『キングオブコント2023』決勝進出者完全予想! コント日本一は誰の手に!?
#キングオブコント
今月20日・21日の2日間にかけて、東京・めぐろパーシモンホールで行われた『キングオブコント2023』の準決勝。今秋、TBSで生放送される決勝への切符を手にしようと、コント師たちが集まった。
今年、準決勝に進出したのは35組。そのうち、優勝候補の一角とされていたロングコートダディが体調不良により欠場となったが、残り34組が熱い火花を散らした。
大会史上最多エントリーの3,036組から、決勝に残るのはわずか10組。ここでは、後日FANYオンラインで配信されたその模様をもとに、予想を試みてみることにしよう。
なお、音声の都合で配信からカットになっていたり、ネタ中の音声が途切れてネタの全貌が分からなかった組については予想から除外し、2本のネタが完全に配信された組だけを対象とする。除外するのはラブレターズ、クロコップ、ザ・ギース、サスペンダーズ、ザ・マミィ、隣人。彼らの中から決勝進出者が出たら、本番で今年未見のネタが見られるということなので、それはそれで楽しみにしたい。
当然だが、予想はあくまで筆者の主観のみに基づいている。また、2日間の配信直後に執筆しているので、もう一度見直したらぜんぜん違う予想になる可能性もある。どうか穏やかな心で、ご笑覧いただければ幸いだ。
それでは、まず。
●決勝進出は確実! 優勝候補でしょう。
・や団(SMA)
昨年、無名の状態から決勝3位に飛び込んだベテラントリオ。長い下積みの間に熟成された関係性と、年を重ねるごとに増してきたように見えるパワー感で、準決勝も盤石の出来。昨年、視聴者を震え上がらせたロングサイズ伊藤のエキセントリックな演技と、本間キッドの的確かつ表情と声量豊かなツッコミは健在。そして何より、や団は中嶋享の使い方で化けたと思う。今のや団は強い。
・ニッポンの社長(吉本興業)
2020年から23年まで、3年連続で決勝に進んでいるニッポンの社長。昨年こそ「暗転の使い過ぎ」で最下位に沈んだが、今年もニッ社らしいネタを2本そろえてきた。辻にしか考えられない完全に飛んでしまっている台本と、ケツにしか演じられない完全に飛んでしまっている顔面で、両日とも客席を大爆発させていた。特に2日目のネタはテレビのほうがより映える設定でもあり、どちらのネタが先でも上位3組には残りそうだ。
●これは10組には残るでしょう。残してほしいのよ!
・ジグザグジギー(マセキ芸能社)
13年、16年と2度の決勝経験があるジグザグジギー。翌17年から4年連続準々決勝どまりという雌伏のときを過ごしたが、昨年に続いて準決勝に上がってきた。コンビ結成16年目で、いよいよ円熟味を増したコントを2本披露し、爆笑をさらっている。特に2日目のネタはぜひ、審査員の松本人志を前にブチかましてほしいと願うほかない。いわゆる「ジジイになってニンが合ってきた」コンビだと感じる。
・かが屋(マセキ芸能社)
19年、22年に決勝に進出しているかが屋。その19年には『ゴッドタン』(テレビ東京系)で「舞台袖の芸人視聴率No.1」として紹介されて話題になり、現在ではバラエティでも売れっ子の仲間入りを果たしているが、ネタに対する貪欲な姿勢はまったく変わっていない。特に近年、加賀翔の演技にハリが生まれたことで賀屋壮也の気色悪さが際立つようになり、全ネタ始まる前からワクワクできる稀有なコント師となった。
・連合稽古(即席ユニット)
相撲芸人の即席ユニットである連合稽古も、準決勝まで上がってきた。あかつ、キンボシ、めっちゃ、ゆんぼだんぷ・カシューナッツの5人が繰り広げた摩訶不思議で多幸感あふれる2本のネタは、出色のウケを見せた。テレビ的にも一角に置いておきたい存在だが、ハマれば優勝までありうるユニットと見た。19年『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の、おいでやすこがと似た匂いがプンプンしている。
・ファイヤーサンダー(ワタナベエンターテイメント)
18年、『第39回ABCお笑いグランプリ』(朝日放送)で優勝を果たし、突如頭角を現したファイヤーサンダー。このとき披露された「KPKDBF」ネタは、いまだにお笑いファンの間で語り草になっているほどだが、『キングオブコント』では、意外にもまだ決勝の舞台を踏んでいない。今年の2本も凝った設定と芝居のテンションが両立した、いいネタがそろった。Aマッソがラジオで「準決の前日も袖でケンカしてた」と語っていたが、﨑山祐が、さや香・新山と組んでた時代って、どんなだったんだろうね。
●ここから当落線上!? 全員上げたい!
