ハライチ・岩井勇気、ウエストランド・井口浩之……「本番当日」にネタを書く人たち
#ハライチ #ウエストランド
26日深夜のラジオ『ハライチのターン!』(TBSラジオ)のトークパートで、ハライチ・岩井勇気が先週末に放送された『お笑いの日』(TBS系)の裏話を明かした。
『お笑いの日』は、『キングオブコント2023』をメインに据え、21日午後2時から8時間にわたって生放送された大特番。ハライチは純粋なネタ番組である『ザ・ベストワン』に出演し、その代名詞である「ノリボケ漫才」を披露している。
岩井によると、『ザ・ベストワン』では事前にネタの台本か動画の提出を求められたのだという。というのも、同番組は生放送されるため、ネタの内容が不適切ではないか、スポンサー関係にひっかからないかどうか、チェックする必要があるのだ。
だが、岩井はなかなか披露するネタを決めきれず、直前まで保留。ぎりぎりで動画を提出したものの、本番の前日夜になって「明日のベストワン、あのネタでいいのかな……?」と疑念が生じたのだという。その時点で、夜の12時。「ま、いっか」となりそうなものだが、岩井は「作るか」と心に決める。相方の澤部佑は「なんで?」と当然の疑問をぶつけるが、「おかしいと思ってんだけど、止めらんないんだよね」というのが岩井の答えだった。
その日は題材と冒頭だけ決めて就寝。結局、岩井のネタ作りはスタジオに向かう車中までかかり、完成したネタが澤部に渡されたのは、本番の40分前だったという。
実際に本番で披露されたネタは、いつも通りのハライチの軽快なノリボケ漫才。スタジオのウケもよく、まさか直前まで白紙だったとは想像もできない姿だった。
この日の『ハライチのターン!』では、岩井が考える漫才師の在り方や、演芸における漫才というものの位置付けに関する考察から始まり、ネタを変えると決心してから書き上げるまでの心の揺れや、数々の無駄な行動、迫りくるタイムリミットとの戦いがスリリングに語られている。
岩井のように、当日の本番直前までネタを書いていたエピソードを、ウエストランドの井口浩之も明かしていたことがある。
今年8月に公開されたYouTubeチャンネル「ウエストランドのぶちラジ」で、所属事務所主催の「タイタンライブ」に出演した際の様子を語った井口。昨年末の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で優勝して以来、多忙を極めているスケジュールの影響もあって、この日、披露したネタは「結局、当日作って、やったんですけれども」と、サラっと告白。井口はこのネタについて「まあまあよかったんじゃないか」と謙遜したが、ライブ直後からお笑い界が騒然となったことは記憶に新しい。
というのも、そのネタは「まあまあよかった」どころではなく、『M-1』で優勝したネタよりもさらに強くなっており、今年出場すれば2連覇してしまうのではないかといわれるほどの出来だったのだという。
岩井の場合は、大特番の生放送。井口はライブではあるものの、事務所のボスである爆笑問題がトリに控え、プレッシャーのかかる舞台だ。ともに絶対に失敗できない出番の当日までネタができていないという状況は、想像を絶する恐怖だろう。逆に言えば、それほど肝が据わっていなければ、ネタが決まらないまま当日を迎えることなどできない。どうかしているのだ。
そして、そうした書き手の話を平然と聞き、マイクの前では直前に渡された台本を平然とこなすそれぞれの相方、ハライチ・澤部とウエストランド・河本太も、やっぱりどうかしていると思う。
(文=新越谷ノリヲ)
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