NGリスト問題きっかけにジャニーズの態度急変…井ノ原快彦の「戦う」宣言が波紋
#ジャニーズ
ジャニーズ事務所の会見で「唯一評価を上げた」といわれていたジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦の「戦わなければいけない」という発言が物議を醸している。ジャニーズは会見で使用されたとされる「NG記者リスト」の流出をきっかけにマスコミとの対決姿勢を強めており、業界内では「元のジャニーズに戻ってしまった」といった声が徐々に上がり始めているようだ。
タレントとしても活動を継続している井ノ原は7日、ファンクラブ会員向けのブログで「今まであまりこういった感情を表現してきませんでしたが」と前置きした上で、「嫌なことは嫌」「違うことは違う」「はっきりさせたいことたくさんあります」「弱っている場合ではないのできちんと戦わなければいけないな」「そう思っています」と意味深に決意をつづった。
2日の会見を仕切ったコンサルタント会社が質疑応答で特定の記者を指名しないようにする「NGリスト」を作成していた問題が発覚し、ジャニーズ側の関与が疑われている。7日にジャニーズ事務所は、NGリストについて「弊社が作成を要望した事実はなく、弊社顧問弁護士らもこのような要望を行った事実はありません」との声明を発表しており、井ノ原の真意は説明されていないものの、ブログの文章はこの件を意識したものではないかと推察されている。
NGリストについてジャニーズは過敏になっており、10日には関係者ヒアリングの調査結果を発表。ジャニーズ側の説明によると、9月30日に会見の打ち合わせでコンサル会社側が「指名候補記者リスト」や「指名NG記者リスト」と記されたリストを配布し、参加者から「NGリスト」に書かれている記者の質問にも答えるべきとの指摘が続出。コンサル会社側は「NGというのはあくまで『要注意』であり、発言順序を留意する必要があるという意味だ」と説明したとし、ジャニーズ側は「NGリストに記載されている記者も指名するということでコンサル会社側も了解していた」という認識だったという。また、会見場に持ち込まれた顔写真付きのNGリストについてもコンサル会社が独断で作成・共有したもので、ジャニーズは「作成・共有などには一切関与していない」とした。
だがNGリストへのジャニーズの関与を疑う声は根強く、井ノ原の言葉はそれを否定するための「戦闘宣言」ともいえる。
もちろん、あらぬ疑いをかけられたのであれば潔白を主張するのは当然のことだが、井ノ原が「戦う」と表現したことに引っかかる人が続出。ネット上では「井ノ原くんは当事者じゃないにせよ、加害側の企業を代表する立場で『戦う』って……そこは『向き合う』とかじゃないのかな」「勝ち負けで考えてるようなら誠実さを疑われるよ」「何を言われても黙ってろとは言わないけど、言葉遣いで本音が見えちゃう」といった疑問の声が相次いでいる。
これに限らず、NGリスト問題が噴出した前後からジャニーズの態度が急変したと指摘されている。5日から9日にわたってジャニーズは4回も「声明」を発表しており、5日には、NGリストへの関与を否定する声明を出し、同日に木村拓哉について「社名変更に最後まで反対していた」「ドラマ制作に自らストップをかけた」とする週刊誌記事に対して、「タレントの名誉や信用を著しく毀損する事実無根の記事に対しては強く抗議する」と意見を表明した。
7日には、パニック障害による体調不良で会見を欠席した藤島ジュリー景子前社長がひそかに会場に来ていたとする記事について「本人は終日自宅にて安静にしており、外出等も一切しておりません」とした上で、「それにもかかわらず、会見運営スタッフという方の証言のみに基づいて、あたかも本人が虚偽の事実を伝えて出席可能な記者会見に出席しなかったかのような誤った印象を与え、その名誉を著しく毀損する本件記事は到底看過できません。本人のみならず弊社としましても、かかる虚偽が含まれた記事を訂正いただくべく、断固として抗議いたします」とかなり強い口調で抗議した。
さらに9日の声明文では、東山紀之新社長が性加害を助長したとの報道を否定しつつ、「弊社は現在、被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております」と、ウソの被害を訴えている人物がいる可能性があるというキワどい声明を発表。この声明が出される前、20年ほど前にNHKの音楽番組への出演を希望してダンスの練習に参加したという現在30代の男性が、NHK放送センター内のトイレでジャニー氏から性被害を受けたとする証言が大きく報じられており、タイミング的に関連が指摘されている。
いずれの声明も「マスコミへの牽制」の意味合いが強く感じられ、その是非は別にしても業界内から「昔のジャニーズに戻ってしまった」という声が出るのも理解できなくはない。
また、KAT-TUNの中丸雄一はレギュラー出演している日本テレビ系情報番組『シューイチ』で、事務所に忖度せずに性加害問題について厳しくコメントしていたことで大きく評価を上げていた。ところが、8日の放送では会見について「一部の記者さんが暴論とも取れるような質問をする方だったりとか、とても感情的になってしまう方がいらっしゃったのがちょっと気になった点ではありますけど、おおむねジャニーズ事務所的には言いたいことは伝えられたのかなと思う」と評価した上で、NGリストに関して「最後に紙一枚、発覚したことでちょっと印象が変わってしまった」「11月に会社を設立して補償に動くという発表があったのに、紙切れ一枚のせいでそちらの報道はほぼない」などと指摘した。
何より重視すべき被害者補償から焦点がずれてしまうという意味ではあったものの、かなり重大な問題と思えるNGリストを「紙切れ一枚」と表現したことに視聴者からは疑問の声が相次いだ。さらに「めちゃくちゃ本音、話していいですか」と前置きした上で、「記者さんがスタンバイして、カメラも置いてるはずじゃないですか。1枚の書類(NGリスト)を見られた場合、世の中がどうなってしまうのか誰しも分かると思うんですよ。その紙をわざわざファイルの一番上に置いて、わざわざ下手から上手に歩くっていうのは何か不自然。裏がないとしても、その行動はプロフェッショナルではない」と語り、ジャニーズを陥れようとしたのではという疑念をにおわせた。
そもそも性加害問題はジャニー氏が起こした事件であり、タレントや関係者に罪があるわけではない。だからこそ、メディアから集中砲火を浴びれば言い返したくなるのも人情的には理解できるが、「企業としての責任」を問われている現状を考えると、あまり感情的に反発するのは得策ではないように思える。ジャニーズの態度は“硬化”する一方となっているが、それが「出直し」に向けた歩みに悪影響を及ぼさないことを祈りたい。
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