モグライダーが続々レギュラー獲得中! 芝大輔が“できる”のはわかっていたが……
#モグライダー
お笑いコンビ・モグライダーが絶好調だ。
10月から、かまいたち、ニューヨーク、見取り図とともに『ジョンソン』(TBS系)にメインキャストとして出演するほか、朝の帯番組『ラヴィット!』(同)でも隔週レギュラーの席を獲得。今年1月に始まった『月ともぐら』(テレビ東京系)では、2人そろってMCとして楽しそうにセクシー女優と戯れ、芝大輔はピンでも今月スタートの『金曜日のメタバース』(テレビ朝日系)のMCを任されることになった。
2021年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)では結果として8位に沈んだが、トップバッター史上最高得点である637点をマーク。翌22年にはブレイクタレントランキング(ニホンモニター調べ)で同年『M-1』覇者の錦鯉を抑えて1位を獲得するなど、『M-1』当日を境に人生が一変している状況だ。
それまで目立った実績がほぼ皆無だったため、当初は新人扱いされることも少なくなかったモグライダーだが、芸歴は意外に長い。
芝は04年デビューで、今年が20年目。かまいたち、和牛、ハリセンボンらと同期にあたる。ともしげは芝の1年後輩となり、オリエンタルラジオやトレンディエンジェル、三四郎の世代となる。
芝はブレーク前から業界内の評価が高く、いわば「チケット待ち」の状態だった。『M-1』ファイナリストの称号を手にして知名度を上げたことで、テレビ局側にも「使う理由」がそろった形だ。そして芝も、その期待に十分すぎる回答を示している。
驚くべきは、ともしげの変化だ。
『M-1』本番での、ともしげの姿を思い出す。得点が出ると、両手を上げて跳びはねるともしげ。審査員の上沼恵美子が「ボケの彼、4分なのにファンになった」と言うと、満面の笑みを浮かべて「わーい!」。立川志らくが「ともしげの歌が下手すぎた」と指摘すれば、自ら頭を叩いて「あちゃー」。とにかく、ひたすらに可愛げを振りまいていた。
この様子を見て、『M-1』以前から彼を知っている人間は、みなこう思ったはずだ。
「ともしげ、こんなやつじゃないような……」
「えらく可愛い子ぶってるような……」
事実、ともしげの盟友である三四郎・小宮浩信はラジオで「(ともしげの本性が)バレないか心配だ」と繰り返し、同じくウエストランド・井口浩之は、ともしげに「地に足をつけろ」と言い続けたという。
ブレーク前のともしげといえば、他人に不幸があれば指をさして爆笑し(特に芸人の解散が大好物)、強すぎる性欲によって露骨な下ネタ発言が止まらなくなり、やりたくないことがあれば舞台上でも関係なく不機嫌になり、それを強制されれば人目をはばからず泣き出すという、トガリともまた違う、純粋なスケベと性格の悪さと自己中を隠そうとしない人間だったのだ。
そういった、ともしげの“本性”が、ブレーク後にはほとんど見られなくなっている。ただ『M-1』の日そのままの、可愛いともしげがずっとテレビに映っている。
多忙なスケジュールによって余計なことを考える暇がなくなったのか、『M-1』の半年後には結婚し、今年春に子どもが生まれたことも関係しているだろう。そして何よりテレビでのともしげの振る舞いには、芝による強烈なディレクションが入っていることは想像に難くない。
どうあれ、『M-1』より10kg近く太ったともしげは身も心も丸くなり、今日も愛嬌を振りまいている。あげく、クールの権化だった芝までニコニコとよく笑うようになった。極端なルックスの対比も、芝の手堅い技術も、ともしげのタレント性も、すべてが良い方向に回り始めた今のモグライダーは、無敵に見える。
だが、時おり感じてしまうのだ。あのころの強烈に性格の悪いともしげも、それはそれでハチャメチャに面白かったな、と。
(文=新越谷ノリヲ)
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