トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 配給映画  > 『恐解釈 花咲か爺さん』緊急対談!

『恐解釈 花咲か爺さん』イカれた監督とイカした主演女優の緊急対談!

『恐解釈 花咲か爺さん』浦崎恭平監督と、主演の森みはる

 ここ掘れ、ワン! ワン! 死体がザック! ザク!

 聞き覚えのあるフレーズの中で、死体が踊りだしそうなこのキャッチコピー。11月3日公開の映画『恐解釈 花咲か爺さん』は、誰もが知る童話「花咲か爺さん」をイカれたアレンジで獰悪なスプラッターにアダプテーションした作品だ。

 監督・脚本は『温かい食卓』で『第5回学生残酷映画祭』グランプリを受賞した経験もある日本ホラー界の俊英・浦崎恭平。主演には、この作品が女優デビューとなる元「26時のマスカレイド」の森みはる。

 どう見ても好青年&清楚な娘さんの監督・主演コンビから語られた話には、イカれた映画のイカれたエピソードがザックザク……。

──監督は、ニジマス(26時のマスカレイド)のことは知っていたんですか?

浦崎 グループは知っていましたけど、個々のお名前までは知らなかったです。

──元とはいえ、アイドルさんにここまでやらせるというのは、どんな気分だったんでしょう。罪悪感というか。

浦崎 それはないですね、罪悪感はないです。森さんを選んだのは、直感で、目がいいなと思ったんです。ホラー映画って、やっぱり目が重要なので。この人は魅力的な目をしてるなと思って。それと、すごい肌がきれいなんですよね。この白い肌は、血糊でガンガン赤く汚していけるなと。躊躇(ちゅうちょ)とか罪悪感は一切ないですよ。やっぱり、汚してなんぼみたいなところがあるので。

──森さんは武道館から約1年ですが、血まみれになることって想像してました?

森 いや、まったく想像してなかったです。

浦崎 血を浴びたことはあったんですか?

森 ないです、ないです! 血なんて、もう……。

──今の質問をされたことも初めてですよね。

森 初めてですよ、もちろん。なんでそんな疑問が出てくるんだって、初めてで当たり前だと思ってました。

──監督が血を浴びせたかったお気持ちはよくわかりました。森さんは、実際に初めて血を浴びるときの心境は?

森 一発で撮らなきゃいけなかったんですよね。1回血を浴びちゃうと、もう1回浴び直すっていうのができないから。私は血を浴びたこともないですし、浴び方の正解もわからないので、本当に一発で大丈夫なのかなっていうのは、ギリギリまで不安でした。

浦崎 結局一発OKでしたね。

森 でも、本当は目を褒めていただいていたので、目を開けていたかったんです。だけど、どうしても開かなくて……。NGかもしれない、申し訳ないって、すごく思ったんですけど、なんとか大丈夫だったので。

──浴びてみて、どうでしたか?

森 初めて浴びて、血だらけの自分を見て、床も血だらけで……本物だったらあれですけど、なんだか楽しくなっちゃって。ノリノリで写真を撮ってもらったりだとか、けっこう緊迫した現場だったんですけど、端っこのほうでダンスとかしちゃって。

浦崎 ああ、やってました(笑)。

森 血まみれで踊ってるのって、ちょっとおもしろくない? みたいなノリだったんですけど、落とすのがけっこう大変で……。洗顔してもクレンジングしても、顔に赤みが残るんですね。髪の毛とかは、すっごいベタベタになるんです。お砂糖が入ってるんでしたっけ?

浦崎 入ってますね、オリゴ糖が入ってます。

森 髪の毛にもぎっしぎしにからまるんです。そんなの、普段はないじゃないですか。髪って大切にするじゃないですか。だから、マジか、おおぅ……ってなりました。追撮では、最初に浴びたシーンの後を撮ることになってメイクさんに塗ってもらったんですけど、メイクさんが監督に言われて、すごい血を足すんですよ。どんどん足すんです。もうあきらめました。

■えーっと、人肉桜とは?

──監督は今回、脚本も担当されていますが、花咲か爺さんを恐解釈するうえで、最初のアイディアはどんなものだったんでしょう?

浦崎 今回の企画を通していただくにあたって、2つ条件を出されたんです。1つは、怖いもの。1つは、見終わって恐解釈が腑に落ちること。僕自身、老人とか中年男性が活躍する映画が好きで、花咲か爺さんだったら老人VSモノにもできるし、ホラーアイコンというか、ホラーキャラとしてお爺さんを立たせることができる。これはいいなということで、花咲か爺さんを選びました。

──そこからは、すんなり?

浦崎 もう、すぐですね。人肉桜も。「枯れ木に花を咲かせましょう」っていうキラーワードがあるじゃないですか。これは絶対に映画の最後に持ってこないとなと思っていて、それを恐解釈として描いたときに、死体の残骸、肉片をつなぎ合わせて人肉桜をやろうと。

──森さんは、枯れ木に人肉桜を咲かせようと聞いたとき、どう思いました?

