「TKP秋葉原カンファレンスセンター」がオープン、大規模な社内イベントの需要回復も追い風に
#秋葉原
貸し会議室事業などを展開するティーケーピーは、9月25日に「TKP秋葉原カンファレンスセンター」をオープン。その開業を記念したオープニングイベントが9 月26 日に開催された。
「TKP秋葉原カンファレンスセンター」は秋葉原駅電気街口徒歩4分の「東芝万世橋ビル」2~9階にオープンした多目的施設。総契約面積975.95坪で、全23室の多様なバリエーションのホール・会議室を設け、会議や研修、セミナー、懇親会など様々な用途に応じて利用できる。
ティーケーピー代表取締役社長の河野貴輝氏は、会見で本施設の概要や今後の出店戦略について語った。
ビル一棟、まるごと貸し会議室!
2005年から有休資産の有効活用として貸し会議室事業を展開してきたティーケーピー。取り壊しの決まったビルや低稼働の物件の再生、使われなくなった企業の保養所・温泉旅館の再生など、有休資産の活用を軸に事業を拡大。日本で拡大するフレキシブルオフィス市場で国内最大級のネットワークを持つグループとして、創業より成長を続けている。
「TKPは18年前、六本木のミッドタウン建設のため、取り壊しの決まっていたビルのスペースを時間貸しの貸し会議室として運用したことから事業が始まっています。リーマンショックや東日本大震災、コロナ禍などを乗り越えながら成長を続けてきた会社です。とくにコロナ禍では大打撃を受け、3年間での最終赤字の累計116億円というなかで、資金調達を行い、子会社の売却、事業形態の転換などを実施。今ようやく再スタートを切り、今年から出店強化をしているところです」(河野氏)
このほどオープンした「TKP 秋葉原カンファレンスセンター」は「東芝万世橋ビル」1 棟借りの施設。大小さまざまなホール・会議室を設けており、会議や研修、セミナー、懇親会など用途に応じて利用できる。
「ビル1棟を丸ごとTKPの会議室というのは約12年ぶり。オーナー様から再開発までの利活用についてお話を頂き、1棟をきれいにリノベーションして使うことになりました。10年、20年と今の状態で使えるわけではありませんが、このまま廃墟ビルにするのではなく、皆さんに使っていただける空間として還元できたらと思います」
本施設が入る東芝万世橋ビルは数年後の取り壊しが決まっており、TKP の「もったいないを再生する」という想いを象徴する拠点のひとつとして、今回の取り組みを考えているようだ。
「この3年間、新たな出店・増床はしてこなかったんですが、今年はすでに1万坪を出店が決まっています。新築ビルでの出店が最近は多かったんですが、とくにこの『秋葉原カンファレンスセンター』は築年数の古いビルを綺麗にして使うというTKPらしいビル。再利用・不稼働資産の利活用という原点に戻り、このビルを会議室として運用したいと思います」
ビジネスとサブカルチャーが集積する秋葉原エリアに期待
新御茶ノ水駅や淡路町駅、御茶ノ水駅、神田駅からも徒歩圏内で、東京駅、新宿駅、日本橋駅といった都内の主要駅へのダイレクトアクセスが可能という、交通至便な立地の「TKP秋葉原カンファレンスセンター」。
ティーケーピーはすでに3施設500坪ほどを秋葉原エリアで展開してきたそうだが、今回4施設目として本施設が加わったことで、その契約面積を一気に3倍の約1500坪へと拡大させた。
JR山手線や京浜東北線など全5路線が乗り入れ、関東有数のハブステーションである秋葉原駅周辺は、ビジネスエリアとしても人気を博しており、貸し会議室の需要は今後さらに高まると見込む。
「品川でも新たな施設を先週(9月20日)にオープンしました。品川駅や東京駅でドミナント戦略を展開しているところですが、総武線が通る秋葉原はその乗り換えステーションでもあります。電気街・サブカルチャーの街として今日まで有名な街であると同時に、2000年代より東京都が推進してきた再開発事業『秋葉原クロスフィールド』などもあり、ITを中心としたオフィス街としても認知されています」
新型コロナウイルス感染症拡大を機に、リモートワークの普及など働き方の多様化が進み、オフィススペースの縮小化が進む一方、5類感染症への移行によって、対面でのイベントや会議の需要は回復基調が強まっている。とくに大人数が集まる会議や研修を目的に外部スペースを利用するニーズは、コロナ禍前に増して増加トレンドにあるという。
オフィステナントにおける不動産市況について、河野氏は質疑応答で次のように語っていた。
「仕入れ的な環境で言いますと、東京ではオフィス空室率が高水準を継続しており、オフィステナントが流動的な状態は、我々にとっては仕入れのチャンスと考えています。新築ビルができ、オフィスの引っ越しがなされると、それまで使われていたビルに空きスペースが虫食い的に生まれてしまうので、そこをオーナー様の事情に合わせて適切に利活用していきたい。また、新型コロナの5類移行により、とくに戻りが遅かった懇親会や大規模な社内イベントの需要が年末に向けて戻ってきています。とくに広い会場のニーズが今後高まってくると考えています」
本施設の予約状況について問われた際は、「すでに内覧などの予約はいただいておりますし、10月初めは内定式シーズンですので、内定式での需要予約は来週から入っています。東京駅や品川駅から乗り換えなしということで、その周辺という意味では秋葉原にもセミナー・会議・研修での高いニーズがあると考えています」と、回答していた。
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2020年以降、本連載では約3年以上、都内を中心に再開発地域のマンション価格や人口、乗降客数の推移を見てきました。 2022年の暮れにはいよいよ日銀の方針修正だけでなく、...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
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