『ぽかぽか』打ち切り水準でも終われないワケ…ハライチ、神田愛花らが「社長案件」に振り回される?
#フジテレビ #ぽかぽか
フジテレビ系お昼の情報バラエティ番組『ぽかぽか』が、複数のメディアで「低視聴率で打ち切り確実」などと騒がれながらも秋の改編を乗り切った。だが番組は相変わらず低空飛行で「なぜ打ち切りを回避できたのか」と首をかしげる業界人が多いが、その裏側には「社長案件だから終われない」という背景があるようだ。
『ぽかぽか』は、昨年末で終了した情報番組『ポップUP!』の後継として今年1月からスタート。人気・実力ともに申し分ないハライチと神田愛花をメイン司会に据え、「フジテレビ開局65周年記念イヤーの第1弾」として鳴り物入りで始まったが、平均世帯視聴率はほどなく1%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という悲惨な数字を出すほどにまで落ち込んだ。最近は個人視聴率が重視されているが、それも7月ごろに「ほぼ連日1%割れ。コア視聴率(13~49歳の個人視聴率)は0.5%を切ることも」と報じられている。
TBS系の朝の情報バラエティ『ラヴィット!』のように、視聴率はそれほど高くなくともSNSで盛り上がるというパターンはあるが、『ぽかぽか』はSNSのトレンドワードを賑わせるようなことはなくネットでも反応が薄い。
だが大半は番宣絡みであるもののゲストは豪華で、これまで北川景子、マツコ・デラックス、つんく♂、チャン・グンソクらが出演し、神田うの・神田伸一郎(ハマカーン)姉弟、石田純一・いしだ壱成親子といった珍しい組み合わせもあり、8月25日には『笑っていいとも!』以来約11年ぶりの昼の生番組出演となった明石家さんまを投入した。これだけやって視聴率が上向かないというのだから、打ち切り報道が続出したのも無理はない。
ところが、フジ側は9月に改編説明会で編成部長の中嶋優一氏が「(ぽかぽかの視聴率は)想定よりも順調に推移している。このまま内容もブレずに、国民の皆さまに愛される番組を目指してほしい」と語るなど、なぜか自信満々。同氏は「一部で終了するみたいな報道があったが、そのようなことは弊社の中で議論も行われていない」とも話し、打ち切りが検討されたことすらないと断言した。これを受けて、今月5日の放送回ではハライチと神田がくす玉を割って「打ち切り回避」を祝うという自虐ネタが展開された。
業界人でなくとも「なぜ打ち切り対象にならないのか?」と不思議に思える状況だが、これには「ぽかぽかは社長案件」という背景が関係しているようだ。25日付の「デイリー新潮」(新潮社)では、同番組は「社長肝煎り」であるために誰も大ナタを振るえず、あまりの低視聴率続きに地方局から「スポンサーがつかない」との苦情が出始めていると伝えられている。
フジテレビは、とんねるずをスターに押し上げたことで知られる港浩一氏が昨年6月から社長に就任。今年1月に『ぽかぽか』がスタートした当初は、港社長自ら激励のためにお土産を持ってスタジオを連日訪問していた。港社長が番組に力を入れているのは明らかで、「社長案件」であることは間違いないだろう。
フジテレビのバラエティ黄金期に現場で活躍した港社長は、当時のような「楽しくなければテレビじゃない」路線への回帰を掲げているという。実際、フジの秋の改編のテーマは「やっぱり、楽しくなければフジテレビじゃない」となっており、かつてのようにバラエティとドラマを軸にしていく方向に舵を切るようだ。その回帰路線の象徴のひとつが、社長肝煎りで「令和の笑っていいとも!」を目指した『ぽかぽか』なのだという。
しかし、いくら社長案件であっても現状の数字のままならいつか限界がくるだろう。司会は人気も知名度も抜群の3人で、ゲストも豪華なのに低空飛行となれば、もう手の打ちようがないようにも思える。
港社長が始めた「楽しくなければ…」という回帰路線そのものが、「夢よもう一度」ともいえる時代錯誤感がなきにしもあらずで、「社長案件」に周囲が振り回されているのではとの指摘もある。打ち切り水準であっても「社長案件」なので終わることができず、出演者やスタッフたちが「負け戦」を続けさせられることになるのか、それともまさかの逆転劇があるのか、今後も注目したい。
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