『ブラックファミリア』板谷由夏や渡邉理佐の演技注目も「悪役の政治一家」のセキュリティがザルすぎる?
#渡邉理佐 #ブラックファミリア
10月5日(木)に第1話が放送された『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』(読売テレビ・日本テレビ系)。同作は、娘が突如謎の死を遂げたことで不幸のどん底に突き落とされた家族が、死の真相を追うべくさまざまな姿になりすまして真相を追うミステリー作品。『ブラックスキャンダル』『ブラックリベンジ』に続く「ブラックシリーズ」の第三弾である。
主演は演技派女優の板谷由夏、脇を固める共演には山中崇、森崎ウィン、筒井真理子、平山祐介など実力派が並ぶ。元櫻坂46の渡邉理佐が出演する点も注目だ。緊張感のあるサスペンス作品に相応しいキャストと言えるだろう。
内容が内容だけに1話は終始重苦しい展開だったが、今後の「悪い予感」に満ちた不思議な期待感があった。
新堂家は一葉(板谷由夏)と夫の航輔(山中崇)、娘の沙奈(渡邉理佐)、梨里杏(星乃夢奈)、一葉の弟・優磨(森崎ウィン)の5人暮らし。ある夜、家族5人は梨里杏が(ホリプロスカウトキャラバン的な)オーディションで審査員特別賞を受賞したお祝いをすべくレストランに集まったが、いつまで待っても梨里杏は店に来なかった。すると、母・一葉に電話が。電話越しの梨里杏はまだ学校にいて「何者か」に追われているようだった。家族4人は急いで学校に行ったが、そこで梨里杏が飛び降りる光景を目撃。倒れた梨里杏の元に家族は向かったが、すでに血まみれで息はなかった。
その後、梨里杏は自殺と断定されるも、一葉含め家族は自殺とはどうしても思えなかった。芸能界デビューを目指し、その第一歩を踏み出した矢先に自殺などするわけがない――家族は情報を求めるサイトを作ったり、近隣にビラを撒くなどの行動に出る。しかし、週刊誌やネット上では梨里杏の「パパ活」「売春」が報じられ、関係を持った教師がネットの生配信に出演して暴露するなど、梨里杏の真偽不明情報が蔓延する事態に。
一葉は、第一報を流した週刊誌の会社に出向き、抗議をした。記事を書いた記者(少路勇介)は、喫茶店で「本当は別の記事を出す予定だったが、握り潰された」と告白する。本当は「梨里杏の自殺が疑わしい理由」を掲載する予定だったが、圧力がかかったと語られた。記事を握り潰し、ネットでデマやあらぬ疑惑を蔓延させたのは政財界に影響力を持つ早乙女家だったという。早乙女家の娘である葵(瀧七海)は梨里杏と同じ学校の同級生だった。
早乙女家は何某(なにがし)かの理由で梨里杏を自殺として処理する必要があったようだが、警察やマスコミも手を出すことはできない状況。そんな中、梨里杏の遺品から、早乙女家のパーティーの集合写真が見つかる。そこには梨里杏の姿もあった。そして、一葉と家族はある決断をする。そして1年後……。梨里杏が死亡する前段階から新堂家、特に航輔に何かしらの秘密がある伏線めいたものがあり、必ずしも「新堂家VS早乙女家」という単純な構図でもなさそうなこの作品。確かに物語に引き込む力はありそうである。
が、気になったのは、1話のラスト、娘が死亡してからわずか1年で一葉が早乙女家に家政婦として潜り込んでいる点だ。政財界に強い影響力があってマスコミも警察も動かせる早乙女家が、たった1年しか経っていない状況で騒動があった娘の母親に食い込まれている……あまりにも間抜けではないか。真相をもみ消すなら家族構成くらいは調べているはずだ。早乙女家のザルさ加減がややギャグのようでもあった。物語を進ませるには多少の強引さは必要なのだろうが、せめて「3~5年後」くらいにしても良かったのでは……。
ただ「絵に書いたような家族」が復讐の鬼になり「絵に描いたような金満家族」に立ち向かうというのは、ドラマとしては非常に視聴しやすい。放送時間が深夜0時なので、寝る前に頭を使い過ぎず視聴するにはいいドラマかもしれない。
1話はやや不快な描写も多かったが、次回からは華麗なる復讐劇が始まる様子。今夜放送の第2話では是非ともそのキレ味に期待したいところだ。
■番組情報
木曜ドラマ『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』
読売テレビ・日本テレビ系毎週木曜11時59分~
出演:板谷由夏、山中崇、森崎ウィン、渡邉理佐、星乃夢奈、筒井真理子、塩野瑛久、平山祐介、瀧七海、小野武彦、少路勇介、長妻怜央(7ORDER)、しゅはまはるみ、カトウシンスケ、釈由美子 ほか
脚本:佐藤友治、城定秀夫、富安美尋
監督:城定秀夫、坂本栄隆、本田隆一
音楽:Yuria Miyazono、石毛駿平
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:福田浩之、馬場三輝(ケイファクトリー)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:読売テレビ
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/blackfamilia/
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