麒麟・川島明、フット・後藤輝基……MC芸人の“じゃない方”時代を振り返る
#ハライチ #後藤輝基 #川島明 #鬼越トマホーク
25日、お笑いコンビ・鬼越トマホークがYouTube公式チャンネル「鬼越トマホーク喧嘩チャンネル」を更新。「じゃない方芸人と言われてるけど実は能力が高い芸人ランキング」として、世の“じゃない方”芸人を実名を挙げて各3名ずつ紹介した。
2人が誰の名前を挙げたかは本編を確認していただくとして、この動画でもトーク力に定評のある鬼越トマホークの「ホメ芸」が炸裂。47分間にわたって深い洞察による分析と芸人に対するリスペクトを感じさせた。
“じゃない方芸人”とは、もともと2009年に『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で放送された「○○じゃない方芸人」企画でお茶の間にも広まった概念。コンビの目立たない方、露出の少ない方を指した言葉だ。
だが、過去にさまざまな番組の企画で“じゃない方”とされながら、その後、相方との立場が同等以上になり、テレビのメーンMCを務めるようになった芸人もいる。今回は、そんな芸人たちの“じゃない方”時代を振り返りたい。
■ハライチ・岩井勇気
今年1月から昼の帯番組『ぽかぽか』で相方・澤部佑とともにMCを張る岩井勇気。もともと『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で5度決勝に残ったコンビのネタをすべて書いている実力派だが、テレビバラエティでは当初、澤部のピン出演が多く、長い間“じゃない方”とされてきた。
12年に『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、13年に『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)と、東西の超王道バラエティに澤部1人がキャスティングされ、以降10年近くにわたって「ハライチ=澤部」というイメージが定着していた。
だが、17年の『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「腐り芸人」キャラがきっかけで徐々に露出を増やし、最近では「腐り芸人だったはずが、意外に明るくて社交的」「コミュニケーション能力が高く、アニメや声優などの知識も豊富」「実は澤部のほうが根暗でヤバい奴」という事実が業界内に知れ渡り、コンビ稼働が飛躍的に増えている。
■麒麟・川島明
今や朝の人気番組として定着しつつある『ラヴィット!』(TBS系)で、21年の番組開始当初からメーンMCを務めている麒麟・川島明にも“じゃない方”時代があった。
01年の『M-1』決勝に知名度ゼロで進出し、一気に露出を増やした麒麟だったが、ブレークには至らず。劇場を中心に活動していた07年に相方・田村裕が『ホームレス中学生』(ワニブックス)を出版すると、これが200万部を超える大ヒット。田村は一躍、時の人となる。
これにより田村のピン稼働が増え、コンビでテレビ出演しても川島にピンマイクがつかない(発言権を与えられない)といった厳しい時期が数年にわたって続き、コンビ仲も険悪になっていった。
だが、16年6月の『IPPONグランプリ』第15回(フジテレビ系)に、本番組からのオファーではなく公開予選番組を勝ち抜いて出場したころからその実力が再評価され始め、半年後の11月、第16回大会でバカリズムを破って優勝。これで業界内の評価が固まり、一気に現在の位置まで昇りつめた。
■フットボールアワー・後藤輝基
今や「特番のMCって、気が付いたら全部後藤じゃない?」と思われるほどMCをこなし、押しも押されぬMC芸人のトップに君臨するフットボールアワー・後藤輝基も、当初は“じゃない方”と呼ばれていた。
『M-1』で第1回から3年連続出場し、第3回では優勝を果たしたフットボールアワー。だが、ネタの内容も相まって相方・岩尾望の顔面にばかり注目が集まり、後藤は長くその陰に隠れた存在だった。
そんな後藤も、11年に『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で島田紳助の後釜に座ったことをきっかけに大ブレーク。現在では、テレビ出演はピンが圧倒的に多く、岩尾との立場は完全に逆転している。
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ほかにも、南海キャンディーズ・山里亮太や博多華丸・大吉の博多大吉など、かつては“じゃない方”だったMC芸人は少なくない。一方で、バイきんぐ・西村瑞樹やドランクドラゴン・鈴木拓のように、“じゃない方”のまま自身のポジションを獲得し、芸能界を生き抜いている芸人もいる。
今回、鬼越トマホークが紹介した6人の中にも、いずれMC席に座る芸人が現れることはまちがいないだろう。
(文=新越谷ノリヲ)
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