トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『M-1』関西3回戦、落選組の注目株

『M-1グランプリ』大阪・京都の3回戦全ネタ公開! 落選組からピックアップ

10/29 [京都] ピ夜/オハナ/ハスキーポーズ【3回戦全ネタ】 – YouTube

 年末の漫才頂上決戦『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の3回戦が、今年も全ネタ公開されている。大阪・京都では先月29日から31日まで行われ、すでに準々決勝進出の37組が発表済み。6日から8日までの3日間に行われる東京3回戦の結果を待って、準々決勝進出者全員が決まることになる。

 今回は、公式YouTubeに公開されている大阪・京都の3回戦動画から印象的なネタを披露した“落選組”を紹介したい。

■もも

やはりももから紹介せざるを得ない。2021年のファイナリストは「○○顔やろ!」漫才でインパクトを残したが、昨年に続いて2年連続の3回戦敗退となった。

3回戦のネタは「顔」をツカミにだけ使い、マンガを題材にした漫才を披露。コミック雑誌の固有名詞が伝わりずらかったのか、客ウケはいまいちだったが、テンポと声量はやはり圧倒的。テーマ選びだけで容易くファイナルに返り咲きそうだ。あと、こんなところでも出版不況を実感させられた。コミック雑誌がんばれ。

■どんちっち

19年結成、島根県出身のコンビ。昨年は準々決勝まで進んだが、今年は惜しくも3回戦で姿を消した。

合コンで彼女を作りたい、というありがちな設定ながら、意外な展開で一気にオチまで聞かせる話術は将来性を感じさせ、立ち姿に安定感があるのも好感度が高い。いつ準決勝に食い込んできてもおかしくない漫才師に見えた。

ちなみにかまいたち山内は島根出身なのにべたべたな関西弁を使うが、どんちっちは標準語寄り。この言葉で関西で漫才をやる心意気もいい。

■マイスイートメモリーズ

17年結成。これまでの最高成績は20年の準々決勝ながら、抜群の安定感を誇る。

歯医者と患者の漫才コントだが、患者であるボケ・花谷豊の迫力あるムーブとツッコミ・トランスフォーム福田の独特なツッコミで爆笑をさらっていた。2人ともキャラ立ちしているし、特にミスもあったようには思えないし、準決勝にいても不思議ではないくらいの漫才師だと思うが、まあ3回戦で落ちたということは、落ちたのだろう。

勝ち抜けが37組だったので、たぶん38位。

■オーパスツー

18年結成。初めて見たと思うけど、めちゃくちゃ面白い。いわゆる、台本が見えないタイプの漫才。

「ごめん」の代わりに「ありがとう」というとコミュニケーションがスムーズになるという入りからは想像できない筋立てだし、ボケの大ちゃんがガチモンのモンスターに見えてくる展開は右肩急上昇で、夢中になって見てしまった。

これで3回戦で落ちるのか。つらいね。

■ピ夜

21年結成のアマチュア男女コンビ。昨年は1回戦敗退。男性のほうの声がちっちゃすぎて、まず笑ってしまった。

いわゆるカップル漫才というジャンルに分別されるネタだと思うが、ボケはゼロ。舞台上の2人が無言で静止し、客席から笑いだけが聞こえるという不思議空間が発生していて、途中から漫才とはなんなのか、よくわからなくなっていく。どちらが、なんのために『M-1』にエントリーしたのか。ネタ合わせとかやってんのか。全然わからない。

これはこれで、人間力の勝利だと思う。いや、敗退しているのだけれど。

 * * *

 ほかにも、「これで落ちるか~」というコンビはたくさんある。全ネタがYouTubeで配信される3回戦は、敗退組にとっても大きなチャンスとなっている。見ていると時間ばかりが溶けていくが、東京組の公開も楽しみに待ちたい。

(文=新越谷ノリヲ)

 

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/11/04 20:00
ページ上部へ戻る

配給映画