東京03がコント127本を無料公開! 各メンバーごとの「オススメコント」を紹介する
#東京03
お笑いトリオ・東京03が20日、トリオ結成20周年を記念して公式YouTube「東京03 Official YouTube Channel」にコント127本を無料公開している。
公開されたのは、いずれも単独ライブを披露されたネタ。同チャンネルの再生リストで公演ごとにまとめられ、東京03の歴史を振り返りながら楽しむことができる。
東京03といえば、2009年に『キングオブコント』(TBS系)で優勝を果たすも、いろいろあって(本当にいろいろ)テレビに軸足を置かず、舞台を中心に活動してきたトリオ。「ライブだけで食っていく」ことを目標に毎年全国ツアーを行い、動員を増やしてきた。
その後、夢だった「ライブだけで食っていく」生活を達成し、近年では俳優業やCM仕事も頻繁に入るようになり、若手お笑い芸人の中では「理想的なキャリア」と、目標に挙げられることも少なくない。
そんな東京03のキャリア、足跡をたどることができる今回の127本公開という大盤振る舞い。そんな珠玉のコントの中で、今回はそれぞれのメンバーの魅力が特に発揮されている作品を、今回公開された中からメンバーごとに3本ずつ紹介したい。
直接リンクは貼らないので、チャンネル内検索で探してみてほしい。もちろん、独断と偏見ですし、ほかも全部面白いです。ホントに全部面白い。
■角田晃広
「スマイルハウジング」
部屋を探している飯塚が不動産屋を訪れ、対応した店員・豊本明長に代わって部下の角田が接客するという設定のコント。シンプルにして、角田の魅力が存分に詰まっている。ちなみに『キングオブコント』獲得より2年前の作品。すでにスタイルは完成していたことが分かる。
「余裕」
コンビニの商品開発担当である角田と豊本が、パティシエ・飯塚のもとを訪れてオリジナルスイーツへの開発協力を打診するが、あってはならないミスを犯し……。角田の「気に入ったシーンをどんどん引き延ばす」という趣向が存分に発揮された作品。うるせえんだよ(笑)。
「終業後」
終業後のオフィス、不倫関係の飯塚と豊本(女性役)が残っているところに、外回りの営業から帰ってきた角田が現れる。上記の「余裕」が「動の角田」なら、こちらは「静の角田」とでも呼ぶべき作品。東京03のコントの中でも特に角田のセリフが少なく、その少なさが存在感を際立たせている。
■飯塚悟志
「市民の味方」
駅前で、倒れた自転車がからまり合ってしまい、なかなか外れなくて困っている角田と豊本。そこに通りかかった警官・飯塚は、2人から助けを求められるが、2人の要求が徐々にエスカレートしていく。常識人であるがゆえに追い込まれていく飯塚が、なんというか、かわいくてたまらない。
「小芝居」
休日に居酒屋で飲んでいる会社の同僚・角田と飯塚。角田は2人の共通の女性上司である豊本と結婚することになったという。やがて豊本も同席することになるが、角田いわく豊本は、2人が結婚することを飯塚は知らないと思っているのだという。飯塚は角田に「知らないという小芝居を打て」と求められ……。飯塚の芝居力が炸裂した名作。
「蓄積」
飯塚の自宅でたこ焼きパーティを開くことになった友人同士の3人。かいがいしく準備する飯塚だが、訪ねてきた2人の態度や行動に我慢できなくなっていく。飯塚は後に、このコントを「普段の3人の関係性そのままです」と明かしている。本当に飯塚さんはよくやってると思う。20周年おめでとうございます。
■豊本明長
「この時間」
多くのコントで小ボケ、フリ役を担当する豊本だが、女性役の「トヨミ」となると、がぜんその不気味さが露わになる。夕暮れの屋上にひとりたたずむOLトヨミ。そこに部下の角田が現れる。夕日にたそがれるトヨミの横顔に、角田の思いがあふれてしまう。まったくテレビ向きでない、舞台だからこその作品となっている。
「そういう人」
ワインが出るようなちょっといい店で2人で飲んでいる飯塚と角田。飯塚が角田に「おまえを気に入っている女性」を紹介するのだという。その女性は、おしとやかなお嬢様だというが、店に現れたトヨミは……。ヅラをかぶらず地毛のままのトヨミを演じる豊本だが、まさしくそういう女性にしか見えない作品。
「トヨモトのアレ」
最後にトヨミ以外の豊本ネタも1本。実際に週刊誌にスキャンダルをすっぱ抜かれた豊本に対するイジリネタ。浮気がバレてLINEの流出もされて落ち込む豊本をイジリ倒す角田と飯塚が、実に楽しそうに演じている。対応によっては致命的にもなりかねないエグさのスキャンダルだったが、コントに昇華するのが東京03流といったところか。
* * *
リーダー・飯塚悟志をして「角ちゃんの面白さを伝えるトリオ」として始まったと語る東京03。だが、全国ツアーを重ね、作品を作り続けることで3人ともが中心を取れるネタのバリエーションを手に入れた。
今後も30周年、40周年に向けて、東京03はコント芸人たちのロールモデルであり続けるに違いない。
(文=新越谷ノリヲ)
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