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低視聴率『ONE DAY』と賛否両論『ジョンソン』“月曜9時”の泥試合――TBSがフジから覇権を奪い取るか

低視聴率『ONE DAY』と賛否両論『ジョンソン』月曜9時の泥試合――TBSがフジから覇権を奪い取るかの画像1
二宮和也

 嵐・二宮和也、大沢たかお、中谷美紀の3人が主演を務めるフジテレビ系月9ドラマ『ONE DAY ~聖夜のから騒ぎ~』が、低視聴率にあえいでいる。第1話(10月9日放送)の世帯平均視聴率は7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったが、第2話(10月16日放送)で5.5%に急落。そして第3話(10月23日放送)は5.3%となり、右肩下がりの状況だ。

 接点のない3人の主人公が過ごすクリスマスイブの1日を1クールかけて同時進行で描く『ONE DAY』。次第にその運命が絡み合ってくる3人の物語は、前クールで大人気となったTBS系日曜劇場『VIVANT』に続いて“考察”を楽しめるのではないかと期待されていたが、蓋を開けてみれば散々な数字となってしまった。

「複数の主人公の話が同時進行するというのは決して珍しい手法ではないものの、それぞれをしっかり盛り上げていかないと、ストーリーの間に温度差が生じて中だるみしやすいというデメリットがある。まだ序盤で物語が大きく動いていないということはありますが、『ONE DAY』では、すでにデメリットのほうが目立っている印象です」(テレビ局関係者)

 そうしたなか、10月23日には同じ月曜夜9時の枠で、TBSがダウンタウン、さまぁ~ずらがレギュラー出演した『リンカーン』の後継番組である『ジョンソン』をスタートした。2時間スペシャルとなった初回では、『リンカーン』でも恒例だった“芸人大運動会”を放送。かまいたち、モグライダー、見取り図、ニューヨークというレギュラー陣に加え総勢59人の芸人が登場し、山内軍と濱家軍に分かれてさまざまな競技で戦った。

『ジョンソン』の初回視聴率は4.6%で『ONE DAY』を下回るものだったが、『ジョンソン』が『ONE DAY』の視聴者を奪っていく可能性も指摘されている。

「ここ数年のテレビ界は、10月のキングオブコント決勝戦放送あたりから年末のM-1グランプリにかけてお笑い賞レースが一気に盛り上がり、バラエティー番組の存在感がどんどん高まっていく傾向にあります。

『ジョンソン』のような芸人ばかりが出演するバラエティー番組は、まさに年末に向けて盛り上がる“お笑い熱”の受け皿になっていき、話題の芸人が次々と登場する展開が予想できます。いまいち盛り上がらない『ONE DAY』に痺れを切らし、『ジョンソン』にチャンネルを変える視聴者が増えていくのは、容易に想像できますね」(同)

 そんな『ジョンソン』だが、初回放送終了時点でのSNSでの反応は賛否両論といったところ。〈ちょっと期待してたのにおもんな〉〈まあやっぱりリンカーンの運動会が見たいよね。ダウンタウンの偉大さが改めて分かった〉などと手厳しい声がある一方で、〈久々こんな攻めてるバラエティー見た気がする!〉〈最高に面白かった!〉と、楽しめたとの声も多い。

「『ジョンソン』は“『リンカーン』の後継番組”と銘打っているだけあり、当時をしっかり踏襲した構成になっています。『リンカーン』を見ていた視聴者にとっては懐かしさもあり、だからこそ魅力的にも見えたのでしょう。

 ただ、『リンカーン』を引き継いでいるがゆえに、『リンカーン』のファンが『ジョンソン』に対して“これじゃない”と感じているのも事実。当時はまだダウンタウンといろいろな若手芸人が絡んでいくことそのものがレアだった時代であり、そこから生まれる化学反応が刺激的でした。

しかし『ジョンソン』の場合、ダウンタウンに代わるほどカリスマ性がある芸人が出ているわけではなく、芸人同士の絡みもどこかで見たことがあるものが多い。そういった部分が物足りなさにつながったのでしょう」(構成作家)

 それにしても、他の裏番組はさておき、視聴率5%台の『ONE DAY』と4%台の『ジョンソン』が、“月曜夜9時”という伝統の時間帯でしのぎを削るとは寂しい限りだ。

「現在“特別な枠”と言えるのはTBSの日曜夜9時の『日曜劇場』くらいなもの。“月曜夜9時”はとっくに“普通の枠”です。視聴率数%の番組同士で泥仕合を展開するのも、もはや通常運転なんですよね……。

 かつて、月曜夜9時にフジのドラマが強かった時代は、他の局も“捨て番組”を当ててくることも多かった。でも、今回TBSはそれなりに力を注いでいる『ジョンソン』をぶつけてきた。つまり、月曜夜9時の覇権を奪おうとしていると見ることもできる。

滑り出しは微妙かもしれませんが、今後『ジョンソン』を人気番組に育てるべく、TBSもさまざまな施策を繰り出す可能性が高い。そういう意味で、今後の『ジョンソン』は注視していきたい番組です」(前出・テレビ局関係者)

“ドラマの月9”から“バラエティーの月9”へと時代が変わるか。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2023/10/30 08:00
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