後藤真希のVTuber化は“負け戦”か、それとも“芸能人続々進出”へのきっかけとなるか
#後藤真希
歌手でタレントの後藤真希が、VTuber“ぶいごま”としての活動を開始した。ぶいごまは、“2001年からタイムスリップしてきた15歳の後藤真希”という設定で、10月26日の生配信でデビュー。初日のうちに1万6000人を超えるチャンネル登録者を獲得した。10月28日にはVTuber関連のイベント『バーチャルハロウィーン2023』内で、3Dモデルお披露目配信イベントを開催。11月11日開催のバーチャルアイドルフェス『Life Like a Live!6』にも登場する。
来年迎えるデビュー25周年に向けての新プロジェクトだという後藤の“VTuber化”だが、その裏側には所属事務所の思惑もあるようだ。
「後藤さんが所属しているエイベックスには、“バーチャル・エイベックス”というVTuber部門があり、“ぶいごま”もそこの所属。『Life Like a Live!6』もバーチャル・エイベックスの主催で、フェスを開けるくらいにたくさんのVTuberが所属しているんですが、そこまで人気があるとは言い難い。後藤真希さんという有名人を起用することで、バーチャル・エイベックスのテコ入れを図ろうとしているのでしょうね」(ネットメディア関係者)
しかし、有名人がその姿を明かしてVTuberの“中の人”になることは、必ずしも得策ではないという。
「VTuberの魅力は、中の人の知名度ではなく、トークの面白さや個性に重きが置かれているんですよね。現時点でVTuberに興味がない人を引き寄せようというのであれば、後藤さんのような知名度が高いタレントを起用するのもわかりますが、既存のVTuberファンからは逆に受け入れられにくいかもしれない。
VTuberは、リアルの人間とは切り離されたキャラクターであるという点に魅力があるわけで、その正体は隠していたほうが正当なVTuber。現時点での“ぶいごま”はVTuberとしては邪道ということになってしまうと思います」(同)
ちなみに、後藤真希にとってモーニング娘。の後輩にあたる飯窪春菜は、グループ卒業後の2018年12月から約1年半にわたってバーチャルアイドル“Ni-na”をプロデュースしていたことがある。
「飯窪さんはプロデューサーという設定ではありましたが、実際にはNi-naというキャラクターの“中の人”をやっていました。モーニング娘。の元メンバーが卒業後即VTuberになるということで注目されていたものの、思うような結果は出なかったんですよね。実在するアイドルの人気や知名度が、そのままバーチャルアイドルの人気に直結するわけではないという前例だったと言えるでしょう。
ただ、Ni-naについては、VTuberが世間的に認知される前の活動だったので、“早すぎた”と言えるかもしれないのですが、後藤さんについても、飯窪さん同様難しい部分が多いのでは」(同)
エイベックスの事情で、無理な勝負に挑まされているかのように見える後藤真希。しかし、本人にとっては単なる“楽しい仕事”になりそうだ。
「後藤さんは、以前からかなりのゲーマーで、現在も自身のYouTubeチャンネルでは主にゲーム実況をアップしています。VTuber“ぶいごま”でもおそらくゲーム実況をやることになるでしょうし、本人としては好きなゲームをプレイして、それが仕事になるのなら、それだけで満足という感じだと思います。
最近は小規模ながらもライブ活動も定期的に行っていて、充実した芸能活動を続けられていますし、不倫騒動もありましたが家族も円満そう。“ぶいごま”がコケようが成功しようが、本人は痛くもかゆくもない状況なので、ただただ楽しく仕事するだけ。エイベックスとしても、そんな後藤さんだからこそ、負け戦を任せることができたということなんでしょうね」(芸能事務所関係者)
かつては、有名芸能人がYouTubeを始めたところで、文化が違うので成功しないと言われていた時代もあったが、カジサック(キングコング・梶原雄太)がYouTuberとして成功したあたりから風向きが変わり、有名芸能人もYouTuberとして人気を獲得するようになった。VTuberについても、似たような状況になる可能性はあるのだろうか。
「現状ではやはり有名人とVTuberの相性は決してよくない。でも、もし仮に今回の“ぶいごま”が幅広い層に受け入れられたならば、それこそ有名芸能人のVTuber化が増えていくという展開もありうるとは思います。成功する確率はかなり低そうではあるものの、エイベックスはその“万が一”を狙っているのかもしれません」(前出・ネットメディア関係者)
残念ながら、あまり期待されていない後藤真希のVTuber化。果たして、カジサックのように風穴を開けることができるのか。
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