チャンカワイだけじゃない! 活動休止でも「解散」しないお笑いコンビたち
#サンドウィッチマン #Wエンジン
7日にTBS系で放送された特番『サンドウィッチマンの今日、けじめまSHOW』。「今日が人生最後の日なら、誰に何を伝える?」をテーマに3人のゲストが登場した。村重杏奈が父親に、チャンカワイが相方に、加藤綾菜は夫・加藤茶に、それぞれ「結言(ゆいごん)」を伝えるという企画だったが、1組の漫才師の再生の兆しを見ることができた。
チャンカワイとえとう窓口からなる「Wエンジン」。2000年にデビューし、08年にカワイの「惚れてまうやろー!」というセリフで大ブレークしたコンビだ。当時は帯番組の曜日レギュラーを務め、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)、『キングオブコント』(TBS系)といった賞レースでも、それぞれ2度ずつ準決勝に進出するなど、人気・実力ともにピークを迎えつつあった。
だがその後、カワイがピンで出演した『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)をきっかけに、そのロケでの立ち回りが評判になりコンビ仕事が減少。現在、カワイは年間220日のロケ稼働があるといい、一方のえとうは地元の大分に移住して九州での仕事を中心に活動している。
番組では、カワイがえとうに対し、「Wエンジンのお笑いは好きだったか?」「(2年後の25周年に向けて)今後、コンビとして活動していく気持ちはあるのか?」を「結言」として問い、えとうも涙ながらに「25周年という未来があるなら、2人でもう少し続けられたら」と応じた。
途中、同席したクールポコ。の小野まじめが「えとうさんがしくじると、チャンカワが(えとうが)追い込まれるくらい責めるんですよ」と明かしたり、せんちゃんが「(えとうが)委縮して言いたいことも言えないことがある」と補足するなど、2人の不仲の原因がえとうの勝手な移住だけではなかった部分が垣間見えたり、端々でカワイの表情や言葉尻が普段のロケとは正反対のおっかなさだったりしたが、最後には2人で新しい宣材写真を撮り直すというハッピーエンドを迎えた。
実際、Wエンジン以外にも、解散こそしていないもののコンビ活動は休止状態にあるコンビは少なくない。
ぐっさんこと山口智充のDonDokoDonも活動休止状態だ。コンビは94年のデビュー直後から頭角を表し、99年には『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)で初代チャンピオンに。01年の第1回『M-1』でも決勝進出し、9位となっている。だが、05年ころからコンビでの活動が縮小し始め、07年以降はコンビ活動は見られなくなっている。
山口はお笑いやモノマネだけでなく俳優、CMを多数こなし、地方やローカルでは看板番組も複数抱えるマルチタレントに。一方の平畠啓史は99年に始まった『くさデカ』(テレビ静岡)をきっかけに静岡県内での知名度を獲得。サッカー知識を生かして多くの著書を出版するなど、互いに順調な活動を続けている。
そのほか『キングオブコント』第1回王者のバッファロー五郎も、まったくコンビ活動が見られなくなって久しいし、インパルスのように解散せずともやむを得ないケースで活動を休止しているコンビもある。
そのまま解散に至るケースもあれば、解散はせずとも離れ離れの状態のまま現状維持を続けるコンビもあるだろう。いずれにしろ、大人同士がこうなってしまったのには、それなりの事情があるに違いない。
だからこそ、と思い出す瞬間がある。だからこそ、あの瞬間に誰もが驚き、涙するしかなかったのだ。
19年末の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)。10年という休止期間を一瞬で帳消しにしてしまったアンタッチャブルの、あの漫才に。
(文=新越谷ノリヲ)
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