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“バキバキ童貞”ぐんぴぃ、ahamoのCMになる! 芸人としての実力は……?

【公式】バキ童ch×ahamo 「シンプルにいこうぜ篇」 – YouTube

 2019年にAbemaTVの報道番組で放映された街頭インタビューに「異性間性交渉未経験・29歳男性」として登場し、その際に発した「バキバキ童貞です」という言葉がネットミーム化したことで一躍有名人となった“バキ童”こと、お笑いコンビ・春とヒコーキのぐんぴぃ。その後、開設した個人のYouTube「バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】」は登録者100万人を超え、今や若者たちにとって、もっとも有名な芸人のひとりとして数えられるようになった。

 そんなぐんぴぃに、驚きの仕事が舞い込んでいる。NTTドコモの廉価版料金プランである「ahamo」ブランドのキャンペーン広告に採用され、特設サイトやプロモーション動画が公開されているのだ。しかも、「春とヒコーキのぐんぴぃ」としてではなく、堂々と「バキ童ch×ahamoキャンペーン」と銘打たれ、正真正銘「バキバキ童貞」としてこの大仕事をゲットしたのだ。

 3日に公開されたCM動画の第1弾「シンプルにいこうぜ篇」では、直接「童貞」という文言こそ出てこないものの、ぐんぴぃが夜の街をバックに踊るシーンで、自身の声で「バキバキバキバキ、バキバキDTです!」というセリフも聞こえてくる。年間売上高3兆円を超えるNTTドコモのプロモーションで「バキバキDTです!」なのだ。企業イメージとは何なのか、改めて考えさせられる事態となっている。

 というのも、ぐんぴぃは先月26日、「バキ童チャンネル」の100万人突破を記念してYouTubeライブを行い、登録者数が増えていく様子を眺めながら「ああ~(100万人に)イクイクイク、イクイク、イクぞ、ああ~出る出るイク、イキそう、イキそう、イクッ……!」などと、目を閉じてもだえる姿を生配信したばかり。まさかこのとき、NTTドコモのプロモーションを収録済みだとは想像だにしていなかった。

 さらにプロモーション動画公開と同日に、同じ「バキ童チャンネル」にahamoの担当者が登場し、今回の採用に至った理由を説明。「ahamoとしても、これからの時代を背負っていくようなお二方と組ませていただきたいと」「我々のブランドイメージにも、すごく沿うんじゃないか」などと語ったが、あまりよく耳に入ってこなかった。何より、その場に居合わせたぐんぴぃと、「春とヒコーキ」の相方である土岡哲朗の2人が誰より戸惑っていた。

 今回の珍事で、以前にも増して“バキバキ童貞”ばかりが注目を集めそうな「春とヒコーキ」だが、本業であるお笑いでも、業界内では徐々に評価を上げつつあるところではあった。

 青山学院大学の落語研究会で出会った2人は17年にコンビを結成し、その後、爆笑問題やウエストランドで知られるタイタンに所属。『キングオブコント』(TBS系)では昨年、今年と準々決勝まで進んでいる。古典落語がベースにある土岡の書くネタの世界観とワードセンスは評価が高く、ぐんぴぃのキャラクターと相まって、近い将来、賞レースの決勝に食い込んできても不思議ではない位置まで来ている期待のホープである。

 何よりタイタンは所属している限り、隔月で開催される「タイタンライブ」で新ネタを下ろさなければならないというしきたりがあり、どれだけネット上の人気者になっても、ネタ作りを疎かにできない環境なのだ。

 さらに、ぐんぴぃは『ゴッドタン』(テレビ東京系)などで知られるテレビプロデューサー・佐久間宣行氏のYouTube「佐久間宣行のNOBROCK TV」に何度となく出演しており、バラエティとのパイプも着実に築きつつある。

 抜群の知名度と、お笑いの実力。その両翼に風を受けて、「春とヒコーキ」が空高く飛び上がる日も近いかもしれない。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/10/04 19:00
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