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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 大﨑洋元会長「吉本を辞めてすっきり」

大﨑洋「吉本興業を辞めてすっきり」、万博への新たなる挑戦の中身とは?

エンタメの力で社会課題を解決するのが万博の役目

――8月17日には、事業化支援プロジェクトチーム(PT)発足会見を開かれました。大﨑さんが発起人になって、社会が抱える課題に対して経済産業省、内閣官房、万博協会と連携し、万博での催事を事業化するための支援を行うプロジェクトだそうですね。

大﨑 僕はエンタメの力で社会課題を解決するのが今回の万博のひとつの役目やと考えてるんです。一般催事でいろんな企業や団体さんが行う取り組みを、万博が終わった後も持続可能な事業にしたい。そのためのチームです。
 経産省から来てる40代前後のお役人の中には、国のためを思って働いている、いうたら国士のような方がいてるんですね。やる気があって優秀で。僕がアバウトに話したことに対して整理して進めてくれる。大したもんです。プロジェクトチームについても、その子らから「経産省でやっている社会課題解決プロジェクトのこの部分をピックアップしたら、大﨑さんが目指しているような催事と連動できますよ」というような話がありました。チームを一緒にやってる山中哲男くん(実業家。地方創生やまちづくりに関わる事業を手掛ける)がそれを精査して、どこをどうつなげるかやってもらってます。早いうちにこの取り組みをマスコミにも言わなあかんと思って会見をしました。僕としては、あれでやっとスタートしたかなという感じです。
 プロジェクトチームはひとまず今は任意団体ですけど、株式会社にするのかNPO法人にするのか一般社団法人にするのか、会議しながら決めていかなあかんと思ってます。とりあえず1カ月以内に法人つくって名刺つくって、地方銀行や信用金庫、企業さんを回ってお金を集めなあかんかなぁと思ってるところです。

――会見では「一般催事に予算措置がないと知って驚いた」とおっしゃっていました。

大﨑 そうそう。9月15日から万博協会の催事局が一般催事の募集をしています。何かやりたい方はそこに申し込んでいただいて、選考して「決まりました、場所はここです」となるわけですけど「場所代は払ってね、スポンサーは自分で見つけてね」という仕組みなんですよ。そら、なかなか手ぇ上がりませんよね。
 3年前やったらまだ何か出てきたかもしれないですけど、2年切った段階で「中身考えろ、カネ集めろ」って相当大変でしょう。間に合わすためには迅速に動かなアカンけど、協会は縦割りで身動きが取りづらい。それだったら新しい組織を別につくって、そこからサポートする形にしようかなと考えました。

――パビリオンの建設遅れと同じような状況があちこちで起こっているんですね。

大﨑 だから優先順位の付け方が難しいです。パビリオンはじめインフラの建設が1位なのか、世界中から来はる賓客の警備や安全確保が1位なのか、あるいは催事なのか。2年切ってしまうと全部1位、1位、1位になってまうんですよね。

――大﨑さんも会見で「普通に考えたら絶対に間に合わない」と言っていましたが、世間では延期論も出ています。開催延期の可能性はないんでしょうか。

大﨑 まずないんじゃないですかね。国としてこの期に及んで延期や辞めるってわけにはいけへんでしょう。勝手な想像ですけど、たとえばどこかの国の王様が来るとなったら、前々からスケジュールを決めてホテルや飛行機を手配したりしてるやろうし、今さらずらせないんじゃないですか。普通に考えたら間に合わへんけど、そればっかし言うてても仕方ないからね。

――当然、催事にもしわ寄せがいくわけですよね。

大﨑 でも僕は気楽なんで、世界中のお祭りを集めて子どもたちがそこに参加するようなことやったらええわと思ってるんですよ。建物なくても、みんなでお神輿担ぐんやったらどこでもできるでしょう。それと社会課題解決みたいなところを結びつけて、いちばんええパターンで事業化できたらええなと。

――吉本の力を借りることはないんですか? エンタメの力を使うということであれば、吉本にいたほうが進めやすい部分も多かったのではないかと思うのですが。

大﨑 それは望むところではないですから。利益相反したらいかん。僕が吉本を辞めて座長になることが決まったとき、岡本社長も「吉本として公募には一切手をあげないことにします」と言うてました。企業さんが何かやるところにタレントが出るのは全然いいんですけど、吉本が中心になる単独イベントはやらんことになってます。就任前に決まっていたものについては問題ないと聞いてますけど、それ以外はもうやらんと。リスクヘッジのためにもいろいろとちゃんとしておかないといけないですよね。オリンピック・パラリンピックのこともありましたから。

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