・男性ブランコ(吉本興業)
21年に準優勝を果たすも、昨年は準々決勝敗退と苦杯をなめた男性ブランコも2本を仕上げてきた。1日目は男ブラファンの間でもイチネタに推す声が多い「花」。あのネタが全国の生放送にかかることを想像するだけでワクワクしてしまう。昨年の『M-1』を経てテレビスターの仲間入りを果たした2人だが、本懐であるコントでもう一度世間を認めさせたいという思いは誰よりも強いだろう。
・蛙亭(吉本興業)
21年の決勝にトップバッターで登場し、大会の勢いを確かなものにした蛙亭。かつてはライブ当日にイワクラが中野周平にネタの設定を渡し、ほとんど中野のアドリブだけで進行していた時期もあったというが、近年では中野の気味の悪さはそのままに型ができてきたように見える。今回も2本とも強いネタをそろえており、これもハマれば優勝が見えると言って過言ではないだろう。
・ゼンモンキー(ワタナベエンターテインメント)
デビュー年から3年連続で準々決勝に進出し、4年目の今年、早くも準決勝にコマを進めてきた超新星トリオ。今年の準決勝は2本とも、ヤザキとむらまつが対立構造を作って緊張感を煽り、緩和顔の荻野将太朗を放り込むというパターンにハメて会場のウケをかっさらった。ルックスのコントラストに加えて演技・発声も安定しており、4年目の不安感を一切感じさせないのは末恐ろしい限り。
・カゲヤマ(吉本興業)
NSC東京14期の中にあって、早い時期から同期に「あいつらがいちばん面白い」との評価を受けてきたカゲヤマも、ようやく表舞台に顔を出すようになってきた。昨年は『M-1』『キングオブコント』でともに準決勝まで進み、今年もこの舞台までやってきた。今年は2本のネタのコントラストが素晴らしく、もし決勝の舞台で2本ともかけることができれば一気に業界内の評価を覆すかもしれない。コンプラ的に1日目のネタがアリなら、という条件付きで、当落線上に置いておきたい。
・やさしいズ(吉本興業)
18年に決勝進出経験のあるやさしいズも、2度目のファイナルが見えてきた。前回の決勝時には最下位に沈み、インパクトを残すことができなかったが、今回披露した2本のネタを含め、当時よりタイの振る舞いに気持ちが乗るようになってきているように見える。タイは東京吉本内での後輩の支持も厚く、もし優勝するようなことがあれば、よしもと∞ホールが歓喜に沸くことになりそうだ。
・ダウ90000(YOU GO sign)
すでに下北沢界隈ではカリスマ視されている8人組ユニット・ダウ90000。業界内でも、いとうせいこうや佐久間宣行など“イイ線”からの支持を集め、主宰・蓮見翔は今年「世界を変える30歳未満」を選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」にも選ばれた。だが、蓮見本人はあくまでお笑い志向。このユニットでコントの大会に出場することの違和感を自覚しながらも、今回は持ち味のシチュエーションコメディをぶつけてきた。特に2日目のネタは、万が一にもスベることはなさそうなので、バリエーションとしても有利かもしれない。
・滝音(吉本興業)
『M-1』『キングオブコント』準決勝常連で、『キングオブコント』では20年に決勝進出している滝音。以前は、良くも悪くもさすけのパワーワード頼りだったが、昨年は関西の賞レースで連続して好結果を残し、今大会に乗り込んできた。特に2日目のネタはトップ3に入るウケを獲得しており、決勝進出も十分にあり得る出来だった。秋定遼太郎の同期にはコロコロチキチキペッパーズ、霜降り明星、ビスケットブラザーズなどチャンピオン経験者がゴロゴロしており、本人の気合も察するにあまりあるところだ。
* * *
次点で、片方のネタに強みを見せたななまがりとレインボー、安定感のあるネタを2本そろえたコットン、それに、音声カットで本記事にはエントリーしなかったが、どう考えてもウケていたに違いないラブレターズを挙げておきたい。
決勝進出者の発表は27日20時ころ、『キングオブコント』公式YouTubeで発表される。
(文=新越谷ノリヲ)
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