決め台詞の差?『VIVANT』が『半沢直樹』にWスコア負けの理由と堺雅人の呪縛
#半沢直樹 #VIVANT
堺雅人主演のTBS日曜劇場『VIVANT』が9月17日に最終話を迎え、番組最高の平均世帯視聴率19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録、有終の美を飾った。
今作は『半沢直樹』(同)で堺とタッグを組んだ福澤克雄監督が原作・演出を担当。国内外で諜報任務を行う自衛隊の特殊部隊「別班」に所属する主人公・乃木憂助(堺)の活躍を描いた。
「主演の堺をはじめ、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也、役所広司ら豪華キャストが集結したことで放送前から注目を浴びていましたが、キャスト以外の情報が一切伏せられていたことや、やや難解なストーリー展開に初回視聴率は11.5%と低迷。制作費が1話1億円と目されていたことから、当初はTBS内でも焦りが見えました。しかし、そこから右肩上がりとなり、最終話直前には出演者による生放送企画を盛り込む浮かれぶり。TBSの佐々木卓社長も20日の定例会見で『大変すばらしい結果になった』と満足気でした」(芸能ライター)
とはいえ、やはりあの作品と比較すると物足りない数字なのも事実だ。
「堺の代表作である『半沢直樹』の視聴率は、2013年版が初回19.4%で最終話が42.2%。2020年版は初回22.0%で最終話は32.7%を記録し、その差は歴然です。『半沢直樹』は国民的ドラマとなりながらも続編まで7年を要しました。ここまで長引いたのも、一説には役のイメージが付きすぎることを堺が嫌ったとの話ですが、『VIVANT』で半沢の呪縛が解けたかと言われれば……」(テレビ誌ライター)
ともあれ、『VIVANT』は考察界隈では大いに盛り上がり、視聴者の満足度も『半沢直樹』にも負けていなかったようにも見える。ただ、数字的にはほぼWスコアになってしまったのはなぜか。前出のテレビ誌ライターが続ける。
「まずはタイトルがあげられるかもしれません。『半沢直樹』はその凄腕サラリーマンの名前そのままでしたが、『VIVANT』は謎のキーワードとして物語が進み、結局、『別班』の意味だったことが判明、視聴者がついていけなかった可能性がある。また前者は勧善懲悪で、毎話スカッとする痛快な逆転劇が視聴者を病みつきにさせていたのに対し、後者は当初、冷酷に任務を遂行する話から後半は家族の物語に変化するなど先が読みにくかった。そして、何より『VIVANT』の決め台詞です。『半沢直樹』の『やられたらやり返す、倍返しだ!』は流行語大賞にもなりましたが、『VIVANT』での乃木の決め台詞『この美しき我が国を汚すものは、何人たりとも許さない』は浮世離れしすぎていて、いまひとつピンと来なかった。今年のドラマには流行語大賞にノミネートされるようなフレーズが今のところ見当たりませんが、『VIVANT』にもっとキャッチーな決め台詞があれば、視聴率ももっと伸びたかもしれません」
福澤監督は17日のファンミーティングにて、「三部」までの構想があることを明かしているが、続編の際には台詞にひと工夫が必要かもしれない。
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