ジャニーズ会見のNGリストは”極めてまれ”! 御用記者&メディアが仕切る芸能会見の舞台裏
#ジャニーズ
創業者で元社長の故ジャニー喜多川氏の性加害問題を巡り今月2日に行われたジャニーズ事務所の2度目の会見において、会見の運営を任されていた外資系PR会社が質疑応答で指名する複数の記者やフリージャーナリストの「NGリスト」を用意していたことを同月4日にNHKが報じ、話題となっている。
報道によると、リストには複数の記者やジャーナリストの名前、顔写真が掲載されており、会見当日には外資系PR会社のスタッフが会場に持参。実際に会見の質疑応答の際、挙手し続けながらも指名されなかった記者らの名前もあったという。
この報道を受けてジャニーズ事務所はコメントを発表。
「PR会社が作成したと言われる顔写真が入った書類を、私たちは誰も見ておりません。会見前々日の会議で、本件について打ち合わせが行われた際、媒体リストを持ってこられて、そこにNGと書いてあったので井ノ原(快彦)が、『これどういう意味ですか?絶対当てないとダメですよ』と言いました。するとPR会社が『では前半ではなく後半で当てるようにします』と答えました。そのやりとりをその場にいた役員全員が聞いております。今回流出した資料は、弊社の関係者は誰も関与しておりません。見てもおりません」
さらに、「この外資系PR会社にこのことを謝罪してほしいとお願いしましたが、外資なので本国の許可が必要で調整に時間がかかると言われました。本当に弊社は誰か特定の人を当てないで欲しいなどと言う失礼なお願いはしておりません。関係役員全員に、もう一度確認し、誰もそのようなお願いなどしていないことを再確認いたしました。どうかご理解くださいますようよろしくお願いいたします」としている。
その後、会見を委託されたFTIコンサルティングはNGリストの作成を認め、「限られた会場使用時間の中で会見の円滑な運営準備のために弊社が作成し、運営スタッフ間で共有したもの」「実際の会見の進行においては、資料に関わらず、幅広い媒体の記者の皆さまにご質問頂くこととし、貴重なご意見を頂戴した」とのコメントを発表、ジャニーズはリストの関与は否定した。
ジャニーズサイドがこうした対応を示した後も、関係各所では「どんな理由があれ、会見そのものが茶番と罵られてもしかたない」といった厳しい声が散見される。
先の記者会見でジャニーズ事務所の将来的な解体やエージェント会社の設立などを発表し、新たな船出を切ったものの、本筋とは異なるところで新たな波紋を広げてしまった。芸能イベントを手掛ける別のPR会社の幹部はこう語る。
「どういう経緯でNGリストの存在が明るみに出たのかハッキリとしたところはわかりませんが、一連の報道を見る限り、会見場にいた外資系PR会社のスタッフがNGリストらしきものを手にしている映像まで撮られていて、正直あきれました。クライアントにとって非常に重要な会見を任されているわりには資料などの管理がずさん過ぎますし、そもそも芸能会見には慣れていない印象です。騒動以来、ジャニーズ事務所はスタッフがどんどん辞めているようですし、長年ジャニーズの広報のトップとして君臨した元副社長の白波瀬傑氏がいたら、あんな初歩的なミスも犯さなかったでしょうけどね」
その上で、芸能会見におけるNGリストの存在についてはこう明かす。
「これまでの会見で、事前に『会場内記者のNGリスト』のようなものを用意したという話は聞いたことがないですね。そもそも、通常の芸能会見ではネガティブな質問をするような報道陣は会見自体に呼ばれない。いわゆる“出禁”というものです。他方、謝罪会見など比較的オープンな会見では特定の記者に“質問させない”というよりは、主催者サイドと懇意にしているメディアの記者やテレビ番組のディレクターなどに『指名するから質問を考えておいてね』と事前に示し合わせるケースはよくあります。また、一部の報道陣から厳しい質問が出た際は、主催者サイドがそれとなく現場を仕切るPR会社のスタッフに目配せなどして合図を送り制止させるといったことはありますけど……。『NGリスト』なんて物を作って、万が一流出でもしたら目も当てられませんからね。極めてまれなケースだと思いますが、それが今回実際に起こっているわけですから、ジャニーズ事務所の迷走ぶりもここに極まれりといったところですよね」(前出のPR会社幹部)
事務所サイドが指示したのか、記者会見を取り仕切った外資系PR会社が独断で用意したのか、今のところ真相は定かではないが、NGリストの存在が同事務所の新たな船出に大きな禍根を残したことは間違いなさそうだ。
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