日本テレビ、「辞めジャニ×スマイルアップ」共演に透けて見える“したたかな戦略”

　故ジャニー喜多川氏による性加害問題に揺れるスマイルアップ（旧ジャニーズ事務所）だが、ここにきてテレビ界で所属タレントたちの扱いに変化が見られるという。

　とりわけ“擁護”のスタンスなのが、これまでジャニーズとは蜜月関係にあった日本テレビだ。10月23日の定例記者会見では、石澤顕社長が『news zero』のキャスター降板が伝えられていた櫻井翔について、「降板しない」と表明。「ジャニーズ事務所さんがどんどん変化しているなかで、ちょっと前の物差しで判断するのは違うのではないかと思う」とまで語っている。

　その裏では、同局のしたたかな戦略が見え隠れする。

「23日配信の『週刊女性PRIME』では、11月16日に放送予定の『ベストヒット歌謡祭』で、“辞めジャニ”の香取慎吾が関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、なにわ男子とメイン会場で生出演すると報じています。性加害問題でジャニーズへの“忖度”がなくなった証左とも言えますが、スマイルアップ組との絡みまで見られるのか、業界の注目を浴びています」（芸能関係者）

　一方、TOKIOが出演するバラエティー番組『ザ！鉄腕！DASH!!』にも新たな動きがあった。

　10月15日に放送された同番組の3時間スペシャルでは、滝沢秀明氏が立ち上げた『TOBE』に合流した元King＆Princeの岸優太が出演。

「番組内では今後の岸の扱いについて何のコメントもなかったことから、このまま番組をフェードアウトしてしまうのかと心配されました。しかし、石澤社長は『岸さんは「鉄腕DASH」の大切なファミリーと考えており、今後ともその方針に変更はありません』と回答。この先も番組に出演する可能性を示唆したことで、ファンも安堵したようです」（芸能ライター）

　日テレが推し進める辞めジャニとスマイルアップの“共演”には、スマイルアップのある狙いが関係しているという。

「東山紀之社長は先の会見で、退所者に対して『逆に応援したい』と発言しました。それをきっちり実現させることで、“ジャニーズ事務所は本当に変わったんだ”ということを世間やスポンサーにアピールする機会にしたいと考えている。一方、日テレとしても、注目を集めることができて、スマイルアップ側にも辞めジャニ側にも恩を売れますから、“メリットだらけ”と考えているようです」（制作会社スタッフ）

　今後も日テレのさまざまな番組で、「辞めジャニ×スマイルアップ」の組み合わせが見られそうだ。

大沢野八千代（ジャーナリスト）

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

おおさわのやちよ