漂うコレじゃない感、設定変更…賛否を呼んでいる漫画原作の秋ドラマ3選
10月16日にスタートした秋ドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』(フジテレビ系)主演の橋本環奈が、同日放送の『ぽかぽか』(同)にゲスト出演。漫画原作の実写化について本音を明かした。
視聴者から寄せられた「一度ハマるとしばらく抜け出せないっぽい」という自身のイメージに対し橋本は、飽きっぽい性格ながらも唯一好きでハマっているのは「漫画」だと話した。ハマった作品に『キングダム』を挙げ、実写映画に出演できたことを喜んだ。これまでも多くの実写作品に出演してきた橋本だが、「出ていて申し訳ないんですけど、本当はそんなに映像化してほしくない」とぶっちゃけた。
橋本は17年公開の映画『銀魂』にヒロイン神楽役で出演しているが、「プレッシャーがすごかった」という。「変わったキャラクターだし語尾も違うし、しゃべり方とかわざとらしすぎたら嫌だな」と感じ、その上で「だからこそ愛情がないとダメだなと思っています。好きな原作しかやりたくないと思う」と語った。
橋本のこの発言はネットで話題になったが、橋本同様多くの漫画原作作品に出演する菅田将暉もその難しさを語っている。
9月1日放送のNHK Eテレ『スイッチインタビュー』に出演した菅田は、漫画の実写化について「実写するべきなのかって常に論争としてある」「見たいなって気持ちもあるし、やらなくてよかったんじゃないってこともある」と複雑な思いを吐露。実写化作品への出演は「寝れないし、気が気じゃないです」と、プレッシャーを感じるものだと明かした。
菅田の言う通り、漫画の実写化は賛否を呼ぶことが多い。しかし、原作ファンがいることから、映像化すれば一定のニーズが見込まれるという強みもあり、近年では実写化作品が次々と公開されている。
連続ドラマでも、各クール必ず実写化作品が放送されており、現在放送中またはこれからスタートする秋ドラマも目白押しだ。
例えば、向井理主演『パリピ孔明』(フジテレビ系)、高橋文哉と志尊淳のW主演『フェルマーの料理』(TBS系)、木南晴夏主演『セクシー田中さん』(日本テレビ系)、Sexy Zone・菊池風磨主演『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(前同)、ジャニーズWEST・重岡大毅主演『単身花日』(テレビ朝日系)、日向坂46・齊藤京子主演『泥濘の食卓』(前同)、西島秀俊と内野聖陽のW主演『きのう何食べた? Season2』(テレビ東京系)など、深夜帯を含めると20作品以上が漫画原作となっている。
ただ、中には早速賛否を呼んでいる作品もある。『パリピ孔明』は「ゆるさがいい」「B級感が妙にクセになる」と作り込みすぎていない世界観が評価されている一方で、上白石萌歌演じるヒロインの歌手・月見英子の歌唱シーンについて「うまいんだけど、コレじゃない感」「アニメ版と違いすぎて違和感」という指摘も出ている。
また、『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』は、原作では幸野市役所納税課に勤めるマイペースな新人職員・百目鬼華子(どうめき・はなこ)が主人公だったものの、ドラマ化にあたって百目鬼とペアを組むチャラ男の公務員・饗庭蒼一郎(あいば・そういちろう)が主人公に変更されたことから、原作ファンから不満の声が上がっている。
さらに『泥濘の食卓』については、現役アイドルである齊藤が「パート先の店長と不倫関係となり、別れを告げられた後も復縁を願って店長の妻や息子に接触する」という癖のある役を演じることに「推しにこんな役演じて欲しくない」といった拒否反応も。同作のキービジュアルは、ピンクの水面のようなものの中心に齊藤の顔が浮かぶという、原作の魅力でもある独特の不気味さを表現した構図だが、ネット上では「ギャグにしか見えない」といった声が上がるなど反応はイマイチだ。
漫画実写化の場合、制作側の都合もあって脚本やキャラクターの変更といった調整はどうしても避けられないもの。原作ファンとドラマファン双方を納得させる作品を作るのはハードルが高いのかもしれない。
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