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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』第3話

『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』第3話 明らかな失敗作だがゴールまで走り切ってくれ

第3話 12月24日9時00分~10時04分 | TVer

 ドラマを見ているときに、こちらの意思に反して映像が切り替わったりすると嫌ですよね。しかもそれが、本来のドラマとは関係のない映像で、さらにその映像そのものの意味もわからない。意味のわからない映像がループで入ってくる。たとえば1時間のドラマを見ていたら、そのうちの20分くらいが、その意味不明で単調で、しかもやかましいBGMを伴った、妙に役者の芝居に熱だけが入っている、ストーリーのない、不条理な、不快な、映像。それが突然に、何度も挟まってくる。そんなの、嫌ですよね。

 もはやそのレベルで、23日放送のフジテレビ月9『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』第3話の大沢たかお演じるシェフのパートはヤバかったです。

 クリスマスイブの24時間を1クールかけて描く。3人の主人公、3つのシチュエーションを並行して走らせ、それをクライマックスに向けて1つにまとめていく。ドラマを作る人たちにとって、それこそドラマチックな作業でしょう。『24-TWENTY FOUR-』と『パルプ・フィクション』(1994)をひとつの作品で同時にやろうとするんです。しかも、それを月9で。テレビドラマにおけるウルトラメジャーな枠で。シナリオは脳みそにたくさん汗をかいて、現場は普段の3倍時間のかかるロケハンに駆けずり回って、みんながいい作品にしたいと願って心をひとつにして、そんなの、もう青春じゃないですか。

 だからこそ、もうホントに悲しくなってくる。めっちゃ失敗してる。完全に、明らかに失敗してる。シェフパート、まったく動かない。物語がない。ないならないで飛ばせばいいのに、「3つのシチュエーションを並走させる」という縛りから逃れられない。結果、意味のないループに終始するしかない。

 そりゃ後半になれば、シェフにも役割は出てくるんでしょう。クリスマスディナー、古い洋食屋、熱血漢のシェフ、大沢たかお、そこに落ちていた拳銃、記憶喪失の逃亡者、もう画面映えする未来しか見えないですよ。おそらくクール後半からクライマックスにかけては、面白いドラマになるんでしょうよ。バラバラなシチュエーションが収斂(しゅうれん)するシナリオだったら、クライマックスから逆算して作るしかないのはわかるし、結果、1つのパートが前半スカスカになるのも無理はないと思う。制作スタッフの上から下まで、誰も、がんばってないわけじゃないと思う。でも、めちゃくちゃつまんないんだもん。これはきついよ。

 ニノの逃亡者パートと中谷美紀のキャスターパートは、まだグラグラしつつも話を進行しています。謎が解けて、またひとつ謎が提示されて、そうして物語を積み重ねてはいる。イヌを探してる謎の男・佐藤浩市も佐藤浩市だから何かあるんだろうなって、期待を捨てきれないでいる。何より、仕事だから全話見なきゃいけないので、見るよ。見るけどさ。

 こんなの、4人くらいのシナリオライターが3年くらいかけて作るものですよ。黒澤明と菊島隆三と久板栄二郎と小国英雄が顔を突き合わせて怒鳴り合って、なんとか完成するという、そういう類の脚本ですよ。土台、無理があるって。

 えーと、次回も見ます!

(文=どらまっ子AKIちゃん)

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最終更新:2024/01/31 12:13
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