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あの天才芸人が「お笑いを楽しいと思ってしたことがない」とプロの流儀を吐露

あの天才芸人が「お笑いを楽しいと思ってしたことがない」とプロの流儀を吐露の画像1
Getty Images

 お笑い芸人と聞いて皆さんはどんなイメージを抱くでしょうか。「楽しそう」「売れたらお金持ちになる」「面白い事を簡単に言えてすごい」など夢のある職業としてのイメージがあるのではないでしょうか。そんな中、天才と言われている芸人が「お笑いを楽しいと思ってしたことがない」と言っていました。

 その芸人は以前「りあるキッズ」(1996~2014)という漫才コンビでネタ作り兼ボケ担当をしていた安田善紀という方だ。デビューは小学生の時、第2のダウンタウンを探せという企画で別々のコンビで参加していたものの番組側からのオファーで、ダブル関西安田善紀(11歳)とアップダウン長田融季(11歳)がコンビを結成する。

 ダウンタウンの前で実際に漫才をする事になり、安田善紀のボケは松本人志さんに興味を持たれ華々しくデビューを飾りました。子供相手なので優しくリアクションしたんだろうと思う方もいるとは思うが、現場では安田善紀の緊張しやすい短所を指摘されたり、「4分箱」というボケのフレーズへの反応があったりと子供相手にただ見ているだけではない、天才が天才を見ているという構図に痺れました。

 漫才の内容も単調でなく次から次へと発想が輝いており、完全にプロの漫才師としてのネタがそこにはありました。当時ダウンタウンは特に人に優しく接するような絡みが芸風としてもあまりお見受けする印象がなかったにも関わらず、このコンビは「面白い」と言いました。

 りあるキッズの漫才の説得力がそこにはありました。平場の絡みでは長田融季がダウンタウンのおニ人に突っ込む事もあり、当時からいい意味で無神経な長田融季の天才ぶりも光っていました。番組で組んだという事はダウンタウンに会うまでの間で新ネタを作らなければならないわけで、急遽思ってもいない形で漫才コンビを組み松本人志さんに刺さるだけの漫才を作り上げたのはまさに天才誕生の瞬間だったのではないでしょうか。

 後に長田融季の借金が元で、2014年8月で解散となります。現在は別々の活動となるが、安田はトークライブやユニットを組み漫才をしています。長田は配信アプリRadiotalkで生ラジオ配信をします。ある日長田が生ラジオ配信で月80万円近くの売り上げをあげたのだがそれを安田に勧めたところ、安田も生ラジオ配信を始めます。

 安田のアクの強さとトークスキルはそこで発揮され、数々のファンが応援し始めます。Radiotalkは音声だけのアプリなのでリモートゲストが手を抜いて喋っていると見逃さず鋭く指摘します。一つ一つの取り組みに妥協がない。時折コラボで長田が生配信にリモートで参加し、りあるキッズの会話が聞けるタイミングが魅力でもあります。長田は喋るスピードと瞬発力が素晴らしく無駄な台詞もあまりないので、気づいたら長田ペースの話になってしまいます。

 9月19日にRadiotalkの安田の生配信にて私をゲストに呼んでいただいた。その時に言っていたプロの流儀が自分の考えていたものと全く違う価値観でした。デビューからいままで「お笑いを楽しいと思った事がない」と安田は言う。「ラーメン屋でも楽しく作っているかなんてどうでもいい、出てきたラーメンが美味ければいい」と面白ければいいと言う仕事の流儀があった。物事は「おもろいか、つまらないか」と言う明確な結果のみを追求している。現在はトークライブと月10回くらいの配信アプリが主な活動だか「売れたいですか」の質問には「売れたいに決まってるやろ」とまだ熱量は健在でした。ちなみに楽しい事は酒とタバコだといいます。

サンミュージック所属のお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」 のツッコミ。コンビのネタ作りを担当するほか、お笑いに対するプロ目線の考察に定評があり、「M-1」などの大会はみずから大会を観覧して分析。自身のYouTubeやライブなどで披露する。中でも「女性芸人」研究家として、東京スポーツで連載を持っている。 YouTubeチャンネル【馬鹿よ貴方は、新道竜巳のごみラジオ】

Twitter:@kPXfF3Xm1jvbLMS

【サンミュージック公式】馬鹿よ貴方はプロフィール

ばかよあなたはしんどうたつみ

最終更新:2023/09/28 07:00
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