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『水曜日のダウンタウン』『全力!脱力タイムズ』趣向を凝らした「総集編」を考える

水曜日のダウンタウン意外な初登場SP | TVer

 10月、テレビ各局が改変期を迎えると、多くのバラエティ番組で総集編が放送されることになる。「総集編」「未公開VTR蔵出し」といったキーワードで視聴者の興味を引く番組が多い中、総集編であっても、ひと手間をかけて楽しませてくれる番組もある。

 今週は『水曜日のダウンタウン』(TBS系)、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)という2つの人気バラエティが総集編を放送したが、それぞれ工夫を凝らした企画が用意されていた。

 4日の『水曜日』では「水曜日のダウンタウン 意外な初登場SP」として総集編を放送。出演者はスタジオゲストなし、ダウンタウンの2人とプレゼンターの小籔千豊のみで、さまざまな芸人たちの「初登場シーン」をまとめたVTRが紹介される企画だった。

 冒頭、ダウンタウンがテレビに初出演した際の貴重なエピソードトークから始まり、「カネコ」と名乗っていた時期のメイプル超合金・カズレーザーや、『ゴッドタン』(テレビ東京系)で衝撃的なテレビデビューを果たしたばかりの三四郎・小宮浩信が登場。「下積み時代の芸人 行き着く先は謎のバイト説」というテーマで、いかにも売れる前の若手らしいエピソードを披露していた。

 また、「ミックスルール対決“人脈×サッカー”」というカラテカ・入江慎也メインの企画には、ほぼエキストラ扱いで空気階段の鈴木もぐら・水川かたまりやお見送り芸人しんいち、EXITのりんたろー。らが登場。時代の流れを感じさせるVTRだった。

 そのほか、『M-1グランプリ』(フジテレビ系)優勝直後の霜降り明星がドッキリにかけられたにもかかわらず、ネタバラシで『水曜日』だと知らされ、思わず喜んでしまう初々しいシーンや、テレビ初ドッキリでキレ慣れていないきしたかの・高野正成、何回登場しても決して顔を映してもらえないEXIT・兼近大樹など、10年近く放送されてきた長寿番組ならではの顔触れとなった。

『水曜日』は、過去にもダウンタウンのモノマネで知られるダウソタウソをメインに据え、まねだ聖子やウドの鈴木らを迎えて、新聞のラテ欄にも『水曜日のダウソタウソ』と打ったり、同局の『ランク王国』や『王様のブランチ』とコラボした企画を行ったりと、趣向を凝らした総集編を放送している。

 一方の『全力!脱力タイムズ』では、前週のゲストだったコロコロチキチキペッパーズ・ナダルの名場面のみに絞った総集編を放送。「ナダルが番組を訴えようとしている」として相方・西野創人が弁護士を連れ立って番組打ち合わせに乗り込んでくるという設定で、まずはナダルがひどい目に遭っているシーンを振り返った。

 その後、今度は番組側の「顧問弁護士」を名乗る男性が登場し、ナダルがダレノガレ明美やX-GUNらに暴言を吐いているシーンを紹介。結果、全編ナダルのダイジェストという大胆な構成の総集編となっていた。

『脱力タイムズ』の総集編は、スタジオ収録ではなくMC・有田哲平の楽屋など舞台裏から始まるのが通例となっている。単なる過去映像の紹介ではなく、毎回コント仕立てになっているのも、特徴のひとつだ。

 改変期に多くの総集編が放送されるのには、スケジュールや予算の調整などさまざま理由があるが、いずれにしろ局側の都合によるもの。『水曜日』や『脱力タイムズ』のように、総集編にもサービス精神を持って臨むことが、長く番組を続ける秘訣なのかもしれない。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/10/07 12:00
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