三四郎・小宮浩信が熱弁! 若手芸人が「客が2~3人」のライブに出るべき理由
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「あのころは、客が2~3人しかいないライブに出ていた」
芸人界隈では、笑い話としてよく聞かれる話だ。特に吉本興業以外の事務所に所属している芸人には、いわゆる常設小屋がなく、都内各地の小劇場で開催されているインディーズのお笑いライブに、エントリーフィーを払って出演する例も決して少なくない。
そんなライブにお金を払って出演して、なんの意味があるのだろうか。そんな疑問に、ストレートな回答を示したのは、三四郎・小宮浩信とウエストランド・井口浩之だった。
26日深夜放送の『あなたの1週間、壁にしました』(テレビ東京系)は、芸人たちの飲み会を隠し撮りして、その様子をSnow Man・向井康二とパンサー・向井慧がスタジオで眺めながらトークする番組。隠し撮りされていたのは、小宮と井口、かもめんたる・槙尾ユウスケ、きしたかの・高野正成、鬼ヶ島・アイアム野田という、いわゆる“小宮軍団”の面々。
「今、若手の子たちは出るライブがないから大変らしいよ」(槙尾)
その問いかけに、小宮と井口は堰を切ったようにたたみかけた。
「自腹で払えば出られるじゃん、みんなやってたよ」(小宮)
「甘えてんだろ!」(井口)
「3,000円ずつで、(相方と)1,500円ずつで、それでチャリで帰ったりとか」(小宮)
三四郎とウエストランドは、2010年代の東京のライブシーンを象徴するコンビだ。三四郎は13年に『ゴッドタン』(テレビ東京系)で「芸人が選ぶ天才ランキング」に選出され、その出演にインパクト抜群の姿で登場したことをきっかけにブレーク。いわずもがな、ウエストランドは後のM-1チャンピオンだ。
一方、槙尾のかもめんたるは早稲田大学のお笑いサークル「WAGE」を経て、07年に岩崎う大と共にコンビ活動を開始。13年には『キングオブコント』(TBS系)で王者となり、前出2組に比べれば下積み時代は格段に短い。
「勝ち上がれば上に出れるんだから、出て勝ちゃいいだけだから」(井口)
そうした井口の言葉も、槙尾には刺さらない。
「2、3人のライブで、勝つも何も……」(槙尾)
それに対する小宮の回答は、
「いやいや、芸人と仲良くなれるんすよ」(小宮)
「ライブ呼んでくれますよ」(井口)
同じ時代を同じ場所で戦ってきた小宮と井口の言葉に熱がこもる。
「そいつがサボってるだけですよ、なんとでも出来るんです」(井口)
「僕らなんて、月に29くらい(ライブに)出てたからね。それでよかったって話ですよ」(小宮)
「まさに、そういうところで出会ってますから」(井口)
無論、単なる生存バイアスと切り捨てることもできるだろう。三四郎やウエストランドと同じように努力を重ねながら、成功に至らず辞めていった芸人のほうがはるかに多い。もともと小宮や井口に才能があっただけで、違う方法論でも売れていた可能性が大いにあることも否定できない。
だが、三四郎が『ゴッドタン』出演のチャンスをつかんだのは、「ライブに出ている若手」を対象にしたアンケートで名前を挙げられたからであり、「芸人と仲良くなれるんすよ」の言葉には、やはり説得力がある。
ウエストランドは結成4年で『THE MANZAI』(フジテレビ系)で認定漫才師に、翌年には『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の準レギュラーの座をつかむなど順調なスタートを切り、その後もブレークには至らないまでも定期的にテレビ出演をこなしていたが、そのスケジュールの合間を縫ってライブに立ち続けた。井口は当時を振り返って「ライブのお客さんはテレビに出ているタレントに冷たい。アンケートに『井口を出すな』と書かれたことも多かった」と、苦労時代のエピソードをたびたび明かしている。
高野も含め、飲み会の場がヒートアップしたのは、彼らの中の反骨心という炎がまだまだ燃え続けている証拠なのだろう。
そんな中、ひと言もしゃべらずキョロキョロしていたアイアム野田の姿が印象的だった。芸歴も年齢も、野田がいちばん上だ。いろいろあると思うけど、がんばってほしい。
(文=新越谷ノリヲ)
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