『M-1グランプリ』1回戦も佳境に……「1位通過組」注目の顔触れは？

　年末に向けて、今年も“漫才頂上決戦”『M-1グランプリ』（テレビ朝日系）が動き出している。8月1日～10月4日にかけて行われている1回戦もいよいよ佳境に入り、連日、『M-1』の公式YouTubeに各会場のTOP3漫才がフル尺で掲載されている。

　今回は、その中でも1位通過となった注目コンビをピックアップして紹介したい。

■返り咲きなるか、決勝経験コンビたち

・もも

　8月7日の大阪会場で爆笑をさらい、トップ通過したのが2017年結成のもも。翌18年から3年連続で準々決勝まで進むと、21年には決勝に。クラシカルな上方スタイルと斬新なシステムを組み合わせた「○○顔やろ！」漫才で5位という結果を残した。生放送中に翌年の優勝を誓うも、22年は3回戦で敗退。今年は、応募順で与えられるエントリーナンバーで「1」を獲得する気合の入りぶりで、貫禄のトップ通過を果たした。

・アキナ

　すでに関西では数多くのレギュラーを抱えるアキナも、9月12日の大阪会場でトップ通過を果たしている。『M-1』で2回（16、20年）、『キングオブコント』で3回（14、15、17年）の決勝進出を果たしている超実力派だが、直近の20年大会では大いにスベって8位に沈み、近年では『M-1』本大会の怖さをもっともよく知るコンビといえるだろう。翌21年は準々決勝、昨年は3回戦で敗退しているが、豊富な経験と高い演技力を生かして、今年はどこまで勝ち残れるか。

・馬鹿よ貴方は

　15年に決勝進出経験のある馬鹿よ貴方はも、8月14日の東京大会を1位で通過している。スタイルもルックスも8年前からまったく変わらない2人だが、近年は不調を極め、22年には決勝経験者初の1回戦敗退も経験している。各養成所・所属事務所を転々と渡り歩きながら実績を積み重ねてきた苦労人コンビ、今年こそ捲土重来を期待したい。

■コント師たちの漫才挑戦が熱い!?

・バンビーノ

　普段のライブではコント師の芸人が漫才に挑戦している姿を見られるのも、『M-1』の楽しみの1つ。そんな中、14年の『キングオブコント』で決勝に進出し、「ダンソン！　フィーザギー」という摩訶不思議なネタで大ブームを巻き起こしたバンビーノが、8月28日の東京会場で1位通過している。『M-1』への挑戦は昨年に続く2年目だが、今年がラストイヤーでもある彼ら。ぜひ決勝に進出して、「ダンソンのやつ、こんな顔してたのか！」と一般視聴者を驚かせてほしい。

・レインボー

　今年『キングオブコント』の準決勝にも残っているレインボーが、8月29日の東京会場でトップ通過。レインボーといえば、登録者100万人超のYouTubeに3年ほど前から毎日長尺コントをアップし続け、その数1,200本以上という生粋のコント師だが、漫才の舞台でもそのキャラクターと演技力は健在。史上初の『M-1』『KOC』同年ダブル決勝も視野に入る。

■不仲解散→組み直しコンビがファイナルまで突き抜ける!?

・とんかつ街道

　今年の『M-1』開幕戦となった8月1日の東京大会でトップに立ったのが、元・赤もみじの村田大樹と元・衝撃デリバリーかつやまが今年4月に結成したとんかつ街道だ。村田は赤もみじ解散の経緯が描かれたドキュメンタリー動画で界隈を大いにざわつかせたが、その後の現コンビでは結成わずか4カ月とは思えない完成度の漫才を披露し、お笑いファンの間では早くも決勝進出がささやかれている。

・シモリュウ

　村田以上に“不仲解散”で世間を騒がせたのが、新コンビ・シモリュウで9月13日の大阪大会を勝ち抜いた元・コウテイのシモタだ。昨年、敗者復活戦への出場辞退からそのまま解散にいたった経緯は多くのファンを悲しませたが、7月に元・なにわスワンキーズの前田龍二とコンビを組むと、軽々と1回戦をトップ通過。やはり大阪よしもと、旧コンビで踏んできた場数の違いを見せつける結果となった。

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　今後も、数々の注目コンビが登場する『M-1』1回戦だが、16日現在でもっとも注目を集めたのは上記のプロ漫才師ではなく、8月14日の東京大会で「ベストアマチュア賞」を受賞した小学生女子コンビ・ラブリースマイリーベイビー。動画の再生回数は70万回に届こうという勢い。こちらも必見である。

　今年も7,000組を超えるコンビがエントリーするとみられている『M-1』だが、年末の生放送でネタを披露できるのは敗者復活組を含む10組のみ。果たして、この中からファイナリスト、優勝者が生まれることはあるのだろうか。

（文＝新越谷ノリヲ）

新越谷ノリヲ（ライター）

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

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