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ファミコン誕生40年、日西ゲーム業界の交流を深めた「スペインゲーム祭」開催

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 9月21日~24日の4日間にわたって開催された「東京ゲームショウ2023」に、スペインから15の企業と団体が「Games from Spain」として出展。その前夜祭として、スペイン貿易投資庁とスペイン大使館経済商務部の主催で、日西ゲーム業界交流イベント「スペインゲーム祭」が神田明神ホールにて催された。

選りすぐりのゲームを携え、スペインのクリエイターたちが来日

 今年はスペインから15の企業・団体がリアル出展した「東京ゲームショウ2023」。「スペインゲーム祭」はその前夜祭として、スペインのゲーム業界、出展各社のゲームを日本のゲームファンに届けるためのパーティーだ。

 当日はステージ上でのスペイン企業によるピッチのほか、スペインのゲーム業界の紹介などを通じ、日西ゲーム業界の交流を深める目的で、スペイン貿易投資庁とスペイン大使館経済商務部が主催している。

 スペイン貿易投資庁のディアナ・ブエノ・オチョア氏は開会にあたって、「今日は日本のゲーム業界の方々とスペインのゲーム業界の方たちが交流をできる場を用意しました。スペインから選りすぐりのゲームと関係者がたくさん来日しています。スペインの料理やワインなども用意していますし、試遊コーナーもありますので、ぜひいろんなゲームに触れていただきながら、ぜひ交流を楽しんでください」と挨拶。

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 株式会社KADOKAWAデジタルエンターテイメント担当シニアアドバイザーで、一般社団法人日本eスポーツ連合やデジタルメディア協会で理事を務める浜村弘一氏が乾杯の音頭をとった。

 「今年はファミコンが生まれて40年という記念すべき年です。振り返ると、初期の頃は任天堂やセガを有する日本とアメリカが中心となってゲーム産業をかたちづくっていきました。時代が流れてゲーム産業の中でスマホゲームやオンラインゲームが重要な役割を示すようになると、韓国や中国のゲームが果たす役割も大きくなっています」

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 「いまは多様性の時代とよく言われますが、今後は大きなソフトハウスがつくるタイトルだけではなく、独創的でセンスのあるスタジオが注目を集める時代に差し掛かっていると思っています。かっこ良くて、オリジナリティ溢れるスペイン発のゲーム作品が市場の中で大きな注目を集める予感しています。素敵なスペインのゲームとの出会いに乾杯したいと思います」(浜村氏)

 各出展団体による簡単なプレゼンテーションの後、会場に設けられたブースでは各社のゲームの試遊や商談ができるスペースも用意。参加者たちはスペイン料理やスペイン産ワインなども楽しみつつ、日西ゲーム業界の親睦を深めた。

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ゲームにおける日本とスペインの親和性

 「スペインのゲーム事情」をテーマにパブリッシャーShinyudenの代表ガルシア・ルイス氏とハナペン合同会社代表の加藤克明氏によるトークセッションも行われた。

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 日本のRPGの専門翻訳家、ゲームジャーナリストとして記事の執筆もしてきたガルシア・ルイス氏は、スペインのハード販売数からNintendo Switchが圧倒的な人気誇っている現状などを紹介。

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 スペインにおける2022年の年間ヒットタイトルでは半分以上が日本のゲームが占め、スペイン国内のゲーム市場の規模は10年前に比べて約2倍になっていると語った。

 「サッカー以外は日本の市場に近い感じがします。今年7月の売れ筋もあまり傾向は変わっていないですね。サッカー王国だということもよくわかります。これは数字で市場規模を追ったものですが、直近の数字では3177億円。スペインは人口が4700万人くらいですが、成長のペースが早くて、まだまだ伸びていきそうですね」(加藤氏)

 右肩上がりの成長を続け、勢いを感じさせるスペインのゲーム市場。ジャンルごとの人気ではアクションに次いでRPGが高く、スポーツとRPGの人気の高さに特徴があるようだ。

 「RPGって日本ではすごい人気ジャンルなので、日本とスペインの親和性があるのかなと思います」(加藤氏)

 スペインに拠点を置く開発スタジオの分布を示した地図では、首都マドリードや第二都市のバルセロナ、カタルーニャやアンダルシアにも多くのスタジオが拠点を構えているとのことで、トークセッション後半ではスペイン国内におけるヒットタイトルの数々も紹介された。

 中締めの挨拶には、『ストリートファイターⅡ』、『キングダムハーツ』シリーズ、『スーパーマリオRPG』『パラサイト・イヴ』『聖剣伝説』など、多数の名作ゲームで音楽を手がけた作曲家・下村洋子氏が登壇。

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 「まず今日はこのような素敵なパーティーに呼んでいただき、お礼申し上げます。初めてスペインに行ったのはもう30年以上前に観光旅行で行ったんですが、そのときに子どもたちが街角で『ストリートファイターⅡ』をプレイする姿を見て、この仕事をして良かったなと強く思いました」と語り、自身のスペインとのゆかりやスペインゲームへの期待などを述べた。

 「イベントなどで2019年、今年2月にもスペインにご招待いただくようなこともありました。私はスペインという国が大好きですし、これからもスペインとのご縁があるといいなと思っています。みんなをワクワクさせるような、スペイン発の新しい素敵なゲームをたくさんつくっていただきたいと思います」

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伊藤綾(ライター)

1988年生まれ道東出身。いろんな識者にお話うかがったり、イベントお邪魔したりするのが好き。サイゾーやSPA!、マイナビニュース、キャリコネニュース等で執筆中。友人や知らない人と毎月1日に映画を観る会(@tsuitachiii)を開催

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いとうあや

最終更新:2023/10/03 07:00
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