『徹子の部屋』に阿佐ヶ谷姉妹登場! “剛腕”江理子さんの冴えた戦い方
#徹子の部屋 #阿佐ヶ谷姉妹
“芸人地獄門”こと『徹子の部屋』(テレビ朝日系)の10日放送分に、お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹が出演。堂々と徹子と渡り合ってみせた。
冒頭、「ルールル♪」を2人で歌い上げ、機先を制した阿佐ヶ谷姉妹。昨年末に新調し、テレビでは2度目のお披露目になるという新衣装について「森英恵さんのデザインのお仕事に携われている方で、今も国内外のブランドに関わりを持たれている方とお知り合いのお寿司屋さんにご紹介いただいて」作ってもらったといい、ピンマイクの送受信機を仕込むポケットの存在を明かすなど、小ネタもぬかりなく準備している。
その後、改めて2人が実の姉妹ではないことが紹介され、今度は「阿佐ヶ谷姉妹」の名付け親がうなぎ屋のご主人であることを説明。言うまでもなく、前出の寿司屋もこのうなぎ屋も阿佐ヶ谷にあるお店なのだろう。
さらに、徹子は「歌手かと思ってたら、お笑い芸人の方なんですねえ」と、2人が過去にも『徹子の部屋』に出演歴があるにもかかわらず驚いてみせると、矢継ぎ早に「お笑い芸人ということですから、最近のネタを見せていただけると」と、早くも最初のハードルが発動。過去に幾多の漫才師を葬ってきたネタコーナーが唐突に始まる。
阿佐ヶ谷姉妹は、その場に立ち上がってたっぷり3分の漫才「おばさん検定」を披露。徹子が喜びそうな歌唱パートの多く含まれるネタを選出し、見事に徹子から「あら、面白い~」と拍手喝采を受ける結果となった。
まだ阿佐ヶ谷姉妹を歌手だと思っているのか、その後も徹子は歌のリクエストを連発する。「恋のフーガ」を指定したかと思えば、「ハモった歌、何かお願いします」「トルコ行進曲、歌えるの?」と次々に要求。そのたびに阿佐ヶ谷姉妹はアカペラで歌い上げ、徹子も「いきなり歌うの、スゴイですよね」と感嘆した。いきなり歌わせたのは徹子のほうだ。
トークパートでも、「おかっぱでメガネの人がピンクのドレスを着ているのがいい」とキャラ戦略を打ち明けたほか、現在、2人が6畳一間の同居を解消し、同じアパートの隣の部屋に住んでいるという話題では、「最初は2部屋あるマンションを探したが、阿佐ヶ谷なのにマンション名に『荻窪』とついてしまう」「虚偽になる」というコンプライアンスへの配慮を見せたかと思えば、「別居して困ることは?」の質問に「同居時代は私服がかぶらないようにできたが、別居するようになると同じボーダーの上着で同じような顔が出てくることがある」との鉄板ネタ。
極めつけは、(渡辺)江里子さんの母親がテレビを見て前髪のチェックばかりしてくる、と切り出すと、徹子も「前髪ってこれ、私もそうなんですけど、とっても面倒なんですよね」と、思わず合いの手。徹子が芸人側のトークに巻き込まれるシーンは、あまり記憶にない。
さらに鮮やかなフィニッシュが待っていた。「相談があるって? 私に」と徹子が話題を振ると、江里子さんは「働く女性像と言いますか、憧れの存在である徹子さんに、人生の指針となるようなお言葉をいただけたら」と、徹子にプレッシャーをかける。
徹子は「そんなのないのよ、私はね」と戸惑うものの「でも……」と仕切り直すと、
「クヨクヨしない」
「嫌なことをスパッと忘れる」
「ごはんはちゃんと食べる」
「人を信じる」
「仕事が好きだったら一生懸命やる」
と、5つの金言を引き出して見せた。
「いいお言葉ね」「お姉さんクヨクヨしてばっかりじゃない」と受ける阿佐ヶ谷姉妹の横顔をバックに、エンディングテーマ。実に鮮やかな戦いだった。
平和の象徴のように見えて、実は阿佐ヶ谷姉妹・江里子の剛腕ぶりはライブシーンでは有名だ。まずスベらないし、どんなフリにも余裕の表情で対応してみせる。過去には(木村)美穂さんへのディレクションも、一挙手一投足にわたっていたという。自分たちがどう映るかを考え抜いた末での、あの佇まいなのだ。対策を立てる時間もあり、エピソードトークを無数に用意できる『徹子の部屋』は、江里子さんにとってたやすいリングだったかもしれない。
地獄に2輪の、ピンク色の花が咲いた。スタジオには江里子さんが張り巡らせた根が見えたような気がした。
(文=新越谷ノリヲ)
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