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櫻井翔『大病院占拠』が来年1月に続編放送か…“ネタドラマ”として人気も「タイミングは最悪」

日本テレビ『大病院占拠』公式サイト

 嵐の櫻井翔が主演したドラマ『大病院占拠』(日本テレビ系)の続編が来年1月期に放送される方向で調整されていると複数のメディアで報じられている。ジャニーズ事務所が深刻な状況となっている中で、視聴者から“ネタドラマ”として支持された同作の続編を制作するとなれば大きな賭けとなりそうだ。

 今年1月期に放送された『大病院占拠』は、鬼の仮面をかぶった謎の武装集団に占拠された病院を舞台に、櫻井扮する休職中の刑事・武蔵三郎が人質救出のために奮闘するストーリー。当初は「和製ダイ・ハード」「『24 -TWENTY FOUR-』の日本版」といった触れ込みだったが、櫻井のアクションシーンがあまりにもっさりしていることから「こんな鈍くさい刑事が武装集団と戦えるのか」とツッコミが殺到し、厳しい評価のスタートとなった。

 だが、その評価が意外な方向へ急転した。第2話で、窓から落ちた妻で心臓外科医の裕子(比嘉愛未)に手を差し伸べて間一髪で救うシーンがあったのだが、どう見てもタイミング的に武蔵の手が間に合っておらず、SNS上で「ルフィみたいに腕が伸びたのでは?」とネタにされてバズるという現象が発生。なお、裕子はストレッチャーにつながれたまま落とされたはずだったが、救助時にストレッチャーは何の説明もなく消えていた。

 さらに「武蔵が3階から落ちてもほぼ無傷で戦線に即復帰」「自爆型ドローンが至近距離で爆発してもかすり傷」「最大のシークレットだった鬼軍団リーダーの正体が、特徴的な口元から菊池風磨だとファンに一瞬で見抜かれる」といった珍現象が続出し、B級映画並みにCGもチープだったことで「SNSでツッコミながら視聴する」という楽しみ方が生まれた。

 結果、平均世帯視聴率は平均して7%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と低調だったが、テレビ局やスポンサーが重視するコア視聴率(商品購買意欲の高い13歳から49歳までの視聴率)は異例となる4%超えを記録。同時期に放送されたドラマのコア視聴率は2~3%程度で、4%超えは社会現象になった昨年の大ヒットドラマ『silent』(フジテレビ系)に匹敵する。SNS人気を背景に今作は「隠れたヒットドラマ」となったことで、以前から続編の噂が業界内で流れていた。

 ジャニーズファン以外からも「ツッコミ視聴」目的で支持された作品であるため、本来なら続編は歓迎されるところ。テレビ局にとっても、高いコア視聴率が見込めるのだから是が非でも続編を作りたいはずだ。

 しかし、今はタイミングがあまりに悪い。ジャニーズ性加害問題の拡大によってスポンサー企業の「ジャニーズ離れ」が加速し、その影響で木村拓哉が主演する『教場』シリーズ最新作の制作が延期になったと複数のメディアで伝えられている。ジャニーズタレントを起用していた企業の「CM撤退ドミノ」も止まらない状況だ。ここで日テレが「櫻井翔の主演ドラマを来年1月から……」と発表するのは、かなり危険な賭けとなる。

 櫻井といえば、同じ日テレ系の報道番組『news zero』の月曜キャスターを長らく務めているが、ジャニーズ性加害問題へのコメントが遅れたことに加え、コメント内容が「他人事に聞こえる」などとして批判が続出。キャスターとしての資質を問う声まで上がっていたが、日テレは先日の秋の改編説明会で「基本的には編成方針の変更の予定はありません」と櫻井の続投を示唆した。だが批判は根強く、今後のジャニーズの対応次第では「来春の改編での降板もあり得る」と業界内でささやかれている。

 ジャニーズ事務所は10月2日に新社名や被害補償の具体的方策などを発表するとされており、近年まれに見る人気“ネタドラマ”の続編を放送できるかどうかは、発表内容に対する世間やスポンサー企業の評価次第ともいえる。作品に罪はないだけに、続編制作を正式決定させ、視聴者からいい意味での「ウソだろ」という言葉が飛び出る未来を期待したい。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/09/27 15:00
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