補償、社名変更でそれどころじゃない大手出版社が気を揉むジャニーズカレンダーの行方
#ジャニーズ事務所
大手出版社の事業計画は軒並み下方修正?
9月26日発売の「サンデー毎日」(毎日新聞出版)編集長後記において、「ジャニーズ性加害問題」について、当面の表紙起用を見合わせる方針であると伝えた。
テレビや新聞からは、遅まきながらこれまでのジャニーズとの関係性についての反省の弁が聞かれるが、一向にそのスタンスを表明しようとしないのが講談社、小学館、集英社をはじめとする大手出版社だ。
その理由として、一部で指摘されていているのが「カレンダー利権」である。出版関係者が解説する。
「例年3月に発売されるジャニーズカレンダーは、前年の売り上げやジャニーズとの友好度でどこの出版社がどのグループかをジャニーズが決めます。カレンダーと言っても定価は平均2000円以上で、グループの人気にもよるが数万~30万部売れるドル箱商品。そのため毎年、人気グループを割り当ててもらうべく、“癒着合戦”が繰り広げられている。週刊誌系のWEBサイトでジャニーズ批判記事が展開されていても、会社としての『今後は起用しない』という声明を出せないのはこうした事情も大きい。ただ、ここ最近は、『どうせSnow Manしか売れない』という各出版社の担当の声もあり、実際旨味がなくなったのも事実です」
すでに出版社の選定は終わっており、担当者がジャニーズ側と打ち合わせ、10月に発表される時期であるが、今年はその動きがまったく見られないという。
「ある大手出版社の担当者が、ジャニーズにお伺いを立てたそうです。しかし、電話に出た事務所スタッフは『こんな時にかけてくるな』と言って、けんもほろろな対応だったとか。確かに、カレンダーで1億円の利益が望める出版社にとっては経営に直結する案件ですが、年間売上が800億円と言われるジャニーズにとっては豆粒のような話。被害者への補償や社名変更など事務所の存亡の危機に、カレンダーの話が二の次になる。そもそも、社名が変更に伴い改名が予想されるジャニーズWESTやジャニーズJr.は、今作っても作り直しになりますからね」(前出・出版関係者)
昨年は講談社、小学館、集英社、光文社、主婦と生活社、新潮社、マガジンハウス、ワン・パブリッシング、ワニブックスがそれぞれ割り当てられている。
「今年に限っては、新規に手を挙げる出版社があれば、採用される可能性もありそう。逆に、既得権益を守りたい出版社のメディアは、このあとジャニーズ批判が一斉にトーンダウンしていくと予想します。いずれにせよ、もしカレンダーが発売されるのであれば、その出版社は性加害問題についての何らかの見解を示すのが筋でしょうね」(前出・出版関係者)
ジャニーズとの癒着から最後まで逃れられない出版業界の構造こそがメディアとジャニーズの関係の“縮図”と言えそうだ。
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