森 最初に台本を読んでいるときは、「ん?」って。何が起きるんだって思ったんですけど、初めて本読みでお会いしたときにイラストを見せていただいて、腕だったり脚だったり顔だったり、血だらけになっているのが組み合わさって何メートルくらいになりますっていうのを、すっごく生き生きと話してくださって、なんかちょっとヤバい人かもしれないなって思いました(笑)。

■「みんな、死ぬの、うま!」

──撮影で印象的だったのは?

森 殺される役だったり、刺されているみなさんの動きが素晴らしすぎて、「え、なんでできんの?」って思いました。

──死んだこともないのに。

森 「死ぬのうま!」みたいな。ちょっと感動しちゃう、リアルすぎない? 知らないけど、そうなるのかーとか、そういう驚きはありましたね。みなさんすごいなぁと思って。私は死ななかったから、ホントによかったですけど。私だったら「ウッ」の瞬間に「パタ」です。

浦崎 やっぱり死に方って重要だと思ってて。自分の中で、人間が一番美しい瞬間は死ぬ瞬間だと思ってるんです。死に直面したときに、必死に死に抗い、生に食らいつくその姿が美しいなあと。ホラー映画って、やっぱりちゃんと死に方を描いているので、それをやりたかったというのはありますね。

■ここ(妊婦)掘れワンワン……

──監督にお聞きします。今回の撮影中に、想定を超えたミラクルな瞬間はありましたか?

浦崎 クライマックスの、西川(風花)さんがおなかをスコップで掘られるシーンですね。ホントに時間がなくて、何時何分に出なきゃいけないっていうシビアな時間だったんですけど、それもあって現場も一致団結してくれて、西川さんも気持ちが完全に入って、もう叫びまくって。それが撮影の最後だったんですけど、ガンガンいってくださいって。そしたらもうこっちが引くくらい叫び続けてくれたので、おお、すげえなとなりましたね。現場の空気がそれをさせてくれたな、みんなで作り上げた空間だったなって思います。すごい、ヤバい演技でした。

──改めてですが、おなかをスコップで掘るってなんですか?

浦崎 なんですかってなんですか? 妊婦のおなかは掘るものですよ。

森 わかんないです……。

──怖いですよね。

森 怖い。でも、すっごい生き生きしてました、監督。

浦崎 あはははは、楽しかったでしょ?

森 た、楽しかったですけど、監督が感じている楽しいとは、たぶん感覚が違うと思います……。

■ニジマスのファンに見せていいの、これ?

──森さんは、どんな方にこの映画を見てほしいとかありますか?

森 もちろんファンの方にも、がんばったなって思ってほしいです。解散してからの1年、あんまりがんばってる姿を見せられてなかったので、アイドル辞めて何やってるんだろうって思っている方もいると思うし。告知した時点でファンの方も喜んでくれて、いっぱい反応をもらったんですけど、やっぱり“推し補正”が入っちゃう部分もあるので、私のことを知らない方、本当に映画が好きで、いっぱい映画を見ている方にも見てもらいたいし、感想とか聞いてみたいです。

──監督にお聞きします。この恐解釈はシリーズ化されるんですよね?

浦崎 まずはこれが第1弾ですけど、第2弾がすでにあります。1弾2弾が売れて、3弾を作りたいですよ。シリーズもので2本で終わったらさみしいじゃないですか。第3弾、もっとイカれたのができるんで、そこに関しては誰よりも面白くできる自信がありますから。森さんにも、機会があったらぜひお願いしたいですね。

森 あ、はい。血を浴びられるように、お肌をきれいにしておきます。

(取材・撮影=新越谷ノリヲ)

●森みはる(もり・みはる)

1996年10月14日生まれ。兵庫県出身。プラチナムプロダクション所属。モデル。アイドルグループである26時のマスカレイドの元メンバー。
SNS総フォロワー数約21万人!
『26時“ちょい前”のマスカレイド』(日本テレビ系)、ドラマ『君の名前を好きって書いた』(日テレプラス)出演。
その他バラエティを中心に活躍。

●浦崎恭平(うらさき・きょうへい)

1992年生まれ。京都府出身。
ビジュアルアーツ専門学校大阪卒業。
<フィルモグラフィー>
『温かい食卓』
第5回学生残酷映画祭グランプリ、
ドイツ・ハンブルク日本映画祭出品
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014正式上映作品

●『恐解釈 花咲か爺さん』

監督・脚本:浦崎恭平
出演:森みはる/西川風花/五十嵐諒/リアン/下東久美子/都丸亜華梨/飯塚大/川松尚良/海老原正美/森羅万象
プロデューサー:叶井俊太郎 星野和子 制作プロデューサー:後藤剛
共同脚本:川崎一真/音楽:有田尚史/撮影:柳田純一/照明:太田博/録音:百瀬賢一
特殊メイク:Nile/編集:浦崎恭平/VFX:癸生川稜/
衣装:大石真未/メイク:MAFUYU/助監督:遠山浩司/制作:小玉直人/スチール:富山龍太郎
2023年/日本映画/カラー/DCP/85分/R15/配給:オソレゾーン、エクストリーム
(c)恐解釈製作委員会
2023年11月3日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、
シネマート新宿、アップリンク吉祥寺他 全国ロードショー!

最終更新:2023/10/23 09:00
ページ上部へ戻る

配給映画