなと思いました」と語り、若い世代に社会貢献活動の輪が広がることを願った。

 これに対して、ネット上では「若いのに素晴らしい」「彼女みたいな有名人が発信するのは大事」「可愛い上に社会貢献にも熱心とか尊敬しかない」などと称賛コメントが続出した。絶賛一色かと思いきや、その一方で「戦争の真っ最中に寄付したら兵器に代わりそう」「戦争当事国への支援ってどう使われるか分からないから安易なアピールはやめてほしい」「復興支援は戦争が終わってからやらないと」などと否定的な声もあり、意外にも賛否両論となっているのだ。

 大きな批判理由としては「戦争中のウクライナに寄付金を渡したら戦費に代わるのでは」という危惧があるが、これは誤解といえそうだ。クラウドファンディングのページでは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)やWFP(世界食糧計画)といった国連機関を通じて「被災地の災害復旧活動、支援活動に利用させて頂きます」と明記されており、この通りであれば軍事費に転用される可能性はないだろう。今回のイベントでの発言に関する報道では具体的な寄付金の使い道にまで言及しているものがなかったので、誤解が広まって批判が生まれてしまったともいえそうだ。

 また、一部では「イメージ的に政治的な活動はしないほうがいいのでは」「お金あるだろうに自腹は切らないのか」といった批判もある。だが、広瀬は2011年の東日本大震災の後から10年以上にわたって積極的に慈善活動に参加しており、3・11のチャリティーオークションに愛用のバッグを出品するなどしたほか、新型コロナが感染拡大した2020年には地元・静岡市内の全小中学校124校と複数の高校に励ましの直筆メッセージと消毒液を寄付した。今回のクラウドファンディングについても、リターンアイテムであるポストカードの作成費用は広瀬と所属事務所がすべて負担しており、集まった寄付金は決済手数料を除いて「全額寄付」となっている。

 一部では「ウクライナだけ支援するのはおかしい。ロシアの人たちも傷ついているのに」という批判もあるのだが、ロシアの場合はそれこそ寄付金を集めても本来の目的で使われるかどうか保証できない部分があり、ウクライナのみの支援になってしまうのは現時点において仕方ないところがあるかもしれない。

 それだけでなく「芸能人が政治的な活動をするのはいかがなものか」という意見も根強くあり、実際に日本はそういう風潮が長く続いていた。しかし、欧米などの海外では当たり前にタレントら著名人が政治的な活動をしたり、慈善活動を展開したりしている。「やらない善より、やる偽善」という言葉もある。広瀬のような若い世代の著名人が積極的に声を上げ、動いていけば、これまでのような日本の風潮も変わっていくのかもしれない。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/11/07 18:00
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